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紀元前3000年から紀元前2000年ごろの[[中央アジア]]ないし[[モンゴル高原]]が起源と考えられているが、発祥地と年代について定説はない<ref>{{harvnb|Soma|2012a|pp=168-170}}</ref>。[[アッシリア]]王[[サルゴン2世]]の時代(紀元前722-705)になると明らかな証拠が存在する<ref>{{Harvnb|Egerton|2003|p=40}}</ref><ref>{{harvnb|Soma|2012a|p=168}}</ref>。中国では[[周]]の時代、紀元前680年ごろに鷹狩りの存在が確認できる<ref name=richard3>{{cite web|url=http://www.r3.org/richard-iii/15th-century-life/15th-century-life-articles/ancient-medieval-falconry-origins-functions-in-medieval-england/|accessdate=2015-02-18|title=Ancient & Medieval Falconry: Origins & Functions in Medieval England|author=Shawn E. Carroll|publisher=Richard III Society}}</ref>。ヨーロッパには紀元400年ごろ、[[フン族]]と[[アラン人]]の侵入の際に持ち込まれたと考えられている<ref>{{Harvnb|Egerton|2003|pp=40-41}}</ref>。[[神聖ローマ帝国]]の[[フリードリヒ2世 (神聖ローマ皇帝)|フリードリヒ2世]](1194-1250)は鷹狩りに深い造詣を持ち、さらに十字軍遠征の際に中東の鷹狩りについて書かれた解説書をラテン語に翻訳している<ref>{{Harvnb|Egerton|2003|p=41}}</ref>。フリードリヒ2世は『De arte venandi cum avibus(鳥類を利用した狩猟技術)』という鷹狩りの研究書を書いており、この書は鷹狩りについて包括的にまとめた初めての書であるだけでなく、[[鳥類学]]と[[動物学]]の発展にも大きく寄与している<ref>{{Citation | last = Ferber | first = Stanley | year = 1979 | title = Islam and The Medieval West | publisher = SUNY Press | isbn = 9780873958028|page = 57 | url = http://books.google.co.jp/books?id=rcrj9bWyie0C&pg=PA57}}</ref>。
 
歴史的に鷹狩りは中世貴族の娯楽または権威の象徴であり、時間、金銭、空間などが必要とされることから貴族階級や富裕層に制限されてきた。鷹は黄金よりも高額で取引されることもあり、豪胆公[[フィリップ2世 (ブルゴーニュ公)|フィリップ]]の息子が[[オスマントルコ帝国]]に囚われたときには、トルコの[[バヤズィト1世]]は身代金として20万枚の金貨の申し出を断り、12頭の[[シロハヤブサ]]を要求している<ref name=richard3/>。
 
[[近代]]以前は、東は[[日本]]、西は[[アイルランド]]、[[モロッコ]]、北は[[モンゴル]]、[[スカンディナヴィア]]、南は[[インド]]に至る[[ユーラシア]]/[[北アフリカ]]全域で各地方独特の鷹狩文化が開花した。現代では、かつて盛行した[[インド]]や[[イラン]]で絶滅しかけている反面、南北アメリカ及び南アフリカでも行われている。また、鷹狩の技術は猛禽類の繁殖放鳥や傷病鳥リハビリテーションに応用されている<ref name="WDL">{{cite web |url = http://www.wdl.org/en/item/7344/ |title = A Falconer with His Falcon near Al-Ain |website = [[World Digital Library]] |date = 1965 |accessdate = 2013-07-07 }}</ref>。[[2010年]][[11月16日]]に、UAE、モンゴル、チェコ等11カ国の鷹狩が[[国際連合教育科学文化機関|ユネスコ]]の[[無形文化遺産]]の「代表一覧表」に記載された(2012年にさらに2か国が追加記載)。国際組織としてInternational Association for Falconry and Conservation of Birds of Preyが結成されている。20世紀に入ると、近代獣医学の知見と[[送信機]]の発明により、鷹の寿命は延び、獲物を追い求める鷹を鷹匠が見失うことも少なくなってきている。