「スペインかぜ」の版間の差分

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スペインかぜについては、解読された遺伝子からウイルスを復元したところ、マウスに壊死性の[[気管支炎]]、出血を伴う中程度から重度の[[肺胞炎]]、[[肺胞浮腫]]を引き起こすことが判明した。このような強い病原性はウイルス表面にある[[タンパク質|蛋白質]]HA([[赤血球凝集素]]、[[ヘマグルチニン]])が原因である。また、スペインかぜウイルスは、現在のインフルエンザウイルスよりも30倍も早く増殖する能力を持つことが分かっている(増殖をつかさどる3つの[[DNAポリメラーゼ]]による)。<!-- インフルエンザウイルスに感染した人がさらに他の細菌に感染する、二次感染症によって死んだ人が多かったものと考えられている。 -->
 
通常の流行では小児と老人で死者が多いのだが、スペインかぜでは青年層の死者が多かった点に関し<!-- これはパンデミック以前にH1N1亜型の流行があり壮年層に免疫があったのではないかという説があるが、少年以下層の死者が特に多くないために疑問視されている。| 疑問視されている、すなわち、多分間違っているというのであれば書かないほうが良いのでは -->[[2005年]]5月に[[:en:Michael Osterholm|Michael Osterholm]]はウイルスによって引き起こされる[[サイトカイン放出症候群#サイトカインストーム|サイトカインストーム]]が原因<ref>[http://content.nejm.org/cgi/content/full/352/18/1839 Preparing for the Next Pandemic] [[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン|NEJM]].</ref>であるという仮説を提唱<ref>[http://content.nejm.org/cgi/content/full/352/18/1839/F3 Proposed Mechanism of the Cytokine Storm Evoked by Influenzavirus] [[ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン|NEJM]].</ref>したが、これに反対する説もある。一方、[[2007年]]1月に[[科学技術振興機構]]と[[東京大学]][[医科学研究所]]が人工合成したウイルスを用いて[[サル]]で実験した結果では、スペイン風邪ウイルスには強い致死性の[[肺炎]]と[[免疫]]反応の調節に異常を起こす病原性があることを発表している<ref>[http://www.jst.go.jp/pr/announce/20070118/index.html スペイン風邪をサルで再現させて、謎だったウイルスの病原性を解析](科学技術振興機構、東京大学医科学研所)</ref><ref>サイトカインストーム説の出所はF・マクファーレン・バーネットの免疫過剰反応説である。</ref>。
 
[[2008年]]12月に、東京大学の[[河岡義裕]]など日米の研究者グループによって強い病原性を説明する3つの遺伝子を特定したことが発表された<ref>[http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2553162/3640960 スペイン風邪の強い病原性の鍵となる遺伝子、日米の研究者が解明] AFP 2008年12月30日</ref><ref>スペイン風邪の第2波でRNAのPB2の627番目がリジンに変わって強毒性となったという。第1波のアミノ酸が何であったかは不明である</ref>。