「電報略号 (鉄道)」の版間の差分

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==意義==
かつて鉄道施設間の連絡には専用の有線または無線電信による[[電報]]が多く使用されていた(鉄道電報と呼ばれ、施設ごとに[[電信]]技手がいて[[モールス符号|モールス]]による送受信を担当していた)が、電報は欧文、数字および[[カタカナ]]のみしか送受信することができず、そのため長い文章になると非常に読み難く、読み違え等で事故が発生する危険性もあった。<!-- また、電報は1文字ずつに[[課金]]されていたため、なるべく文字数が少なくなるよう工夫する必要もあった。 --><!-- 専用設備の電報だったので課金の問題はないはずと思います。復帰されるのであれば反論を。 -->
 
これらの問題を解決するために、電報内で頻繁に使用される言い回しや鉄道用語の略号を、カタカナ1 - 3文字程度の統一規格として公布し、短く且つ正確に情報を伝達することができるようにしたものである。
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=== 路線名 ===
駅と同様に、各路線にも略号がある。[[東海道本線]]であれば'''トカホセ'''のようになる。
 
=== 連絡船名 ===
駅・路線名と同様に、鉄道連絡船で使用される船名にも略号がある。[[青函連絡船]][[羊蹄丸]]であれば'''ヨテマ'''のようになる。
 
=== 区所名 ===
運転に携わる部署、例えば車掌区('''レク''')や、運転所('''ウシ''')、機関区('''キク''')、輸送指令('''ユソレ''')など。前述した駅地名の略号と合わせて使用されることが多い。
*: 例:[[田端運転所]]→'''ハタウシ'''(田端の略号'''ハタ'''+運転所)、[[新鶴見機関区]]→'''ツソキク'''(新鶴見の略号'''ツソ'''+機関区)
また、関連会社にも割り当てられることもある。例えば、車内販売を行う[[日本レストランエンタプライズ]]には'''ニホレ'''、宿泊施設の[[東京ステーションホテル]]には'''ステホ'''などである。
 
=== 車両の所属表記 ===
車両の所属区所を判別しやすくするため、車両(電車・気動車・客車・一部貨車)に、管理局(支社)の頭文字+電報略号を用いて表記する場合がある。その性格上、車体端の下部などに記載されていることが多く、一般の利用客にも目にしやすいものである。
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*# かつて、第一機関区・第二機関区といった具合に重複する場合、最後に漢数字の一・二などを併記することがあった。
*: 例:[[高崎車両センター|高崎第一機関区]]→'''{{CP932フォント|髙}}{{Smaller|タカ一}}'''、[[高崎機関区|高崎第二機関区]]→'''{{CP932フォント|髙}}{{Smaller|タカ二}}'''
 
=== 職務名 ===
運転士('''ウテシ''')や車掌('''レチ''')など、職務に対する略号。
 
=== 運転用語 ===
列車の運転を表す用語。例えば運休('''ウヤ''')、運転('''テン''')、発('''ハ''')など。
 
=== その他 ===
日常的に使われる言葉にも、字数節約の意味合いから略号がある。よろしく('''ヨロ''')、取り消し('''トケ''')、承知('''セチ''')など。
 
==現在でも現場で使用されている電略の例==
<!--電略としてではなく、隠語の意味合いが強いものがほとんどである。-->
<!--↑この項目はあくまで「電略」の項目です。「スジ」のように電略ではありえない通用語まで書かれるありさまです。たいがいにするように-->
*ウヤ
**「運転休み」の略。運休のこと。[[運転指令所]]や[[信号所]]との連絡などにおいて口頭で伝達する際は「運転休止」などと言い、使用することは少ないが、仲間内では「ウヤになった」などと表現する。似た用語に'''ウキ'''(運転禁止)があるが、こちらは滅多に使われない。
<!--
*スジ
**[[ダイヤグラム]]のこと。列車毎のダイヤをそれぞれ1本の線で表したことに由来する。使用例としては、遅延した[[貨物列車]]に対し独自に修正ダイヤを構築するのではなく、その日に運休している列車のダイヤをそのまま利用して運行させるときに、「そのスジで走らせる」と表現するなどがある。
-->
*ヌキ
**スジヌキ(スジは電略ではないがダイヤグラム、転じて運行計画などのこと)とも言い、当該列車を運行順序の枠組みから外す(抜く)こと。[[鉄道事故]]などで特定の列車が[[運転整理|抑止され(一つの駅に留め置かれ)]]、運行再開の見込みが立たない場合に、現在運行している列車の運行順序の枠組みから一時的に外しておくことである。信号所などに口頭で伝達する際には「遅れて順序後(あと)」などと表現し、仲間内での連絡や列車運行状況表へ記録する場合などには「ヌキ」が使われる。
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**(機関車が単独で運行することを特別視する理由は、かつて連結作業の不手際などから走行中に[[連結器]]が外れて機関車が[[暴走]]したり、取り残された[[貨車]]に後続列車が追突したりする事故があったことから、[[鉄道駅|駅]]や[[信号所]]でそのような事態ではないことを確認できるようにするためである)
*レチ[[ファイル:390M conductor.jpg|thumb|250px|青春18きっぷに『レチ』と記入された例]]
**[[車掌]]のこと。<!--「'''レ'''ッシャ'''チ'''゛ョウムイン」の略{{要出典|date=2015年10月|tilte=旧仮名遣いではレッシャジョウムヰンである}}。-->現在のような日付入りのスタンプが登場するまでは、車内で発行された切符に「列車番号+『レチ』」のサインが記入されていたため、電略の中では乗客の目に触れる機会の多い語であった。現在でも[[改札#車内改札|車内改札]]において[[青春18きっぷ]]に '''21年1月20日 390Mレチ''' のように「日付・列車番号+『レチ』」と記入する車掌もいる。派生語としては車掌区を表す「レク」がある。
**内部では子分類として以下の3つが存在したが、現在は使用されていない。
*:*レチチ
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[[京阪電気鉄道]]や[[東京都交通局]]([[都営地下鉄]])では電報略号に類似している方式として「駅名略称方式」を採用している。これは[[漢字]]1 - 2文字の組み合わせとなっている。ただし2文字を使用する場合は、1文字では他駅との混同の恐れがある場合などに限られる。なお、[[なにわ橋駅]]では「な」とひらがなを使用している。
 
京阪、都営地下鉄両者の付番方法はほぼ同一である(1文字の場合の例:中書島→中 泉岳寺→泉、2文字の場合の例:枚方市→枚市 白金高輪→白高)。また、両者ともにダイヤグラムに駅名略称の記載がされているが、都営地下鉄のダイヤには初期のものを除き、駅名略称の読みも書かれている(例:練馬春日町→練春、読みは「ねりはる」、大手町→手、読みは「て」)
 
また、日本国が海外に領土を持っていた当時、現地の鉄道でも制定されていた例がある。滿州鐵道では線区名に濁音も含むカタカナ3文字ないし5文字(連吉線(レケセ)、奉吉線(ホキセ)、北鮮西部線(ホセセブセ)など)が、駅名にカタカナ2文字(大連駅(レン)、奉天駅(ホテ)など)が割り当てられていた。