「ネイピア数」の版間の差分

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;オイラーによる定義
:''e'' は
:<math style="margin-left:2em;">\frac{d \over }{dx} \, a^x
= \lim_{h\rightarrow 0} \frac{a^{x+h}-a^x}{h}
= \left(a^x \lim_{h\rightarrow 0} \frac{a^h-1}{h} \right) a^x
= a^x</math>
:を満たすような実数''a'' のことであり
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:以下の式の右辺は、ヤコブ・ベルヌーイによって、[[利子#連続複利と元利合計|利子の連続複利]]の計算との関連で言及されたものである。
:<math style="margin-left:2em">e=\lim_{n\to \infty} \left( 1+\frac{1}{n} \right)^n</math>
:元金1を年利1、付利期間を({{sfrac|1/|''n)''}}年で1年預金すれば、({{sfrac|1/|''n)''}}年ごとに利子({{sfrac|1/|''n)''}}で元利合計が増えていき、1年経つと右辺の式になる。''n'' → ∞ n→∞とした極限は連続複利の元利合計となる。
:オイラーは、導関数がもとの関数と等しい[[指数関数]]の底が、この式の右辺によって求まることを示した。ここで ''n'' は[[自然数]]だが、''n'' を[[実数]]として変動させた場合も上の式は同じ値に収束する。
[[ファイル画像:Ln+e.svg|thumb|right|200px|自然対数の ''e'' における値は 1 である。すなわち ln ''e'' = 1]]
;微分積分学の基本的な関数を使った定義
:<math style="margin-left:2em">e=\exp 1</math>
:<math style="margin-left:2em">\ln e=1</math>
:exp ''x'' は[[指数関数]]、ln ''x'' は[[自然対数]]であり、互いに逆関数になっている。指数関数や自然対数ネイピア数 ''e'' を用いてにより定義する場合、ともあるが、そを逆らの式よりネイピア数定義に用いることは、[[循環定義|定義が循環]]となってしまう。そで、できない。以下ため示すようなネイピア数 ''e'' を用いない指数関数・対数関数の定義として以下示すり、ネイピア数を定義できうなものがある。
 
=== 定義に用いられる諸公式 ===
[[ファイル画像:hyperbola E.svg|200px|thumb|right|グラフ ''y'' = {{sfrac|1|''x''}} の 1 ≤ ''x'' ≤ ''e'' における領域の面積は 1 になる。]]
ネイピア数を定義するために用いられる指数関数や対数関数の性質・公式を挙げる。これらの式と ''e'' = exp 1 などを組み合わせることによって、ネイピア数が定義できる。
*<math>\exp x=\sum^{\infty}_{n=0} \frac{x^n}{n!}</math>
*: これは関数 <math>\exp x=e^x</math> を[[テイラー展開]]したものである。
*<math>\frac{d}{dx} y(x)= y(x),\quad y(0)=1</math>
*: という[[微分方程式|常微分方程式]]の初期値問題の解 ''y''(''x'') によって exp ''x'' = ''y''(''x'') が定義される。
*<math>\int_1^x \frac{dt}{t} =\ln x</math>
*<math>\left.\frac{d}{da} x^a \right|_{a=0} = \ln x</math>