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2016年5月28日 (土) 00:52時点における版
ADM-141 TALD(Tactical Air-Launched Decoy)は敵の防空網を欺き、飽和させる目的の無動力の滑空式のデコイである。改良型であるITALD (Improved TALD)はターボジェットエンジンを備える。
概要
ブランズウィック社で1970年代に一連の無動力のレーダーデコイが開発され、それらの一つであるSamsonは1980年代初頭にイスラエル・ミリタリー・インダストリーズ(IMI)でライセンス生産された。イスラエルがSamsonを使用して大成功を収めるとアメリカ海軍は2000機以上のSamsonを1985年から1980年代末までに購入した[1]。
ADM-141A
基本仕様のTALDは使い捨て式の正方形の胴体の無動力滑空機だった。高度12200mからの投下で126km、高度600kmからの投下でも26km滑空した。A/B37U-1(V)1は最大36kgまでのチャフの散布機能を備え、A/B37U-1(V)2ではLunebergレンズデコイを備えた[1]。
1993年以降、4000機以上のTALDがアメリカ海軍向けに製造された。それらは1991年の湾岸戦争の開戦時の砂漠の嵐作戦で100機以上が発射され、イラクのレーダーが索敵のために送信した時に対レーダーミサイルで攻撃してイラクの防空網を壊滅させて大成功を収めた[1]。
ADM-141C
1990年代初頭にブランズウィック社はテレダイン CAE モデル 312 (J700-CA-400)を動力として備える改良型TALD(ITALD)の開発に着手した。射程は高高度飛行時に300km以上、低高度で185kmに大幅に増え、高速で低高度を飛行したり飛行速度変えたり機動飛行のようなより実際の航空機の飛行に近い飛行を再現するようになった[1]。当初は20機のTALDをADM-141C ITALD仕様に改修する契約で1996年に初飛行した。この時にIMIはTALD系列のデコイの全ての権利を入手した。1996年にアメリカ海軍は200機のGPSと慣性航法装置を装備したADM-141Cを発注した[1]。