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日本は名前のない道路が多く、住所の記述から場所が明確に特定できないだけでなく、道路が狭く入り組んでおり、トンネルも多く高速道路が有料なためカーナビのニーズが高い。これを背景に日本が世界に先駆けてカーナビを商品化した。またこのような高いニーズを背景に日本では高価(数十万円)で高機能なインダッシュ型のカーナビゲーションシステムが圧倒的なシェアを近年まで保持しており、どのメーカーも国内市場に合わせてそのような商品開発に終始していた。
 
一方の欧米は全ての道に個別の名前や番号(wストリート、xアヴェニュー、yドライブ、zロード等、日本語では「**通り」「n番街」「**(番)道路」となる)が付いており、それぞれの住所はその道の東西南北の何番目という形で記述されている。さらに全ての家には日本の様な表札の代りに住所の番号が表示されている。看板と同じよう[[コンビニエンスストア]]で千円ぐらいで買える地図の索引にはどれどれの道は地図の何ページのどの区分にあると記述されているので、住所さえ分かれば確実に全て住居や建物の正確な位置を特定できる。よって、普通の道路地図があればほとんどの場合は事足りる<ref>『ガラパゴス化する日本』 p.49</ref>。北米はともかくヨーロッパでは道の入り組んだ古い町並みが存在するため、カーナビの用途は(地図を引く手間が省けるという程度)存在したが、日本の何十万円もする高価なカーナビは一部の高級車のオプションとしてしか普及しなかった。
 
ところが2000年5月、[[アメリカ合衆国国防総省]]が民間用[[GPS]]上のSA信号(セレクティブ・アベイラビリティ。敵国軍に活用されるのを防ぐために誤差を増減出来る。誤差の率は同盟国にのみ通知される)を停止。これにより、GPSのみでの位置精度がそれまでの100m程度から10m程度へと飛躍的に向上した。これによってヨーロッパ市場では[[2005年]]ごろから、[[ガーミン]]、TomTomといったメーカーにより、単機能(GPSによる場所の特定と道順の指示だけで、トンネルに入ると機能しなくなる)で数万円程度のポータブルカーナビゲーション、[[PND]]が登場する。これは胸ポケットに入るぐらいの大きさで、車に乗った時に台にはめ込み、車を出る時には一緒に持ち歩くもので、車上荒らしの被害を軽減できるだけでなく歩行時には地図帳の代わり(しかも最新のデータが出て買い替えの必要がない)になる携帯装置としての利便性と低価格で、まずヨーロッパで市場普及が進み、その後はアメリカにも飛び火<ref>『ガラパゴス化する日本』 pp. 48-49</ref>。結果として、高価で持ち運びのできない高級車のオプションとしての機器の普及に執着したほとんどの日本メーカーはオプションとしてインダッシュ型も全く売れなくなるとともに世界市場の足がかりを失い、国内市場に封じ込められる状況となった<ref>『ガラパゴス化する日本』 p.48</ref>。それだけでなく、現在ではこれら低価格PNDが日本に参入して、カーナビの元祖である日本の市場を侵食している。