「眠れる森の美女」の版間の差分

ある国に、子どもに恵まれず悩んでいる王と王妃がいた。ようやく女の子を授かり、非常に喜んだ王と王妃は国中の13人の魔法使いのうち12人を祝宴に招待したが、魔法使いをもてなすための金の皿が12枚しかなかったため、13人目の魔法使いだけは招待されなかった。魔法使い達は祝宴の場でそれぞれ「美徳」「徳美」「富」など魔法を用いた贈り物を王女に授けるが、11人目の魔法使いが贈り物をした直後、恐ろしい形相をした13人目の魔法使いが突如として現れ、祝宴に招待されなかった報復として、「王女は15歳になると、[[糸車|紡ぎ車]]の[[紡錘|錘]]が指に刺さって死ぬ」という恐ろしい[[呪い]]をかける。王と王妃をはじめ城の人々が大騒ぎする中、まだ贈り物をしていなかった12人目の魔法使いが「この呪いを取り消すことはできないが、呪いの力を軽くすることはできる」と言い、「王女様は死ぬのではなく、100年間眠り続けた後に目を覚ます」と告げた。

王女の運命を心配した王は、国民に命じて国中の紡ぎ車を燃やさせてしまう。王女は順調に育っていくが、15歳になった時、一人で城の中を歩いていて、城の塔の一番上で一人の老婆が紡ぎ車を使い糸を紡いでいるのを見て興味を示し、紡ぎ車に近寄った途端に錘が手の指に刺さり、王女は深い眠りに落ちる（この老婆の正体は13人目の魔法使いであったとも言われる）。呪いは城中に波及し、王と王妃をはじめ城の人々も全て眠りに落ちるが、城の周囲の[[茨]]だけが急速に繁茂し、やがて城には誰も入れなくなった。中には侵入を試みた者もいたが、[[鉄条網]]のように絡み合った茨に阻まれ、全員が茨に絡まって動けなくなり落命した。

そして長い年月が過ぎたある日、近くの国の王子がこの国を訪れ、茨の森に囲まれた城を見て、城の近くに住む老人に「あの城には何があるのか」と問いかけると、老人は「城の中には美しい王女様が眠っていると子供の頃に聞いたことがある」と答えた。それを聞いた王子は何としても王女の姿を見てみたいと思い、危険を冒してでも城に入る決意をして茨の森に近付く。この時、城にかかっていた100年の呪いが解けて、茨はひとりでに道を開け、王子は無事に城の中に入り、眠っている王女を見付ける。王女は目を覚まして王子を見そめ、同時に城の人々も目を覚まし、王女と王子はその日のうちに結婚して幸せな生活を送っに暮らした。