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== 栽培 ==
=== 栽培法 ===
サツマイモは[[繁殖]]能力が高く窒素固定細菌(クレブシエラ  オキシトーカ( ''Klebsiella oxytoca'' )、パントエア  アグロメランス( ''Pantoea agglomerans'' ))など<ref>[http://ci.nii.ac.jp/naid/110004029640/ サツマイモ及びサトウキビに内生する窒素固定エンドファイト細菌の分離と同定] 日本土壌肥料学会講演要旨集 (50), 54, 2004-09-14</ref><ref>[http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/narc/2005/common05-20.html サツマイモ体内からのエンドファイト窒素固定遺伝子の検出] 農研機構 中央農業総合研究センター 2005年の成果情報</ref>との[[共生]]により[[窒素固定]]が行えるため痩せた土地でも育つ。従って、初心者でも比較的育てやすく、[[江戸時代]]以降[[飢饉]]対策として広く栽培されている。数枚の葉が付いた[[つる植物|ツル]](茎)を土に挿すという形で定植し<ref group="注釈">種まきとは種子(特に真性種子)に対して使われる言葉であり、種芋やツル苗あるいは球根などの栄養繁殖の場合は定植(ていしょく)という言葉が一般的。</ref>、[[不定根]]を発生させる。その後、不定根が十分に肥大したところで[[収穫]]する方法が一般的である(種から発芽させる方法もあるが、アサガオのようにつるを伸ばして生長するためイモはあまり取れない)。[[農家]]では前年に収穫した種芋を加温して、その種芋から伸びたツルを切り取って苗とする。[[家庭菜園]]程度であれば春に[[園芸]]店や[[ホームセンター]]などでツルを購入して栽培するのが簡単である。
 
[[春]]に苗を植え付け、[[晩夏]]から[[秋]]にかけて収穫する(暖地の場合)。また、[[肥料]](特に窒素肥料)を多く与えて葉や茎が育ちすぎると、過剰成長して根の品質(外見・味)が下がる。また、極端な場合では[[光合成]]で作られた栄養が茎や葉の成長に浪費されるため、芋の収穫量が減る。サツマイモは痩せた土地でも育つので、前作で野菜が良く採れた場合、初心者は全く肥料を与えないで栽培するほうが安全である。苗が植物[[ウルス]]に感染すると収量低下を起こすため、[[ウルスフリー]]苗が利用される事もある<ref>[http://www.city.yokkaichi.mie.jp/farm/report/2002/sweetpotato.html 四日市市農業センター]サツマイモのウルスフリー苗の作出</ref><ref>[http://www.city.hamamatsu.shizuoka.jp/noushin/portal/nougyou/bio/why.html 培養苗はなぜ必要?] 静岡県浜松市農業バイオセンター</ref>。
 
以下は特殊な栽培法についての説明である。
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=== 燃料 ===
痩せ地での栽培に適し、デンプンを多く含むサツマイモは、しばし[[バイオエタノール]]の原料として注目されることがある。[[第二次世界大戦]]中の日本では、不足する[[航空機]]用燃料のためにバイオエタノールの製造が研究された。<ref>[http://www.gelifesciences.co.jp/newsletter/biodirect_mail/chem_story/90.html 生化夜話 第17回:未知なる燃料を芋に求めて]</ref>現代においても、環境志向の高まりと将来起こるであろう[[化石燃料]]の不足に備えて、研究が進められている。<ref>[http://www.afpbb.com/articles/-/2319271?pid=2412941 バイオ燃料の原料に適したサツマイモの開発に成功]  AFP BBnews 2007年11月30日</ref>
 
== 文化 ==
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:十三里は[[江戸時代]]、サツマイモの名産地で知られた[[川越市]]([[埼玉県]])が[[江戸]]から[[川越街道]]を通り、約十三里(52km)の距離であったことに因み<ref name=huk>[http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/column/54143.html 『福井新聞社『栗(九里)より(四里)うまい十三里―と… - 2014年09月15日午前06時43分』] 2015年01月24日閲覧</ref><ref name=sou/>、距離的概念の十三里と九里+四里を足して十三里(9+4=13)を引っかけ、[[洒落]]をきかせている<ref>関根 久夫『夫埼玉の日本一風土記』2010年 幹書房</ref>。
 
:現在では各地で販売するサツマイモ食品の宣伝文句や商品名に活用されている<ref> [http://www.asahi.com/articles/ASG784PTPG78PLZB00G.html 朝日新聞社『(おあがりやす)遊び心  サツマイモで包む - 2014年07月10日10時57分』] 2015年01月24日閲覧</ref>。[[愛媛県]]の[[佐田岬半島]]地域でも、佐田岬半島の長さが約十三里であることから「栗よりうまい十三里」と言う。同半島は火山灰の混じる土壌でサツマイモの産地でもある。
 
:九里四里うまいを略し、『十三里』でサツマイモ、サツマイモ食品の異称にもなっている<ref>[http://www.excite.co.jp/dictionary/japanese/?search=%E5%8D%81%E4%B8%89%E9%87%8C&match=beginswith&itemid=DJR_juusannri_-010 三省堂『じゅうさんり(十三里)』大辞林 第三版] 2015年01月24日閲覧</ref>。
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== 日本国内間の検疫 ==
[[植物防疫法]]の定めにより、イモゾウムシやサツマイモノメイガなどの害虫の拡散を防ぐため国内間でも検疫が行われ<ref>[http://law.e-gov.go.jp/announce/H21F17001000046.html イモゾウムシ及びアリモドキゾウムシの緊急防除に関する省令]{{リンク切れ|date=2015年5月}}(平成二十一年七月二十一日農林水産省令第四十六号)</ref>、沖縄県全域、奄美群島、トカラ列島、小笠原諸島からは、サツマイモやグンバイヒルガオ等のヒルガオ科植物の生茎葉及び生塊根等の持ち出しは規制されている<ref>[http://www.pref.okinawa.jp/mibae/imo/index.html イモゾウムシとは]沖縄県病害虫防除技術センター</ref>。個人の手荷物程度の量であれば、所定の方法で事前に申請すれば移動規制地域から持ち出す事ができる。ただし、蒸気で消毒を行う蒸熱処理を行うため、その施設がない地域からの持ち出しはできない<ref>植物防疫所「[http://www.maff.go.jp/pps/j/introduction/domestic/didoukisei/kensa_syoudoku/index.html 移動規制のある植物の検査及び消毒について] 」農林水産省 2015年5月29日閲覧。</ref>。<!-- 従って、空港などで該当する物品を所持していると没収される。 -->加工品にはこのような制限は無い。
 
現地の港および空港に、これらの注意を促す掲示やポスターがあるので、当地を訪問の際には参照されたい。