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「ボール箱」はその内容が[[不倫]]を取り扱ったものであり、当時の倫理観とは相容れないものであった。そのため、風紀を乱すと考えたドイル自身によって削除され、イギリスで発行された第2短編集『シャーロック・ホームズの思い出』には収録されなかった。アメリカでハーパー社から刊行された『シャーロック・ホームズの思い出』の初版には収録されていたが、ドイルの注文によって回収され、「ボール箱」を削除した第2版が発行された。その後、社会の倫理観の変化などもあってドイルが許可を出し、1917年の第4短編集『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』に収録された<ref>ベアリング=グールド「二人の医師と一人の探偵」小池滋訳 - コナン・ドイル著/ベアリング=グールド解説と注『詳注版シャーロック・ホームズ全集1』小池滋監訳、ちくま文庫、1997年、66頁</ref>。日本語版にもこの混乱が影響を与え、出版社によって異なる短編集に収録されている。
 
「ボール箱」の冒頭、ホームズがワトスンの些細な動作からその心中を解析して見せるくだりは、版によっては「[[入院患者]]」に転載されている。これは「ボール箱」を削除した際に、この場面を惜しんだドイルが「入院患者」へ入院させたことによる<ref>“(前略)……というところまでが、一時「入院」していたわけなのである。”延原謙「解説」より引用 - コナン・ドイル『シャーロック・ホームズ最後の挨拶』延原謙訳、新潮文庫、1955年、274-276頁</ref>。このため、アメリカのオムニバス版では「ボール箱」と「入院患者」の両方に同じ場面が存在する<ref>ジャック・トレイシー『シャーロック・ホームズ大百科事典』日暮雅通訳、河出書房新社、2002年、339頁</ref>。
 
== 脚注 ==