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[[世界恐慌]]による[[失業]]や[[貧困]]による社会不安が[[第二次世界大戦]]を惹き起こしたことを反省して、[[西ヨーロッパ|西欧]]諸国や[[日本]]などでは、戦後には[[ケインズ]]主義的な政策により[[完全雇用]]の達成を目指した。しかし、[[機械化]]により[[1970年代]]から単純労働力への[[需要]]が減少し、また高学歴化が必ずしも経済界の求める人材の養成につながらなかったこともあり、失業率が増大するようになった。
 
とりわけ、[[ソ連崩壊]]後の[[19921991年]]以後には、「[[社会主義]]の没落」「資本主義の勝利」の名の下で、[[一極体制|唯一の超大国]]と化したアメリカ的価値観が絶対化される[[アメリカナイゼーション]](アメリカ主導の[[グローバリゼーション]])が席巻し、[[多国籍企業]]は米ソ[[冷戦]]終結後に世界中でパイを奪い合う「大競争時代」を作り上げた。この結果、大企業はより安い労働力を求めて[[先進国]]から[[開発途上国|発展途上国]]へと工場を移すようになり、[[正規雇用]]が益々減少する結果となった。このため、正規雇用から排除された階級(それも特定の年齢層、[[1970年]]以後生まれ)が増加しており、社会問題化している。
 
解雇保護法で労働者が保護されているEU諸国でも、「[[見習い]]」や「[[インターンシップ|インターン]]」などの名目で、正規の被雇用者と格差をつけられた身分で雇われる若者が増加している。企業が少しでもキャリアを積もうという若者の足下を見て極端な低賃金と不安定な身分で雇用しているもので、正規採用されないまま不安定雇用が長期化することが懸念されている(『インサイダー・アウトサイダー市場』問題)。