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関連項目
原語
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'''結界'''(けっかい)とは、[[仏教]]において、[[サンガ]](saṃgha, 僧伽(そうぎゃ)<ref group="注釈">四人以上の[[比丘]](比丘)または[[比丘尼]](びくに)により構成される出家者の集団</ref>)がひとつの「[[現前サンガ|現前(げんぜん)サンガ]]」(sammukhībhūta-saṃgha)<ref group="注釈">理念の上で全世界のあらゆる比丘・比丘尼によって形成される「[[四方サンガ|四方(しほう)サンガ]]」(cātuddisasaṃgha)に対し、特定の拠点において、四人以上の比丘(または比丘尼)をメンバーとして活動する個々のサンガを指す。</ref>の空間領域(sīmā =界)を設定することを言う{{Sfn|佐々木閑|1999|p=39}}。'''結界'''についての規定は[[律蔵]]の[[犍度]](けんど)の第一章に見られる{{Sfn|佐々木閑|1999|p=39}}。
 
後世、界の概念と[[密教]]の神秘主義が合体することにより、原初のインド仏教にはなかった、「特殊なエネルギーを保持した神秘空間としての界」という観念が生じ{{Sfn|佐々木閑|1999|p=39-40}}、[[聖]]なる領域と[[俗]]なる領域を分け、[[秩序]]を維持するために区域を限るという意味あい(けっかい、{{ラテン翻字|sa|Siimaabandha}})も生じた。さらに日本では、古神道や[[神道]]における[[神社]]などでも、同様の[[概念]]があることから、言葉として用いられている。[[大和言葉]]では{{読み仮名|端境|はざかい}}やたんに境ともいう。
 
== 律 {{Sfn|佐々木閑|1999|p=39-46}}==
[[律]]の規定では、サンガは、全世界のあらゆる比丘・比丘尼が理念上所属する「四方(しほう)サンガ」(cātuddisasaṃgha)と、各地に拠点を置き、4人以上の比丘・比丘尼をメンバーとする個別の「現前サンガ」(sammukhībhūta-saṃgha)に大別される。
 
比丘・比丘尼はそれぞれの「現前サンガ」の間を自由に移動して所属先を変更したり、新たなサンガを発足させることができる。