「ダイヤトーン」の版間の差分

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== 概要 ==
ダイヤトーンの商号は[[1946年]](昭和21年)に、自社製ラジオに初めて使用された。主に旧陸軍向け余剰物資(九九式対戦車被甲爆雷用のOP磁石)を流用した内蔵[[スピーカー]] 「P-62(F)」が広帯域性能で注目され、間もなくこれが「[[ダイヤトーン・P-610|P-610]]」([[1960年]](昭和35年)発売)の名で単体販売されると折からの[[Hi-Fi]]ブームでは「ロクハン」(6.5インチ=約16センチ)の代表的製品として、[[パナソニック|松下電器産業]](現・[[パナソニック]])の「[[8P-W1]]」([[1954年]](昭和29年)発売。通称「ゲンコツ」、輸出向けに『[[パナソニック]]』の商標が初めて付された製品)と人気を二分する。
 
中でも[[NHK放送技術研究所]]と共同開発した試作モデル「2S-660」、および「2S-205」「2S-206」などを基に大幅な改良を加えた大型フロア型放送・業務用[[モニタースピーカー]]の 「'''[[ダイヤトーン・2S-305|2S-305]]'''(R305)」([[1958年]](昭和33年)発売)<ref>また、本機の登場から3年後の[[1961年]](昭和36年)にはその姉妹機にあたる中型フロア型放送・業務用モニタースピーカーの「'''[[ダイヤトーン・2S-208|2S-208]]'''(R205)」も発売された。</ref>はその高価格と相俟って[[オーディオマニア]]の羨望の的になり、本機は[[1989年]](平成元年)に後継モデルの「'''[[ダイヤトーン・2S-3003|2S-3003]]'''」が登場するまで若干の改良を繰り返しつつ、業務用・コンシューマー双方で約33年([[1991年]](平成3年)販売終了)という驚異的なロングランを続けることになる。
 
好調な業績に従い[[神奈川県]][[鎌倉市]][[大船]]から[[福島県]][[郡山市]]に専用工場を新たに設立し、[[1968年]](昭和43年)からは大型ブックシェルフ型スピーカーシステムの「DS-21C」、および「DS-31C」、「2S-305」の個人向け仕様となる大型フロア型スピーカーシステム「2S-305D」などのモデルを投入しコンシューマー(一般)向けオーディオ市場に進出。中でも[[1970年]](昭和45年)に登場した中型ブックシェルフ型3ウェイスピーカーシステムの「'''DS-251'''」が予想外の売り上げを記録し<ref>更に[[1973年]](昭和48年)に「'''DS-251MkII'''」へマイナーチェンジし、従来モデルの「DS-251」以上の売り上げを記録した。[[1975年]](昭和50年)に全面改良版の「'''DS-261'''」が登場後も当面の間「DS-251MkII」は併売されていたが[[1977年]](昭和52年)を以って惜しまれつつも販売終了となった。</ref>、その後[[ラジカセ]]などにも積極的に商品展開した。ラジカセの場合は三菱ブランド(MITSUBISHI ELECTRIC)が多かった。また[[1978年]](昭和53年)に[[レコードプレーヤー]]が縦の状態(つまり地面と垂直)で収まったコンポーネント(商品名「たてコン」<ref>「たてコン」登場から2年後の[[1980年]](昭和55年)には「たてコン」の横展開商品にあたる縦型レコードプレーヤー一体型カセットデッキ搭載FM/AMステレオレシーバーシステム(実質的にはモジュラーステレオ扱い)「ダイヤトーン・セットアップコンポ」も発売された。</ref>)や[[1983年]](昭和58年)にオートチェンジャー機能付きの[[カセットデッキ]]を搭載したミニコンポーネント(商品名「ロボティ」)<ref>前者は[[石立鉄男]]が[[コマーシャルメッセージ|CM]]に出演し、後者は1980年代当時、[[一風堂]]に在籍していた[[土屋昌巳]]がCMに出演していた。</ref>、果ては[[1990年]](平成2年)に壁や机、ドア、窓ガラスなどに貼り付けて貼った場所を[[音源]](振動板)として利用するスピーカー[[アクチュエーター]]ユニットの「[[ダイヤトーン・ACT-1|ACT-1]]」などというユニークな商品があった。
 
[[1987年]](昭和62年)、経営危機により三菱グループ入りした[[AKAI professional|赤井電機(AKAI)]]と部門統合し、合同ブランド[[A&D (オーディオ)|A&D]]を設立。ダイヤトーンブランドはスピーカーのみとなり、カセットデッキやDAT、CDプレーヤー、ミニコンポ等の製品はA&Dのブランドで赤井電機が開発・製造することになった。
 
[[1991年]](平成3年)のA&Dブランド消滅後もダイヤトーンの名前は残ったが、[[1998年]](平成10年)に発表・発売された200セット(200ペア)限定生産のフロア型スピーカーシステム「'''DS-20000B Klavier'''(クラヴィール)」(550,000円/1本・税別)を最後に、そして翌年の[[1999年]](平成11年)に三菱電機は[[カーオーディオ]]を除いて音響部門から撤退し、ダイヤトーンの名前も市場から一旦姿を消した。しかし、[[2005年]](平成17年)に[[三菱電機エンジニアリング]]が、高級志向層の需要を見込んで本ブランド製品を再登場させている<ref>再登場後の第1弾モデルはフロア型スピーカーシステム「'''DS-MA1'''」(1,000,000円/1本・税別)である。</ref>。以前のような店売りする普及帯の商品展開ではなく、受注生産・インターネット販売の形態を採っている(外部リンク参照)。
 
近年では自社製液晶テレビ [[リアル (三菱電機)|リアル]]のスピーカーに同ブランドの使用を再開。[[2006年]](平成18年)9月には車載用にも久々に同ブランドを復活させたスピーカー「DS-SA3」を、[[2008年]](平成20年)には[[Blu-ray Disc|ブルーレイディスク]]ドライブ内蔵HDDレコーダー「DVR-BZ200/100」を発表している。