「ダストトレイル」の版間の差分

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すばる望遠鏡での撮影事例について加筆。
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[[母天体]]([[彗星]]・[[小惑星]])が特定の近日点通過日付近で、太陽熱の作用で[[流星]]物質を集団で放出したと仮定して、その特定の近日点通過年を冠して、たとえば、「[[しし座流星群]]の[[1899年]]のダストトレイル」、「しし座流星群1998年近日点回帰時における、3公転前のダストトレイル」(この例では同じ物の言い換え)というふうに、その流星物質の集団の名称として使われる。従って個々は、特定の流星群の、流星物質総体のうちの、更に一部分を指している。
 
なお、ダストトレイルは提唱されたときにはあくまで理論的な概念であり、近年まで直接観測された例は無かった。しかし、[[2002年]]に[[東京大学]][[木曾観測所]]により22P/[[コプフ彗星]]のダストトレイルが撮影され<ref>[http://www.astroarts.co.jp/news/2002/05/22dust_trail/index-j.shtml 彗星のダストトレイルを可視光で検出することに成功,astroarts,2002年5月22日]</ref>、[[スピッツァー宇宙望遠鏡]]が[[2005年]]に48P/[[ジョンソン彗星]]と129P/[[シューメーカー・レヴィ第3彗星]]の、[[2006年]]には73P/[[シュワスマン・ワハマン第3彗星]]のダストトレイルの撮影に成功した<ref>[http://www.astroarts.co.jp/news/2006/05/12spitzer_sw3/index-j.shtml 崩れた核のなれの果て:赤外線で見たシュワスマン・ワハマン彗星,astroarts,2006年5月12日]</ref>。[[2016年]]には[[すばる望遠鏡]]での[[ヒクソン・コンパクト銀河群]]59観測中に67P/[[チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星]]が偶然映り込み、ダストトレイルも撮影されている<ref>{{Cite web|url=http://subarutelescope.org/Topics/2016/05/12/j_index.html |title=偶然にもほどがある? 銀河群画像に写り込んだチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星 |publisher=すばる望遠鏡 |date=2016-05-12 |accessdate=2016-05-14}}</ref>。
なお、アマチュアの天文家によっても観測が行われており、[[2009年]]には[[日本]]でコプフ彗星のダストトレイルが撮影され、[[2010年]]7月には、[[フランス]]と日本で10P/[[テンペル第2彗星]]のダストトレイルが撮影された<ref>[http://www.astroarts.co.jp/news/2010/07/23dust-trail_10p/index-j.shtml 遊佐さん、テンペル彗星(10P)のダストトレイルの撮影に成功,astroarts,2010年7月23日]</ref>。
 
ダストトレイルの語から、個々の流星物質は、「塵の道」を車のように移動するかの印象を受けるが、実際には流星物質は車ではなく、道路の材料そのものである。「塵で出来た道」に近い。