「歴史 (ポリュビオス)」の版間の差分

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本書は全40巻であるが、当初の構想は[[第三次マケドニア戦争]]の叙述が含まれる第29巻までだった。第30巻以降は第3次[[ポエニ戦争]]、[[地中海世界]]の統合、[[ケルティベリア人]]の反乱、[[アカイア]]連邦の反乱、紀元前146年の[[コリントス]]陥落までが叙述された。しかし現存するのは最初の5巻までであり、大部分は作者自身が作成した摘要などで残るのみとなる。歴史叙述だけでなく政体循環史観という独自の歴史観を示したことからも知られている。
 
ポリュビオスは政治秩序の本性が政体の循環であるとして「それによってさまざまの体は変化し移行しまた出発点に戻る」と論じた。例えば[[寡頭制]]の害悪を経験した人々がいる間は平等主義や言論の自由を重要視する人々が[[民主制]]を支持するが、孫の世代になると自由と平等に慣れきってしまうために自由や平等の価値を大事にせず、暴力的な政体へと回帰するとした。ポリュビオスはこの観点からローマの繁栄もいずれは衰退に向かうと指摘し、自然に成長したように自然に下落していくことを見通しながら、歴史の叙述によってそれを明らかにしようと試みている。
 
== 書誌情報 ==