「ベン・ハー (1959年の映画)」の版間の差分

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『'''ベン・ハー'''』(''Ben-Hur'')は、[[1959年]]制作の[[アメリカ合衆国の映画|アメリカ映画]]。[[ルー・ウォーレス]]による小説『[[ベン・ハー]]』の3度目の映画化作品である。[[ウィリアム・ワイラー]]監督。[[チャールトン・ヘストン]]主演。同年アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞・助演男優賞をはじめ11部門のオスカーを受賞。この記録は史上最多記録でその後長く続き、『[[タイタニック (1997年の映画)|タイタニック]]』([[1997年]])、『[[ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還]]』([[2003年]])がようやく同じ11部門受賞で並んだが、現在もアカデミー賞の史上最多受賞作品の一つである。
__TOC__
== 概要 ==
[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の[[ルー・ウォーレス]]が[[1880年]]に発表した[[小説]] "''Ben-Hur: A Tale of the Christ''" を原作に、[[1907年]]に15分の[[サイレント映画]]で製作され、[[1925年]]に同じサイレント映画で2度目の映画化で[[ラモン・ノヴァロ]]がベン・ハーを演じ、これが大ヒットとなった。そしてこの2度目の時にスタッフとして参加した[[ウィリアム・ワイラー]]が34年後に監督として70ミリで撮影し3度目の映画化したのがこの作品である。
 
主人公ベン・ハーを[[チャールトン・ヘストン]]、メッサラを[[スティーヴン・ボイド]]、他に[[ジャック・ホーキンス]] 、ハイヤ・ハラリート、[[ヒュー・グリフィス]] が出演。[[チャールトン・ヘストン]]がアカデミー賞主演男優賞、[[ヒュー・グリフィス]] が助演男優賞を受賞し、[[ウィリアム・ワイラー]]はこの映画で3度目の監督賞を受けている。

原作の副題に「キリストの物語」とあるように、キリストの生誕、受難、復活が「ベン・ハー」の物語の大きな背景となっている。この映画はタイトルが出る前にキリストの生誕で始まり、キリストの処刑とともに復活で「ベン・ハー」の物語が終わる。
 
1959年[[11月18日]]にプレミア公開され212分の大作ながら全米公開後、瞬く間にヒットとなった。同様に全世界でも公開されてヒットした。54億円もの制作費が投入されたが、この映画1本で倒産寸前だった[[メトロ・ゴールドウィン・メイヤー|MGM]]を一気に立て直すことができた。
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== あらすじ ==
{{Main|ベン・ハー#ストーリー}}
[[File:Charlton Heston in Ben Hur trailer.jpg|thumb|right260px|left|ベン・ハーを演じるチャールトン・ヘストン]]
1世元26年のエルサレム。イエス・キリストが厩で生誕して20数年後、イスラエルの王族の血を引く貴族ジュベン・ハー([[チャールトン・ヘストン]])は幼なじみのローマ軍人メッサラ([[スティヴン・ボイド]])がローマ帝国司令官再会する。して任地エルサレムに戻ってきて、二人は再会を喜びあうが、やがて支配者側のメッサラーが持ちかけた出世話をと被支配者側のベン・ハーとで意見断った為分かれ、二人の間には亀裂が走る。
 
その頃新しい総督を迎えてローマ軍が行進しているさなかに、ベン・ハーの屋敷の瓦が崩落した事故を奇貨として新総督が重傷を負い、司令官メッサラはベン・ハーに総督暗殺謀ったとして逮捕し、奴隷の身分に落として漕手刑([[ガレー船]]の漕ぎ手とする極めて重い刑罰)を言い渡す。ベン・ハ―の母ミリアム ( [[マサ・スコット]])と妹ティルザ ([[キャシー・オドネル]]) 牢に入れられて家族は離散する。そして囚人としてガレー船に送られる道中、ベン・ハーは乾きに苦しめられ倒れるが、不思議なその時一人の男に水を飲ませてもらい、不思議なことに力を得て窮地を脱する。
 
ガレー船でベン・ハーは漕手として3年間を過ごすが、メッサラへの恨みが彼の全身を貫いていた。そしてたまたまマケドニア艦隊との海戦で沈没する旗艦から総司令官アリウス([[ジャック・ホーキンス]])を救出するという殊勲を上げ、漕手刑を赦免されてアリウスの養子となり、ローマの市民権を得て二輪戦車競走の騎手として注目されるまでになる。しかしエルサレムの母と妹の安否が分からず、ベン・ハーはアリウスのもとを去ってエルサレムに向かう。この時に救世主が現れたとして探し歩く老人を知り、また途中で族長イルデリム([[ヒュー・グリフィス]])と知り合い、彼の助力を得ながらエルサレムに実母と妹を探しに戻った。
ベン・ハーの屋敷の瓦が崩落した事故を奇貨としてメッサラーはベン・ハーを逮捕し、漕手刑([[ガレー船]]の漕ぎ手とする極めて重い刑罰)を言い渡す。ベン・ハーはガレー船に送られる道中、乾きに苦しめられるが、不思議な男に水を飲ませてもらい、窮地を脱する。
 
しかしもとの邸宅に戻ると家臣だったサイモニデス([[サム・ジャッフェ]])とその娘エスター(ハイヤ・ハラリート)がいたが、父サイモニデスはベン・ハーの逮捕の折りに投獄され拷問を受けて半身不随の身体にされていた。そしてエスターから母も妹も亡くなったと聞かされて復讐の鬼となった。だが実はエスターは母と妹が生きていることを知っていた。ベン・ハーがローマで貴族となった知らせを聞いたエルサレムの役人が牢の奥深くに閉じ込められた母と妹を突然出獄させたのだが、この時二人ともライ病に罹り、病人だけの隔離場所である洞穴に行くとエスターに伝えて息子には死んだと言うように嘆願されていた。エスターはその後も隔離場所に食事を運び二人を援助していた。この時エスターは心の拠り所を噂で聴いたイエスに委ねていた。
ベン・ハーは漕手として3年間を過ごした後、マケドニア艦隊との海戦で沈没する旗艦から総司令官を救出するという殊勲を上げ、漕手刑を赦免されてローマで奴隷として戦車競走の騎手となり、連戦連勝を重ね、ローマ貴族の養子としてローマの市民権を得るまでになる。
 
そうとは知らないベン・ハーは、仇敵メッサラと二輪戦車競走で相まみえ、族長イルデリムが集めて入念に調教した優秀な4頭の馬を操って円形競争場で激しい争いをメッサラと繰り広げた。そしてメッサラとの死闘を制したベン・ハーだったが、その直後に瀕死で虫の息のメッサラから母と妹がライ病に侵されながらも生きていることを知る。そして密かにエスターの後を追って洞穴で生きながらえる母と妹に再会した。ベン・ハーは家族や親友を不幸にしたローマを憎み、ローマの市民権を放棄する。悩むベン・ハーにエスターは救世主と言われるようになったイエスの話をするがいっこうに聞く耳を持たない。やがてイエスが裁判にかけられて磔にされるという話を聞いて、すがる思いで母と妹を連れて街に繰り出すが十字架を背負ったイエスを見て、あの時に水を恵み自分を救ってくれた人であったことにベン・ハーは愕然とする。母と妹を帰らせてベン・ハーは後を追いかけ、そして倒れたイエスに今度は自ら水を飲ませたが役人に蹴られ、やがてゴルゴダの丘でイエスは磔の刑に処せられた。その直後に俄かに天から雷雨と大風が舞い、イエスの流した血が大地を流れていった。
やがてエルサレムに実母と妹を探しに戻ったベン・ハーは、仇敵メッサラーと戦車競走で相まみえる。メッサラーとの死闘を制したベン・ハーは実母と妹が疫病に侵されながらも生きていることを知るが、家族や親友を不幸にしたローマを憎み、ローマの市民権を放棄する。
 
絶望したベン・ハーは重い心で邸宅に戻った。しかしエスターは微笑みながら彼を迎えた。ふと上を見上げると母と妹が元の姿に戻っていた。あの雷雨の中で洞穴に退避した母と妹は急な激痛の後に病が癒えていたのだった。信じられないベン・ハーは母と妹を抱きしめながら喜びを分かち合った。
== スタッフ ==
* 監督:[[ウィリアム・ワイラー]]