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{{文法カテゴリー}}
'''文法範疇'''（ぶんぽうはんちゅう）あるい、grammatical category）または'''文法カテゴリー'''（ぶんぽうカテゴリー）とは、[[語]]を形成する原理の分類であり<ref>{{ citation
* 文の構成要素を文法的特徴によって分類したもの。[[名詞]]、[[動詞]]などの[[品詞]]分類、[[主語]]、[[述語]]などの[[文法機能]]の分類が含まれる<ref name=":0" />。
| contribution=文法範疇
* [[語形変化]]などの文法的手段によって表現される意味機能の区別の分類<ref name="trask1992" />{{Rp|122, }}<ref name=":0">Crystal, David (2008) ''A dictionary of linguistics and phonetics''. 6th edition. Malden: Blackwell.</ref>。その中でも特に、語形変化（屈折）の原理となる分類（＝語の'''屈折素性'''）を指す<ref>{{citation|title=言語学大辞典|year=1995|volume=6|pages=1199-1200|contribution=文法範疇|place=東京|publisher=三省堂|editor=亀井孝|editor2=河野六郎|editor3=千野栄一|isbn=978-4385152189}}</ref>。同じ文法範疇に属する要素からはただ一つが選択される<ref>{{citation|title=What is a grammatical category?|year=2004|url=http://www.sil.org/linguistics/GlossaryOflinguisticTerms/WhatIsAGrammaticalCategory.htm|publisher=SIL International|editor-last=Loos|editor2-last=Anderson|editor3-last=Day|editor4-last=Jordan|editor-first=Eugene E.|editor2-first=Susan|editor3-first=Dwight H., Jr.|editor4-first=Paul C.|accessdate=2008-05-15|editor5-first=J. Douglas|editor5-last=Wingate}}</ref>（＝対立する）。また文法範疇の区別は必ず表現しなければならない（＝義務的である）。
| editor=亀井孝
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}}</ref>、同じ文法範疇からはただ一つが選択される<ref>{{ citation
| title=What is a grammatical category?
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| accessdate=2008-05-15
}}</ref>。例えば[[時制]]は文法範疇であり、[[日本語]]の場合、定[[動詞]]は必ず過去か非過去のどちらかであり、両方であることはない。
 
== 品詞・統語範疇 ==
文法範疇はしばしば[[一致]]を起こす。
{{Main|品詞|統語範疇}}
語を文法的特徴によって分類したのが品詞であり、名詞や動詞などがおもな品詞である。文の様々なレベルの構成要素（構成素）を統語的特徴によって分類したのが統語範疇であり、名詞、動詞、名詞句、動詞句などが含まれる。
 
== 文法機能 ==
{{Main|文法機能}}
節の基本的な構成要素が他の要素に対して持つ関係による分類を文法機能と言い、特に文法範疇と区別する用語法もある。たとえば、主語や目的語といった文法関係は名詞句が持ちうる文法機能であり、述語はおもに動詞の担う文法機能である。
 
== 屈折素性 ==
一つの語が意味機能に応じて形を変えることを語形変化（屈折）と言う。語形変化によって表される意味機能の区別の分類を文法範疇または屈折素性（くっせつそせい、inflectional feature）と言う。
 
たとえば、英語の可算名詞は、何も付かなければ 1 つのものを、''-s'' を付ければ複数のものを表す。つまり、表すものの数（かず）に応じて語の形が変わる（＝語形変化する）。したがって、英語の可算名詞には表すものの数を区別する文法範疇がある、ということになる（ちなみに、このような文法範疇を[[数 (文法)|数]]（すう）と言う）。
 
代表的な文法範疇には[[性 (文法)|性]]、[[数 (文法)|数]]、[[人称]]、[[格]]、[[時制]]（テンス）、[[相 (文法)|相]]（アスペクト）、[[法 (文法)|法]]（ムード）などがある。
 
== 種類 ==
代表的な文法範疇には以下のものがある。
* [[格]]
* [[定性]]
* [[人称]]
* [[数 (文法)|数]]
* [[極性 (言語学)|極性]]
* [[態]]
* [[時制]]
* [[相 (文法)|相]]（アスペクト）
* [[法 (文法)|法]]（ムード、モダリティ）
* [[性 (文法)|性]]、名詞クラス
同じ文法範疇からはただ一つが選ばれるが、異なる文法範疇は一般に独立である。例えば日本語の動詞の文法範疇のうち、極性と時制だけを取り上げると、それぞれ肯定と否定、非過去と過去の 2 種類ずつあるので、全部で 4 種類になる。
{| class="wikitable" border="1" style="text-align:center"
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|}
 
=== 文法範疇と語形変化の独立性 ===
Dixon（2009）によれば、文法範疇の区別は必ずしも語形変化で表される必要はない。
 
たとえば、格と接置詞はしばしば区別されるが、両者が表す意味機能の区別は同種のものであって、語形変化として実現するものを格、語として実現するものを接置詞と呼んでいるにすぎない。
文法範疇が語形に影響しない体系もある。たとえば[[ロジバン]]では上記の 4 窓において極性と時制を指定する語がモジュール式に追加され、中核の語そのものは変化しない。
 
{| class="wikitable" border="1" style="text-align:center" lang=""
|+ tavla
! rowspan="2" colspan="2" | &nbsp;
! colspan="2" | 極性
|-
! 肯定 !! 否定
|-
! rowspan="2" | 時制
! 非過去
| tavla || na tavla
|-
! 過去
| pu tavla || pu na tavla
|}▼
 
 
しかし、語形変化によるものだけを文法範疇として考える研究者は多い。
日本語、[[朝鮮語]]、[[ジャワ語]]、[[タイ語]]、[[クメール語]]などでは、[[敬語]]が体系化し、文法範疇となっている。
 
== 参考文献 ==
{{reflist}}
|refs=
<ref name="trask1992">Trask, R. L. (1992) ''A dictionary of grammatical terms in linguistics.'' London: Routledge.</ref>
▲|}}
 
{{DEFAULTSORT:ふんほうはんちゆう}}
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