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=== 各国における競技ディベート ===
==== 英国式の競技ディベート ====
[[イギリス|英国]][[庶民院 (イギリス)|下院議会]](Parliament)でのディベートを範型としていることから、一般にパーラメンタリーディベート(Parliamentary Debate)と総称される。このスタイルでは、議論の内容だけでなく伝達方法や議論方法などを含んで審査が行われるのが特徴である。
 
===== ブリティッシュ・スタイル(British Parliamentary Style) =====
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===== ポリシーディベートスタイル(Policy Debate style) =====
1947年より開催されている全米ディベート大会(National([[:en:National Debate Tournament|National Debate Tournament]])を頂点とする、AFA ([[:en:American Forensic Association|American Forensic Association]])、ADA ([[:en:American Debate Association|American Debate Association]])、CEDA ([[:en:Cross- Examination Debate Association|Cross Examination Debate Association]])という3つのディベート団体において採られている共通スタイル。各団体はシーズン後半に全米規模のトーナメントを開催する。<ref>AFA主催のトーナメントがNDT。</ref> 年間を通して1つの政策論題が与えられるため、事前に膨大な証拠資料を収集し緻密な論理構築をして大会にのぞむ。肯定側・否定側ともに、立論・質疑応答・反駁が各2回。なお、試合進行中の準備時間が与えられており任意に分割して使用できる。人数は各チーム2人制。各時間は、立論9分、反駁6分、質疑応答3分、準備時間が各チーム10分ずつ。英国式の競技ディベート、また下の二つのスタイルとは異なり、議論の内容のみに基づいて審査が行われる<ref>米国式の競技ディベートは、当初は法廷でのディベートを範型とした定常争点モデル(Stock Issues Paradigm)、学会でのディベートを範型とした仮説検証モデル(Hypothesis Testing Paradigm)などを経て、現在では一般に政策形成モデル(Policy Making Paradigm)を採用している。ここでいう議論内容の審査とは、政策を導入した場合の利益衡量である。しかし、近年は内容そのものを問うような議論(パフォーマンスを議論としてその内容を提示する議論や、個々のディベートプログラムの政治的信念に基づくプロジェクトと呼ばれる議論)がますます盛んになってきている。</ref>かつて日本の競技ディベート全般に絶大な影響を与えていた。審判はほとんどの場合過去にポリシーディベートの経験がある人かコーチ。
 
高等学校でも州ごとに地方大会が開かれ、シーズン後半には全米大会も行われる。
 
===== リンカーン・ダグラススタイル(Lincoln-Douglas style) =====
[[アメリカ合衆国|米国]]で誕生し確立したスタイル。[[奴隷制]]廃止が争われた1858年の[[リンカーン・ダグラス論争|リンカーン対ダグラスの連邦上院議員候補討論会]]にちなんで名づけられた。肯定側は立論・質疑応答が各1回、反駁2回。否定側は立論・質疑応答・反駁ともに各1回だが、反駁の時間が肯定側より長く設定されている。人数は1人制。映画「The Great Debaters」で描かれたのは、1930年代における、このスタイルでの競技ディベートである<ref>Alexander Kent [http://louisianamovies.blogspot.com/2007/12/great-debaters-interviews-denzel.html "'The Great Debaters' interviews: Denzel Whitaker takes direction from namesake"] Louisiana Movies Blog, December 24, 2007 </ref>。大学ではたいていIE(Individual Event)トーナメントの一部門として学生に親しまれている。審判は過去にディベートの経験がある人かコーチが多いが、必ずしもそうではない。
 
===== パーラメンタリーディベートスタイル(Parliamentary Debate style) =====
上にある通り、英国から輸入した米国式パーラメンタリーディベートスタイルもIE ([[:en:Individual events (speech)|Individual Event]]) トーナメントの中の一部門として存在することがある。
 
これらの大会開催者区分が示唆するのは、以下の通り。リンカーン・ダグラススタイルとパーラメンタリーディベートスタイルは基本的に[[マルクス・トゥッリウス・キケロ|キケロ]]的な意味での雄弁術鍛錬の場であり、現実社会に即したスキルを提供するシミュレーションの場として定義され、その議論スタイルを犯すことは社会的規範を犯すこととジャッジやコミュニティに理解されることがある。反して、ポリシーディベートスタイルは一方で数多くの議論を早読みでプレゼンテーションすることが多い一方で、そういった傾向への批判として違ったスタイルや議論の内容を試合の中で展開することがコミュニティの中で許容されているという点で、ディベートの試合自体に「議論の実験室」としての側面がある。