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[[File:Cockatoo distribution.png|alt= Map showing southeastern Asia, Australia, Melanesia, and New Zealand. Islands in the Philippines and eastern Indonesia are colored red, east to the Solomon Islands, as is Australia with Tasmania. New Caledonia is colored blue.|thumb|right|現在のオウムの生息地を赤で<br>近年化石が発見された場所を青で<br>それぞれ示す。]]
'''オウム'''(鸚鵡, 鸚䳇(母+鳥))は、[[オウム目]]オウム科に属する21[[種 (分類学)|種]]の[[鳥]]の総称である。[[インコ]]科(''Psittacidae'', true parrots)
オウムはその特徴的な[[冠羽]]([[:en:crest (bird)|crest]])と湾曲した[[くちばし]]から、即座に見分けることができる。オウム科で最小の種である[[オカメインコ]]は小型の鳥であるが、概ねオウムは、インコよりも大型である。[[羽毛]]は一般にインコと比べてあまりカラフルではなく、主に白色ないし灰色か黒色をしており、冠羽や頬ないし尾羽などに彩色のある部分が存在する。バタンインコの仲間(''[[:en:Cacatua|Cacatua]]'' 属)は11種の白色の羽毛を持つオウムからなり、より小型のオウムの仲間である[[:en:corella (bird)|corella]](Licmetis 亜属)を含む。これらに近い関係の系統にピンクと灰色をした[[モモイロインコ]]やピンクと白色の[[クルマサカオウム]]がある。クロオウムの仲間(''[[:en:Calyptorhynchus|Calyptorhynchus]]''属)の5種は大型の黒色をしたオウムである。残りの3種、大型で黒い羽毛のヤシオウム、主に灰色の{{仮リンク|アカサカオウム|en|Gang-gang Cockatoo}}、そして小型でおおむね灰色のオカメインコは、これ以外のオウムたちと[[進化]]における初期の未解明の[[分岐学|分岐]]を通して関連している。
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{{Lang|en|cockatoo}}という語は17世紀に遡る。その起源はこれらの鳥の[[マレー語]]の名前{{Lang|ms|Kakatuwah}}(その強力なくちばしから''万力''ないし''グリップ''、あるいは白色オウムの叫び声そのものから)がオランダ語の{{Lang|nl|kaketoe}}を経ているが、おそらく単語{{Lang|en|cock}}の影響を受けている。17世紀には{{Lang|und|cacato}}、{{Lang|und|cockatoon}}や{{Lang|und|crockadore}}などの別称があったし、{{Lang|und|cocatore}}や{{Lang|und|cocatoo}}などが18世紀には使われていた<ref name="OED">{{cite encyclopedia|title=cockatoo|encyclopedia=Oxford English Dictionary|editor=J. Simpson, E. Weiner (eds)|year=1989|edition=2nd|location=Oxford|publisher=Clarendon Press|isbn = 0198611862}}</ref><ref name="Mynott">{{cite book|last=Mynott|first=Jeremy |title=Birdscapes: Birds in Our Imagination and Experience|publisher=Princeton University Press|location=Princeton, New Jersey|year=2009 |page=319|isbn=0691135398}}</ref>。これらの別称は学名において[[科 (分類学)|科]]や[[属 (分類学)|属]]を表す''Cacatuidae''や''Cacatua'' にそれぞれ使用されている<ref>{{cite book |title= [[:en:Handbook of Australian, New Zealand and Antarctic Birds]]. Volume 4: Parrots to Dollarbird |author= Higgins, Peter Jeffrey (ed.) |year= 1999 |publisher=Oxford University Press |location= Melbourne |isbn= 0-19-553071-3|page=127}}</ref>。
[[オーストラリア英語]]や[[スラング]]では、秘密であったり違法な行い(ことに賭博)に従事する者が、見張りを命じられた人物を{{Lang|en|cockatoo}}と呼ぶ<ref name = "HBW"/>。
また、小規模な農家のことを滑稽めかしたり、軽い侮蔑をこめてしばしば{{Lang|en-AU|cocky farmers}}({{Lang|en-AU|cocky}}はオーストラリア英語のスラングで、{{Lang|en|cockatoo}}のこと<!--- <ref>ジーニアス英和辞典第3版(電子辞書版)、大修館書店、2001 - 2004</ref>で、cockieとも綴ることがある。
==分類学==
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</div>
現在のオウム科を、最初に[[インコ]]科''Psittacidae'' の[[亜科]](''Cacatuinae'')として分類したのは、1840年に英国の自然学者[[ジョージ・ロバート・グレイ]]である。このとき、''Cacatua'' 属は初めて属として記載された<ref name="Gray1840">{{cite book|last=Gray|first=George Robert|title=A List of the Genera of Birds, with an indication of the typical species of each genus|publisher=R. & J.E. Taylor|location=London|year=1840|page=53|url=http://www.biodiversitylibrary.org/page/13668970|accessdate=
オウムの種の相互の関係は、現在でも完全には解明されてはおらず、また現時点でのデータはこの科を亜科に分割することを支持していない<ref>Christidis and Boles, p. 200.</ref>。とりわけ[[:en:Gang-gang Cockatoo|アカサカオウム]]、(''Callocephalon fimbriatum'')と[[オカメインコ]]の位置づけは厄介な問題となっている。オーストラリアの農夫にしてアマチュア鳥類学者であるジョン・コートニーは1996年に、これら2種の鳥の雛が餌をせがむときに頭を振る様子が他のオウムとは異なり、むしろインコの種に似ていることを観察している<ref name ="Court96">{{cite journal |last=Courtney |first=J |year=1996 |title=The juvenile food-begging calls, food-swallowing vocalisation and begging postures in Australian Cockatoos |journal=Australian Bird Watcher |volume=16 |pages=236-49 |issn=0045-0316}}</ref>。1999年にアメリカの研究者であるデイビッド・M・ブラウンと キャサリン・A・トフトはミトコンドリア DNA の塩基配列の比較から、この二つの種が白色オウムよりも、むしろクロオウム([[:en:Calyptorhynchus|''Calyptorhynchus'']] 属)により密接な関係があることを発見した<ref name=BrownToft>{{cite journal |author=Brown DM, Toft CA|year=1999 |title=Molecular systematics and biogeography of the cockatoos (Psittaciformes: Cacatuidae) |journal=[[:en:Auk (journal)|Auk]] |volume=116|issue=1 |pages=141-57|issn=0004-8038}}</ref>。このことはオーストラリアの鳥類学者リチャード・ショッデによる、''Cacatuinae'' 亜科を設けてここにアカサカオウムを白色オウムとともに分類するという提案と対照的である<ref name=Schodde97>{{cite book|last=[[:en:Richard Schodde|Schodde]]|first=R|coauthors=[[:en:Ian J. Mason|Mason IJ]]|title=Zoological Catalogue of Australia|editor=Houston WWK, Wells A|publisher=CSIRO Publishing|location=Melbourne, Victoria|year=1997|volume=37.2|chapter=Aves (Columbidae to Coraciidae)|isbn=0-643-06456-7}}</ref>。また、研究者の Dwi Astuti によるオウムのDNAにおけるβ-フィブリノゲン遺伝子断片の分析でも、同様にアカサカオウムをここ(Calyptorhynchus 属の近縁)に分類している<ref name=astuti2004>{{cite journal|last=Astuti|first=D|year=2004|title=A phylogeny of cockatoos (Aves: Psittaciformes) inferred from DNA sequences of the seventh intron of nuclear ''β''-fibrinogen gene.|degree=PhD|publisher=Graduate School of Environmental Earth Science, Hokkaido University, Japan|url=http://www.ees.hokudai.ac.jp/coe21/J/study/17RA/dwi.pdf}}</ref>。
''Eolophus'' 属
残りの6種は羽毛の大部分が黒である。これらのうち、[[ヤシオウム]]はそれ自身で単独の''Probosciger'' 属を構成しており、オウム科の最も初期の分岐の系統を引いている。''Calyptorhynchus'' 属の5種のオウムは一般にクロオウムとして知られており<ref name=CB151/><!-- cites both sentences --> これらは二つの亜属 - ''Calyptorhynchus'' 亜属と''Zanda'' 亜属 - に分割される。前者のグループは[[性的二型|性的二色]]性であり、雌は特徴的な縞模様の羽毛をもつ<ref name=CB150>Christidis and Boles, p. 150.</ref>。さらに、2種は、ひな鳥が餌をせがむときの鳴き声の違いによっても特徴づけられる<ref name="Court96"/>。
オウムの[[化石]]記録は、一般にインコのそれに比べるとかなり限られており、オーストラリアの[[:en:Riversleigh|リバースレイ]]の初期[[中新世]](1600~2300万年前)の堆積から発見された、わずか一種類の真のオウムの祖先(''Cacatua'' 属、おそらくは''Licmetis'' 亜属のオウムと推測される)の化石が知られているだけである<ref>{{cite journal|last=Boles|first= Walter E|year=1993|title=A new cockatoo (Psittaciformes: Cacatuidae) from the Tertiary of Riversleigh, northwestern Queensland, and an evaluation of rostral characters in the systematics of parrots|journal=[[:en:Ibis (journal)|Ibis]]|volume=135|issue=1|pages=8-18|doi=10.1111/j.1474-919X.1993.tb02804.x}}</ref>。断片的ではあるが、この遺物は[[:en:Western Corella|ヒメテンジクバタン]]やモモイロインコによく似ている
<ref>{{cite journal|last=Waterhouse|first=DM|year=2006|title=Parrots in a nutshell: The fossil record of Psittaciformes (Aves)|journal=Historical Biology|volume=18|issue=2|pages=223-34|doi=10.1080/08912960600641224 }}</ref>。また、[[メラネシア]]の[[ニューカレドニア]]や[[ニューアイルランド]]では、''Cacatua'' 亜属(白色オウム)の種の骨の[[半化石]]が見つかっているが、これらは初期のヒトの進出によって絶滅したもののようである<ref name=Steadman06/><ref>{{cite journal|title=Prehistoric birds from New Ireland, Papua New Guinea: Extinctions on a large Melanesian island|journal=Proceedings of the National Academy of Science|year=1999| last = Steadman | first = D |coauthors= White P, Allen J|volume=96|issue=5|pages=2563-68 |url=http://www.pnas.org/content/96/5/2563.full.pdf+html|accessdate=
===オウム科 ''Cacatuidae''===
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****ヒメテンジクバタン亜種 [[:en:Butler's Corella|Butler's Corella]], ''Cacatua (Licmetis) pastinator butleri'' <small>[[:en:Julian Ralph Ford|Ford, J.]], 1987</small>
***[[アカビタイムジオウム]] [[:en:Little Corella|Little Corella]], ''Cacatua (Licmetis) sanguinea'' <small>[[:en:John Gould|Gould]], 1843</small>
***[[シロビタイムジオウム]] [[:en:Tanimbar Corella|Tanimbar Corella]] (Goffin's Cockatoo とも), ''Cacatua (Licmetis) goffiniana'' <small>Roselaar and Michels, 2004</small><ref name=Roselaar>{{cite journal|author=Roselaar CS, Michels JP|year=2004|title=Systematic notes on Asian birds. 48. Nomenclatural chaos untangled, resulting in the naming of the formally undescribed ''Cacatua'' species from the Tanimbar Islands, Indonesia (Psittaciformes: Cacatuidae)|journal=Zoologische Verhandelingen|volume=350|pages= 183–96|url=http://www.repository.naturalis.nl/document/43942 |accessdate=
***[[ソロモンオウム]] [[:en:Solomons Cockatoo|Solomons Cockatoo]], ''Cacatua (Licmetis) ducorpsii'' <small>[[:en:Jacques Pucheran|Pucheran]], 1853</small>
***[[フィリピンオウム]] [[:en:Red-vented Cockatoo|Red-vented Cockatoo]], ''Cacatua (Licmetis) haematuropygia'' <small>([[:en:Philipp Ludwig Statius Müller|Müller]], 1776)</small>
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[[ファイル:Cacatua galerita -perching on branch -crest-8a-2c.jpg|right|thumb|飼われている[[キバタン]]が、その冠羽をディスプレイしている。米国にて|alt=黒い嘴をしたおおむね白のオウムが、木製の止まり木に止まっている。大層人目を引く黄色の冠羽を起立させている。]]
オウムは全般にずんぐりした体付きをした、オウム目のなかでは中型から大型の鳥で、その大きさは体長{{convert|30|-|60|cm|in|abbr=on}}、体重{{convert|300|-|1200|g|lb|abbr=on}}に及ぶ。ただし一種類、オカメインコはほかの種よりもかなり小型で細身であり、体長は {{convert|32|cm|in|abbr=on}}あるが、これにはその先細の長い尾羽根がふくまれる。また体重は 80-100 g (2.8-3.5 oz)である<ref name = "HBW"/><ref name="Forshaw (2006). plate 1."/><ref name="Forshaw (2006). plate 6.">Forshaw (2006), plate 6.</ref><ref name=Cam1>{{Harvnb|Cameron|2007|p=1}}.</ref>。頭頂部の動く[[:en:crest (bird)|冠羽]]はすべてのオウムに存在するが、多くの種でそれは華々しいものである<ref>{{Harvnb|Cameron|2007|p=57}}.</ref>。飛んでいた鳥が着地するとき、あるいは興奮しているとき、この冠羽は起立する<ref name=Forshaw110/>
インコと同様に、オウムも短い足に強力な鉤爪をもち、よたよたと歩き<ref name=Cam1/>、枝を上り下りする際にはしばしばその嘴を第三の手足として使用する。全般に高速飛行に適した幅の広い長い翼をもち、モモイロインコの記録ではその速度は {{convert|70|km/h|mph|abbr=on}}にも及ぶ<ref name=Cam67>{{Harvnb|Cameron|2007|p=67}}.</ref>。クロオウムの仲間(''Calyptorhynchus'' 属)、[[キバタン]]のような大型の白色オウムや[[クルマサカオウム]]などは、より短く丸みを帯びた翼をしており、ゆっくりとした飛行をする<ref name=Cam67/>。
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オウムは大きな嘴をしており、休息中に上下の嘴をこすり合わせることによってこれを鋭利に保っている。嘴の中で、筋肉の発達した大きな舌の助けを借りて種子を巧みに操ることで、種子の殻を取り除いてから食べることができる<ref name = "HBW"/>。殻を剥くときには下側の嘴が圧力を加え、舌が種子を適切な位置に固定する。そして上側の嘴が鉄床の役割を果たす。頭蓋骨の目の領域は、嘴を横方向に動かすための筋肉を保持するように強化されている<ref name=Cam1/>。雄のオウムの嘴は、一般に雌のそれぞれの対応する部位よりわずかに大きいが、ヤシオウムにおいてはこの大きさの違いが際立っている<ref name=Cam61>{{Harvnb|Cameron|2007|p=61}}.</ref>。
オウムの[[羽毛]]は、インコのそれに比較して鮮やかな色彩に欠けており、ほとんどの場合、種によって黒、灰色ないし白のいずれかである。多くの種でその羽毛に、たいていは黄色、ピンクあるいは赤などの小さな彩色の領域があり、これらは通常、冠羽か尾羽根に見られる<ref>{{Harvnb|Cameron|2007|p=58}}</ref>
[[虹彩]]の色が雌雄で異なっている種がいくつかあり、モモイロインコとクルマサカオウムの雌ではピンクないし赤であり、また白色オウムのいくつかの種では雌の虹彩は赤褐色である。すべての雄の虹彩は暗褐色をしている。
[[ファイル:Fuß eines Weißhaubenkakadus.JPG|upright|right|thumb|[[タイハクオウム]]が左足で禽舎の格子をつかんでいる。鉤爪、ウロコのある肌、[[趾 (鳥類)#陸鳥の趾|対趾足]](趾(あしゆび)の内側2本が前方を、残りの2本が後方を向いている)の様子が見て取れる。|alt=鳥かごの格子をつかんでいるオウムの左足のクローズアップ。足は灰色のウロコに覆われており、ダークグレイの鉤爪のついた4本の趾(あしゆび)がある。]]
オウムは一日を通して頻繁に[[グルーミング|羽繕い]]することによってその羽毛を維持している。自分の羽根をすこしずつ噛むことでホコリや油を取り除き、羽枝を再整列させる。またほかの鳥の、自分では届かない場所の羽根を繕ってやることもある。オウムは背中の下部にある[[:en:uropygial gland|羽脂腺]]から羽脂を分泌して、羽根を自分の頭やすでに油のついている羽根で拭くことで、これを羽根に塗布する。[[:en:Down feather|脂粉]]<!---英語版のリンク先疑問--->は腰部にある専門化された羽毛によって分泌され、オウムが羽繕いすることにより全身の羽毛に分配される<ref name=Cam68>{{Harvnb|Cameron|2007|p=68}}.</ref><!-- ref cites whole paragraph as is. Duplicate if extra info inserted -->
[[:en:Moulting|換羽]]は非常に時間のかかる複雑な過程である。クロオウムはその[[風切羽|風切り羽根]]を一度に一本ずつ置き換えているように見える。その換羽が完了するには2年を要する。この過程はほかの種でははるかに短く、たとえば、モモイロインコや[[:en:Long-billed Corella|テンジクバタン]]では、その風切り羽根全部の換羽に要する時間は6ヶ月前後である<ref name=Cam68/>。
===鳴声===
オウムの[[:en:bird vocalization|鳴声]]は大きく耳障りである<ref name = "HBW"/>。この声には、互いに個々を識別できるようにすることや、仲間に捕食者の出現を警告すること、自分の気分を知らせること、群れのつながりを維持すること、そして巣を守るための警告などいくつもの機能がある。特定の鳴声の種類や鳴声の使い方は種によって異なる。たとえばニシオジロクロオウムは15種類にもおよぶ鳴声を使い分けるのに対し、クルマサカオウムなど、このほかの種はもっと少ない。一部の種は、アカサカオウムのように比較的静かであるが、採食の際に低くうなるような鳴声をだす。ヤシオウムは鳴声のほかに、棒で枯れ枝を叩いて長距離のコミュニケーションを行う<ref name ="Palm"/>
==分布と生息地==
[[ファイル:Cacatua goffiniana -eating rambutan-6.jpg|thumb| [[:en:Tanimbar Corella|シロビタイムジオウム]]はインドネシアのタニンバル諸島のみに生息する。わずかに野生化した飼い鳥が[[シンガポール]]で見られる。|alt=おおむね白で顔にわずかにペールピンクの羽毛を持つオウム。右足で木の枝にとまっており、ランブータンと思われる果実を左足で嘴まで持ち上げて保持している。]]
オウムの分布はインコのそれに比べると遥かに限定されており、自然界での生息はオーストラレーシアに限られている。野生では21種のうち11種がオーストラリアのみに分布しており<ref name = "HBW">{{Cite book | first = Ian | last = Rowley| editor-last = Josep | editor-first = del Hoyo | editor2-last = Andrew | editor2-first = Elliott | editor3-last = Jordi | editor3-first = Sargatal | contribution = Family Cacatuidae (Cockatoos) | title = [[:en:Handbook of the Birds of the World]]. Volume 4, Sandgrouse to Cuckoos | year = 1997 | pages = 246-69 | place = Barcelona | publisher = Lynx Edicions | isbn = 84-873334-22-9 }}</ref>、さらに7種が[[フィリピン諸島]]、[[インドネシア]]、[[パプアニューギニア]]および[[ソロモン諸島]]のみに分布する。興味深いことに[[ボルネオ]](近くの[[パラワン]]と[[スラウェシ]]での彼らの存在にもかかわらず)や多くの太平洋の島嶼(化石の痕跡がニューカレドニアで記録されているにも関わらず<ref name=Steadman06>{{cite book | last = Steadman | first = D | authorlink = :en:David Steadman | title = Extinction and Biogeography in Tropical Pacific Birds | publisher = University of Chicago Press | year = 2006 | location = Chicago | page = 348| isbn = 0226771427 }}</ref>)ではオウムは見つかっていない<ref>{{Harvnb|Cameron|2007|p=86}}.</ref>
3種がニューギニアとオーストラリアの両方に分布する<ref>{{Harvnb|Cameron|2007|p=3}}.</ref>
なかには広範囲に分布する種もあり、たとえばモモイロインコに関して言えば、ほぼオーストラリア全土に分布する。ところがこれ以外の種は、たとえば西オーストラリアの[[ボーダンクロオウム]]のように大陸の一部にしか分布しないものや、インドネシアの[[タニンバル諸島]]にしか分布しない[[:en:Tanimbar Corella|シロビタイジオウム]]のように島嶼に限定されるたグループなど、狭い分布域にしか生息しない。中には偶発的に、[[ニュージーランド]]や[[シンガポール]]、[[香港]]、[[パラウ]]のように、その本来の分布域以外の地域に移入された種もあるし<ref>{{cite book|url=http://researcharchive.vuw.ac.nz/handle/10063/669?show=full |title=Distribution and behavioural ecology of the sulphur-crested cockatoo (Cacatua galerita L.) in New Zealand |last=Styche |first=Andrew |year=2000 |type=PhD thesis |publisher=[[:en:Victoria University of Wellington]] |oclc=156468918}}{{pn|date=February 2010}}</ref>、2種のオーストラリア産ジオウムはオーストラリア大陸の中で、本来の分布域ではない地域に移入された。
オウムは亜高山性の樹林帯からマングローブにまでいたる広範囲な居住環境に生息する。しかしながら、すべてのタイプの環境に生息する種は存在しない<ref>{{Harvnb|Cameron|2007|p=71}}.</ref>
モモイロインコやオカメインコのように<ref name=Cam10304/>、最も広範囲に分布する種は開けた土地に特化しており、草の種子を採食する<ref name = "HBW"/>。彼らはたいてい非常に移動性が高く、速く飛ぶことができ、また非定着性である。鳥の群れは種子やその他の食料源を探したり、食べたりしながら、内陸の広大な領域をわたってゆく。旱魃によってこれらの群れはより乾燥した地域から農耕地へと、さらに追い立てられることになるだろう<ref name=Cam10304>{{Harvnb|Cameron|2007|pp=103-4}}.</ref>
==生態==
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===捕食者と脅威===
[[ハヤブサ]]や[[:en:Little Eagle|アカヒメクマタカ]]がモモイロインコを捕食すること、[[オナガイヌワシ]]がキバタンを殺すことが観察されている<ref name=Forshaw29/>。
卵や雛はさまざまな危険に対して脆弱である。さまざまな種類の[[オオトカゲ]](''[[:en:Varanus|Varanus]]'')は木に登って巣穴に入り込むことができるし、これ以外の捕食者として記録されているものには、フィリピン諸島のラサ島の [[:en:Spotted Wood-owl|マレーモリフクロウ]]、[[ヨーク岬半島]]の[[:en:Giant White-tailed Rat|オオハダカオネズミ]]などの齧歯類<ref>{{cite journal|last=Wood GA|year=1987|title=Further field observations of the Palm Cockatoo ''Probsciger aterrimus'' in the Cape York Peninsula,Queensland|journal=Corella|volume=12|issue=2|pages=48-52|url=http://www.aainsects.com.au/Pdf-papers-aainsects/Bird/bird-Cacat-3.pdf|accessdate=
[[アメジストニシキヘビ]]や[[:en:Black Butcherbird|クロモズガラス]]、カンガルー島の[[フクロギツネ]]などがある。さらに、カンガルー島ではモモイロインコとアカビタイジオウムが、テリクロオウムと営巣場所をめぐって競合しており、巣穴で後者の雛を殺すことが記録されている。また猛烈な嵐は巣穴を浸水させ雛を溺死させることがあるし、シロアリや穿孔性生物の活動が巣穴の内部崩壊を引き起こすこともある<ref name=Cam149>{{Harvnb|Cameron|2007|p=149}}.</ref><!-- cites all para-->。
他の種類のインコと同様に、オウムも[[PBFD|オウム類嘴羽毛病]](PBFD)に感染する可能性がある。このウイルス感染症は、羽毛の喪失と嘴の形成異常を引き起こし、鳥の全般的な免疫力を破壊する。ことにキバタン、アカビタイジオウムとモモイロインコに蔓延しているが、現時点で14種のオウムでの感染が記録されている。全般的に見て、PBFD が野生の健康な鳥の集団に顕著な影響を与えることはありそうもないが、より小規模で密集した集団を深刻な危険にさらすかもしれない<ref name="gov">{{cite web|url=http://fedlaw.gov.au/ComLaw/Legislation/LegislativeInstrument1.nsf/previewlodgmentattachments/81FCCCA0AB589760CA25718E00044623/$file/F2005L02255.htm|title=Threat Abatement Plan for Psittacine Beak and Feather Disease Affecting Endangered Psittacine Species|last=Borthwick|first=David|date=May 2005 |work=Department of the Environment and Heritage website|publisher=Department of the Environment and Heritage, Commonwealth of Australia|accessdate=
白色オウムとキバタンは[[住血胞子虫]](ヘモプロテウス属)に感染することがわかっている。またスペインの[[グラナダ]]県アルムニェカルにある鳥類園では、糞便サンプルの検査から[[マラリア原虫]]を持っているキバタンが見つかっている<ref name=VP09>{{cite journal|last=Cordon|first=GP|coauthors=Hitos Prados A, Romero D, Sánchez Moreno M, Pontes A, Osuna A, Rosales MJ|year=2009|title=Intestinal and haematic parasitism in the birds of the Almunecar (Granada, Spain) ornithological garden|journal=Veterinary Parasitology|volume=165|issue=3-4|pages=361-66|url=http://linkinghub.elsevier.com/retrieve/pii/S0304401709004257|doi=10.1016/j.vetpar.2009.07.027}}</ref>。
ボウシインコやコンゴウインコと同様に、オウムも総排泄孔[[:en:papilloma|乳頭腫]]を頻繁に発症する。病原である[[:en:Papillomaviridae|オウム乳頭腫ウイルス]]は[[ヨウム]]から分離されているが、この状態での悪性腫との関連はわかっていない<ref>{{cite conference|author=Stedman NL, Latimer KS, Rakich PM |title=Cloacal papillomas in psittacine birds: A retrospective histopathologic review|booktitle=Proceedings of International Virtual Conferences in Veterinary Medicine:Diseases of Psittacine Birds |year=1998|journal=International Virtual Conferences in Veterinary Medicine | publisher = College of Veterinary Medicine, University of Georgia | location = Athens, GA | url = http://www.vet.uga.edu/vpp/ivcvm/1998/stedman/index.php| accessdate =
==人間との関係==
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[[ファイル:Sulphur-crested Cockatoos damaging a shopping centre facade 4.jpg|left|thumb|キバタンに壊されてしまった[[:en:Sturt Mall|スタート・モール・ショッピングセンター]]のポリスチレン製のファサード。|alt=無数のキバタンが建物の壁の一部をかじった結果、大量のポリスチレン製の部品が失われた残骸。]]
1995年、[[ビクトリア州]]政府はテンジクバタン、キバタン、およびモモイロインコによって引き起こされる問題について報告書を公開した。この3種に加えてアカビタイムジオウムは、膨大な生息数がさらに増大しており、人為的な地形の改変によって利益を被っている。調査結果と報告書の公開を受けて、特定の条件下ではこの3種は保護対象とならないことが、
いくつもの希少種やその近縁種も、また同じく問題を引き起こしていることが記録されている。[[ニシオジロクロオウム]]([[西オーストラリア州]]の[[固有種]]で、[[絶滅危惧種]])は松の[[プランテーション|植樹林]]の害鳥と考えられている。これは成育中の松の芽吹きの先端をかじり取ってしまい、この結果幹が曲がって材木としての価値を下げてしまう<ref name=Saunders2005>{{Cite conference| first = D | last = Saunders | title = Conserving Carnaby's Black-Cockatoo: historical background on changing status | booktitle = Conserving Carnaby's black-cockatoo - future directions: proceedings from a conservation symposium, Perth, Western Australia, 2 July 2003 | pages = 9-18 | publisher = Birds Australia WA Inc | year = 2005 | location = Perth, Western Australia | url = http://www.birdswa.com.au/projects/carnaby/assets/Conserving%20CBC%20Symposium%20Proceedings%20-%202003.pdf | isbn= 0975142909 | accessdate =
さらにまた果樹や堅果の収穫に損害を与えることでも知られており<ref>{{cite web|url=http://www.environment.gov.au/cgi-bin/sprat/public/publicspecies.pl?taxon_id=59523|title=''Calyptorhynchus latirostris''|year=2009|work=Species Profile and Threats Database|publisher=Department of the Environment, Water, Heritage and the Arts, Canberra|accessdate=
===生息状況と保護活動===
[[ファイル:Cacatua haematuropygia -two captive-8a.jpg|thumb|right|[[フィリピンオウム]]は[[レッドリスト#IUCN レッドリストのカテゴリーと基準(Categories & Criteria)|絶滅寸前]]の状態にある[[フィリピン]]固有のオウムである<ref>{{cite web|url=http://www.birdlife.org/datazone/search/species_search.html?action=SpcHTMDetails.asp&sid=1403&m=0 |publisher=[[:en:BirdLife International]] |title=Philippine Cockatoo - BirdLife Species Factsheet |accessdate=
[[ファイル:Cacatua ophthalmica -Vogelpark Walsrode -upper body-8a.jpg|right|thumb|[[:en:Blue-eyed Cockatoo|ルリメタイハクオウム]]は[[ニューブリテン島]]の固有種で、[[レッドリスト#IUCN レッドリストのカテゴリーと基準(Categories & Criteria)|絶滅危惧II類]]の絶滅危惧種である<ref>{{cite web|url=http://www.birdlife.org/datazone/search/species_search.html?action=SpcHTMDetails.asp&sid=140025&m=0 |publisher=BirdLife International |title=Blue-eyed Cockatoo - BirdLife Species Factsheet |accessdate=
[[国際自然保護連合]]と[[バードライフ・インターナショナル]] によれば、オウムのうち8種が危急([[レッドリスト#IUCN レッドリストのカテゴリーと基準(Categories & Criteria)|絶滅危惧II類]])ないしそれよりも危険な状況にあると考えられ、1種は[[レッドリスト#IUCN レッドリストのカテゴリーと基準(Categories & Criteria)|準絶滅危惧]]であると考えられている<ref>{{cite web|url=http://www.birdlife.org/datazone/species/index.html?action=SpcHTMFindResults.asp&hdnAction=SEARCH&hdnPageMode=0&cboFamily=67&txtGenus=&txtSpecies=&txtCommonName=&cboRegion=-2&cboCountry=-2 |title=Data Zone: Search Species |accessdate=2008-12-13 |publisher=Birdlife International |year=2008 }}</ref>。これらのうち2種、すなわち[[フィリピンオウム]]と[[コバタン]]は絶滅寸前([[レッドリスト#IUCN レッドリストのカテゴリーと基準(Categories & Criteria)|絶滅危惧IA類]])の状況にあると考えられている<ref name=Cam178>{{Harvnb|Cameron|2007|p=178}}</ref>。
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<ref name=Cam166>{{Harvnb|Cameron|2007|p=166}}.</ref><!-- cites both previous sentences -->。
オカメインコをのぞくすべての種のオウムが、[[絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約|ワシントン条約]](CITES(
*[[シロビタイムジオウム]] [[:en:Tanimbar Corella|Tanimbar Corella]] (Goffin's Cockatoo とも), ''Cacatua (Licmetis) goffiniana''
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[[ファイル:Cacatua moluccensis excited.jpg|thumb|left|翼をクリップされたペットの[[オオバタン]]<br>白色オウムのなかで最大の種で、体長およそ{{convert|52|cm|in|abbr=on}} 、体重は775-935 g に及ぶ<ref name="Forshaw (2006). plate 4.">Forshaw (2006), plate 4.</ref>。 オウムはやかましく、手数のかかるペットである。|alt=翼をクリップされた白とサーモンピンクのオウムが、冠羽をたてて翼を羽ばたかせながら、明らかに叫んでいる。左足にリングをつけている。]]
オウムはその外観や知能、そして魅力的な個性のためペットとして飼育されているが<ref name = "HBW"/>、それにも拘らずペットや[[:en:companion parrot|コンパニオンパロット]]としては問題の多い生き物かもしれない<ref name=RLow1999-p16/>。アカビタイムジオウムは定評ある話し手ではあるが<ref>Lendon, p. 97.</ref>、一般にオウムは[[:en:Talking bird|人語をまねする]]ことがあまりうまくない
<ref name = "DA 2003">{{cite book |first= David |last= Alderton |title= The Ultimate Encyclopedia of Caged and Aviary Birds |isbn= 184309164X |page= 205|publisher =Hermes House |location= London, England |year= 2003}}</ref>。それでも日本語では「鸚鵡返し」(オウム返し)という<ref>英語ではparrot-ingの他に「ヨウム(洋鵡)」[[:en:Psittacus|(Psittacus)]]などから[[:en:Psittacism|(Psittacism)]]と呼ばれる。[[言語学]]ではオウムなどの「言葉」は有限の文法で無限の文を作れないので言語と考えられていない。</ref>。飼育に当たっては、インコやオウムについて十分な経験を積んだ人物が世話することが最も望ましい<ref name=RLow1999-p16/>。オウムは社会性動物であり、その社会性に対する欲求を満たすことは容易ではない<ref name=RLow1999-p16>Low, p. 16.</ref>。そして、一羽でかごに長時間入れられていれば、苦痛を感じることだろう<ref name=RLow1999-p23>Low, p. 23.</ref>。クロオウムが飼育されているのを見ることは白色オウムに比べて稀である<ref>{{Harvnb|Athan|1999|p=84}}</ref>。クロオウムはヨーロッパの動物園では稀にしか見ることがないが、これはオーストラリアでの野生生物の輸出規制によるためである。これらの鳥はオーストラリア政府からの貸し出しによって獲得されたものである<ref>{{cite journal|last=King CE, Heinhuis H, Brouwer K |date=
オウムは大抵その飼い主に対して、また時には他人に対しても非常に愛情豊かであるが、またその世話には大変な手間がかかることもある。さらにまたその好奇心はきわめて強く、このことはかれらがいじり回し、かじり、分解し、そして破壊するための対象を安定的に供給しなければならないことを意味する。飼育下のオウムは退屈でいることに苦しむかもしれない。このことは、たとえば[[:en:Feather-plucking|毛引き]]といった[[:en:Stereotypy|常同行動]]に繋がることがある。このようなオウムの毛引きは身体的な理由(たとえば炎症性の疾患)よりはむしろ心因性の理由である傾向がある<ref>{{cite journal|last=Garner|first=MM|coauthors=Clubb SL, Mitchell MA, Brown L|title=Feather-picking psittacines: histopathology and species trends|journal=Veterinary Pathology|year=2008|volume=45 |issue=3 |pages=401-08|url=http://www.vetpathology.org/cgi/content/full/45/3/401|accessdate=
[[ファイル:Cockatielmale.jpg|upright|right|thumb|ペットの[[オカメインコ]]。明るい黄色とオレンジ色の頭部からオスであることがわかる<ref name="Forshaw (2006). plate 6."/>。
オカメインコは体長が約 {{convert|32|cm|in|abbr=on}}で、とびぬけて軽量のオウムである。|alt=細身の、おもに灰色で黄色とオレンジの頭部をしたオスの冠羽を持ったオウムが、室内の高い場所に置かれた水平の止まり木にとまっている。]]
大型のオウムは30年から70年生きることができ、種類や状況によってはこれ以上生きることもある。またオカメインコは20年ほどの寿命である。ペットとしてオウムを飼育する場合、飼い主は長期間にわたる責任が生じるが、その長命はペットロスの事例を低減させることから、有益な特性であると考えられることもある<ref name = "HBW"/>。飼育されている最も長命なオウムは、シカゴの[[:en:Brookfield Zoo|ブルックフィールド動物園]]に住んでいる'[[:en:Cookie (cockatoo)|クッキー]]'と言う名前のクルマサカオウムで、2009年に76歳を迎えた<ref name="Mullen">{{cite web|url=http://archives.chicagotribune.com/2009/oct/01/health/chi-talk-cookie-the-cockatoooct01|title=Brookfield Zoo's Cookie the cockatoo has retired|last=Mullen|first=William|date=
ときおり動物園などのバードショウで調教されたオウムを見ることがある。かれらは全般にほかの鳥に比べて食物による動機付けが弱く、中には撫でられることや称賛されることの方が、食物よりも強い動機付けとなっている鳥もいるようである。オウムは[[:en:parrot harness|パロットハーネス]]を着用するよう躾けることができる場合があり、これによって飼い主はオウムを屋外に連れ出すことができるようになる。オウムは、一般的には高齢者福祉施設において、[[動物介在療法]]に利用されている<ref>{{cite journal|last=Swift |first=W. Bradford|title=The healing touch - animal-assisted therapy|journal=Animals |year=1997 |volume=16 |issue=4 |pages=130-32}}</ref>。
オウムは、音楽的な音に明瞭な反応を示すことがしばしばあり、鳥がポピュラー音楽に合わせて
===歴史と文化===
オウム、大型インコが日本に輸入されたのはかなり古く、記録に残っている最古のものは647年(大化
ハンガリー出身の芸術家{{仮リンク|ヤコブ・ボグダーニ|en|Jakob Bogdani}}(1660 - 1724, 1683年からアムステルダムに住み、その後イングランドに移った
<ref>{{cite book|last=Elphick|first=Jonathan|title=Birds: The Art of Ornithology|publisher=Natural History Museum|location=London|year=2004|page=24|isbn=1902686660}}</ref>
<ref>{{cite web|url=http://www.rijksmuseum.nl/tentoonstellingen/hondecoeter?lang=en|title=Melchior d'Hondecoeter: Fowl|year=2008|publisher=Rijksmuseum|accessdate=
英国の画家{{仮リンク|ジョセフ・ライト・オブ・ダービー|en|Joseph Wright of Derby}}の''[[:en:An Experiment on a Bird in the Air Pump|「空気ポンプの実験」]]''では不運なオウムが主題として扱われているが、このオウムの運命は絵からではわからない<ref>{{cite web|url=http://www.nationalgallery.org.uk/paintings/joseph-wright-of-derby-an-experiment-on-a-bird-in-the-air-pump/*/x/-218/y/-230/z/3|title=An Experiment on a Bird in the Air Pump|publisher=The National Gallery|accessdate=
[[1883年]]に出版された[[ロバート・ルイス・スティーヴンソン]]の『[[宝島]]』では悪役の[[ジョン・シルバー]]が元の船長をあざけるかのように「フリント」と名付けたオウムを飼っていて、オウムのフリントはよくシルバーの肩を止まり木代わりにして鳴き声を上げる。
オウムはオーストラリアの植物や動物と並んで、20世紀初期の[[:en:Federation architecture|連邦建築様式]]における装飾的モチーフで大きな位置を占めた<ref>{{cite book|last=Fraser |first=Hugh|coauthor=Joyce, Ray |title=The Federation House - Australia's Own Style|publisher=Weldon Publishing|location=Willoughby, NSW|year=1989|isbn=1863020330|page=103}}</ref>。英国の画家ウィリアム・ロバーツは1958年に訪れたカムデン・タウンのペットショップでインスピレーションを得て、
オーストラリア首都特別地域政府は1997年2月27日に、アカサカオウムを公式な動物相章に採用した<ref>{{cite web|url=http://www.cmd.act.gov.au/communication/flags|title=ACT Flags and Emblems| accessdate=
70年代には二つの刑事ドラマが、ペットのオウムを連れた主人公を登場させている。1973年の映画 ''[[セルピコ]] ''では[[アル・パチーノ]]がペットに白色オウムを飼っていたし、テレビ番組の{{仮リンク|刑事バレッタ|en|Baretta}}では{{仮リンク|ロバート・ブレイク (俳優)|en|Robert Blake (actor)|label=ロバート・ブレイク}}がアオメキバタンのフレッドとともに登場した<ref name="Rosenfeld">{{cite book | last = Rosenfeld | first = Arthur | title = Exotic Pets | publisher = [[:en:Simon & Schuster]] | location = New York | page = 105 |year = 1989 | isbn = 0671476548}}</ref> ''刑事バレッタ ''の人気は、1970年代後半のペットとしてのオウムの人気の高まりとの一致が見て取れる<ref name="Boehrer">{{cite book | last = Boehrer| first = Bruce Thomas | title = Parrot Culture: Our 2500-Year-Long Fascination with the World's Most Talkative Bird | publisher =University of Pennsylvania Press | year =2004 | location = | page = 224| isbn =0812237931}}</ref>。オウムは広告において繰り返し使われている。あるオウムは2008年のコカトゥー・リッジ・ワイナリー社による(後にトーンダウンしはしたが)人を食った広告キャンペーンに登場している<ref>{{cite web|url=http://www.news.com.au/adelaidenow/story/0,,23514325-5012985,00.html|title=Erin not amused by a cockatoo|date=2008-04-10
== 参照と脚注 ==
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