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[[アミノ酸]]や[[糖]]など生体分子の多くはキラルであり、原則として片方のエナンチオマーのみが使われている。非常に例外的に逆のエナンチオマーが使われている場合もある。地球上ではアミノ酸ではL体、糖ではD体が主流だが、このような[[ホモキラリティー]]が進化のいつの段階で生じたのかは[[生命の起源|化学進化]]上の未解決問題のひとつである。
 
キラル分子を用いた薬は、高いエナンチオマー純度が要求される。たとえば、[[サリドマイド]]を考えると、R体は睡眠導入剤や乗り物酔い止めとして有効な薬であるが、S体は[[催奇性]]を持っている。しかし、R体・S体を分離する(光学分割)することも可能だが、R体のみを服用しても比較的速やかに体内でS体に変化することがわかっている。このため、R体が催眠作用のみを持ち、S体のみが催奇性だけを現すという当初の一般薬理評価には近年疑問が持たれている<!--(サリドマイドの催奇形性は[[抗がん剤]]として利用される国もある。日本国は2008年に、[[多発性骨髄腫]]に対する治療薬として承認された。)-->。
 
== キラル中心「孤立電子対」を持つ化合物のキラリティー==