「ジークフリード・キルヒアイス」の版間の差分

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'''ジークフリード<ref>現代[[ドイツ語]]の日本語表記では「ジークフリー'''ト'''」であり、濁音でなく清音である。'''銀河帝国公用語'''は現在のドイツ語をモデルにしていると思われるが、明確に断言はされておらず、他にも現代ドイツ語の日本語表記とは異なる単語がいくつか存在する。。</ref>・キルヒアイス''' (''Siegfried Kircheis'') は、[[田中芳樹]]のSF小説『[[銀河英雄伝説]]』の登場人物。
 
== 概要 ==
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当初はラインハルトの影に隠され、敵味方を通じて過小評価されていた。しかし、帝国暦487年、ラインハルトの[[元帥府]]開設に伴い少将に任命されると、直後に発生した[[銀河英雄伝説の戦役#カストロプ動乱|カストロプ動乱]]を短期間<!--・無血/原作では「無血」ではない-->で鎮圧して実力を示した。これにより一挙に中将に昇進してラインハルト陣営のNo.2の地位を確立したが、その人柄に由来する穏やかな物腰と年上の同僚や部下に対する謙虚な姿勢で、そのことを自然と周囲に認めさせるに至り、これ以降は次々と才覚に相応しい功績を挙げていった。
 
また、幼い頃から喧嘩が得意で[[白兵戦]]の技量も非常に高く、[[銀河英雄伝説の戦役#衛星ヴァンフリート4=2の戦い|ヴァンフリート4=2での地上戦]]では、同盟軍最強の[[ワルター・フォン・シェーンコップ|シェーンコップ]]と互角に渡り合ったほどである<ref>ただし、お互いに名乗る間もなく、相手が誰かを知ることは無かった。</ref>。また、[[銀河英雄伝説の用語#フライングボール|フライングボール]]の名人でもあり、外伝「汚名」で刺客に襲われて無重力状態で格闘した際にその片鱗を見せている。更には、射撃能力も卓越している。幼年学校時代に大会で何度も金メダルを獲得する程の腕前で、作品中ラインハルトを射撃の腕で救った回数はトップである。ラインハルトが護衛役としてキルヒアイスに武器の携行を許していたのは、信頼関係と同時に、キルヒアイスの射撃能力を評価していたからとも考えられており<ref>幼年学校での成績は白兵戦、射撃、運転技能でラインハルトを上回っていた。</ref>、[[銀河英雄伝説の戦役#リップシュタット戦役|リップシュタット戦役]]終結後の捕虜の謁見においても武器携行が認められていればアンスバッハの襲撃は瞬時に阻止されていたとラインハルト自身が認めている。
 
敵手であるヤンも、彼を「能力的にもラインハルトの分身である」と評し、名実共に帝国軍のNo.2と認めていた。
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[[銀河英雄伝説の戦役#アムリッツァ星域会戦|アムリッツァ会戦]]で同盟軍の完全な殲滅を逸する原因を作った[[フリッツ・ヨーゼフ・ビッテンフェルト|ビッテンフェルト]]をラインハルトが厳しく罰しようとした時、キルヒアイスの諌めで不問に伏したという事例があり、この時の、減点主義を否定し、失態を演じた者には名誉挽回の機会を与えるべき、という発想は、死後にラインハルトに受け継がれ、殊に[[ナイトハルト・ミュラー|ミュラー]]はラインハルトの命を救うことになる。ヤンに敗北したミュラーや[[アウグスト・ザムエル・ワーレン|ワーレン]]、[[カール・ロベルト・シュタインメッツ|シュタインメッツ]]、あるいは[[ヘルムート・レンネンカンプ|レンネンカンプ]]などが厳罰を免れて、敗死した[[カール・グスタフ・ケンプ|ケンプ]]も上級大将に特進している。
 
地球へ向かう途上の[[銀河英雄伝説の登場人物・その他#ボリス・コーネフ|ボリス・コーネフ]]の[[銀河英雄伝説の登場艦船#ベリョースカ号|ベリョースカ号]]を臨検した際も、乗員や乗客である[[銀河英雄伝説の用語#地球教|地球教徒]]たちに非常に親切に応対した<ref>この時点では地球教の正体はまだ明らかではなく、また彼ら末端の信徒たちは上層部の陰謀とは無関係であった。</ref>。なおこの時コーネフは、彼をいい人だと賞賛する[[銀河英雄伝説の登場人物・その他#マリネスク|マリネスク]]に答えて、いい人はこのご時世では長生きできない、気の毒なことだ、と予言めいたセリフを口にしている<ref>ただし、これはマリネスク曰く船長の悪い癖であり、この時は思いっきり外れた台詞であった。</ref>。
 
最期までラインハルトを守り、慕い続け、ラインハルトの「[[銀河系|宇宙]]を手に入れる」という望みを託して死亡。死後、ラインハルトは[[元帥]]、[[大公]]の称号を贈るなどあらゆる栄誉を与えたが、その墓に刻んだ碑銘は「Mein Freund(マイン・フロイント、「我が友」)」ただ一言であったことがラインハルトの心情を表していたと思われる。後にラインハルトは息子のミドルネームに「ジークフリード」の名を付けている。
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==退場劇について==
人気を博したこの作品においてなお「キルヒアイスの死は早すぎたのではないか」という読者の意見は多い。作者自身も、[[プロット (物語)|プロット]]上問題があり、その死を早くし過ぎたことを初版の本伝5巻のあとがきで認めている。ただし、作者は当初より彼を[[ヤン・ウェンリー]]同様物語途中で死亡するキャラクターと設定しており、問題があるとしたのは「早く死なせすぎた」という点で、たとえ読者からいくら苦情が来ても物語の最後まで死なせないという選択をすることはなかったであろうとしている。同時に彼の欠を補うべく多彩な人物が揃った一面も持ち、作者は彼に代わりうる人物として、[[ウォルフガング・ミッターマイヤー|ミッターマイヤー]]、[[オスカー・フォン・ロイエンタール|ロイエンタール]]、オーベルシュタイン、[[ヒルデガルド・フォン・マリーンドルフ|ヒルダ]]、ミュラーの名を挙げている(新書版後書きより)。一方、その批判と不満を補うかのように外伝ではラインハルトとともに活躍する若き姿が数多く描かれており、特に外伝「汚名」はキルヒアイスをメインとして物語が進行しており、ラインハルトの登場は最後にわずかあるだけである。
 
== 演じた人物 ==