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=== 未だ消滅せず ===
それでは、「黒電話の時代は完全に幕が下ろされたのか」というと、実はそうでもない。黒電話は、その単純さに基づく信頼性や耐久性・操作の容易性・災害時の生存性などの機械的長所があり、そのためいまでも現役であり続けている。多機能電話機が普及した一方で、そういった余分な機能に興味もなければ必要もない世帯においては、600形・601形あるいは3号・4号はなお必要充分な機能を有している。ホテルなどの施設で、今でも内線用として使われているところも多い。個人に売却された「黒電話」の数は相当数に上り、オークションで稼動機が安価かつ豊富に流通している
 
黒電話は構成部品が[[受動素子]]だけなので、構造が単純で、信頼性と耐久性が非常に高い。数十年間の稼動にも故障を起こすことがなく、いまも現用されている黒電話の多くは、製造から半世紀以上も稼働している。また操作が単純簡易で、誰でも扱える点では、あらゆる電話機の中で最も優れている。また電話線から供給される電力を利用しているため、災害時の停電下でも機能する。[[東日本大震災]]後の[[計画停電]]に際し、黒電話を再購入する例、あるいは眠っていた黒電話を再び使う例が報告された
 
黒電話は、現代の通信環境下でも使用可能である。電話回線にダイヤル式の設定が可能なら、600形・601形あるいは3号や4号でも現用できる。[[IP電話]]用の終端装置も、ダイヤル電話機に対応したものがほとんどであり、例えば[[光回線]]や[[ADSL]]のモデム設定を[[ダイヤルパルス|パルス]]に設定すれば、ブロードバンド回線にも接続することができる。また着信専用としてなら、プッシュ回線であっても使用できる。
また電話線から供給される電力を利用しているため、災害による停電下でも稼働する。[[東日本大震災]]後の[[計画停電]]に際し、黒電話を再購入する例、あるいは眠っていた黒電話を再び使う例が報告された。
 
実物機能とは別に、「昭和のレトロアイテム」としてファンも根付いた。[[電話マーク|電話番号のマーク]]が「黒電話」の形を模していることや、携帯電話の通話ボタンも同様の意匠があしらわれていること、また、[[着信メロディ]]にわざわざ「黒電話」のベル鳴動音がバリエーションされていることなど、「電話」としてのイメージもまだ生き続けていると言える。個人に売却された「黒電話」の数は相当数に上り、オークションで稼動機が安価かつ豊富に流通しているため、入手も容易、かつ安価である。「昭和のレトロアイテム」としてファンも根付いた
 
黒電話は、現代の通信環境下でも使用可能である。電話回線にダイヤル式の設定が可能なら、600形・601形あるいは3号や4号でも現用できる。[[IP電話]]用の終端装置も、ダイヤル電話機に対応したものがほとんどであり、例えば[[光回線]]や[[ADSL]]のモデム設定を[[ダイヤルパルス|パルス]]に設定すれば、ブロードバンド回線にも接続することができる。また着信専用としてなら、プッシュ回線であっても使用できる。
 
一部には「黒電話は使えなくなる」などというセールストークで、多機能電話機を高額な値段で販売・[[リース]]する[[悪徳商法]]もあり、[[消費生活センター]]や[[警察]]などが注意を呼びかけている<ref>[http://www.ntt-west.co.jp/basic/attention/fake.html こんなセールストークによる販売勧誘・訪問販売にご注意] 西日本電信電話</ref>。