「ゲームセンターあらし」の版間の差分

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アイテム節を設けてソーラーウォッチ追加。インベーダーキャップもそちらに移動して追記。一平太のふんどしと共に臭い代名詞とされたのはキャップよりもジャンパーだったと思います。
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初期はタイトル通り、[[ゲームセンター]]で『[[インベーダーゲーム]]』の対決をしたりするもので、100円玉をコイン投入口に投げ入れる技をあらしが見せたりしていたが、当時小学生がゲームセンターにたむろして不良化するという現象が問題になっており、それを考慮して漫画でもあらしが行きつけのゲームセンターに出入りできなくなるという展開になってしまう。[[駄菓子屋]]の店頭のミニ筐体でのバトルや、ゲーム大会、二枚目でお金持ちのライバルであるさとるの家のパーティーでの巨大『[[ギャラクシアン]]』など、初期の数話を除いては結局ゲームセンターで対決する話はなくなり、舞台も徐々に荒唐無稽になってゆき、スケールアップしていった。
 
とんでもない'''秘技'''(必殺技)もこの作品の売りである。最初のうちはゲームに必須な[[動体視力]]を鍛える、バランス感や筋力を鍛えるなど現実的なものであったが、次第にエスカレートしていき、「月面宙返り」や、スティックを高速で操作することでプレイヤーのキャラクターが敵からの攻撃を潜り抜けるという「炎のコマ」<!-- 操作する手が空気摩擦で炎を発する。原理的に速過ぎる操作は無視されるはず。←とは言え、ゲーム専用機であればコントローラ側に取りこぼしを防ぐバッファが搭載されている可能性があり、バッファ内容をまとめて処理するプログラムであれば有り得ない話ではない。要は遅いPCでマウスカーソルがカクカクとワープするのと同じ。 -->、[[静電気]]でゲーム機の電子回路に干渉して異常動作を発生させて有利に導く「エレクトリック・サンダー」<!-- 原理的にはどんな結果になるか予測不能なはず -->などが登場。これらは実現可能かどうかはともかく、一応ゲームに役立つ理屈がつけられていたり、「理論上は可能」と書かれていたりしたが、次第に派手だがよくわからない状態の「レインボーバズーカ」や、一生に一度しか使えないとして編み出したが何度も使っていた「スーパーノヴァ」など、理由付けもゲームプレイとの関係も無い技が頻出。一般レベルから逸脱し、それに伴い話のスケールも拡大して、核戦争の危機や異次元からの侵入者をゲームによって解決するにまで至った。邪神や異星人、アフリカの原住民などゲームをやったことのない者が、どういうわけかゲームのやり方を知っている場合も多い。ハンディキャップ的な意味合いからか、対戦場所の環境、あるいはあらしのコンディションのため秘技が万全な状態で使えない場合もあり、敵キャラクターがあらしと同じ技、もしくは同等の技をあらしよりも高威力で使う場合も多く、その結果あらしが苦戦や敗退するも新秘技で打ち勝つケースも多かった。
 
また、この作品のもう一つの売りでもあった実在のアーケードビデオゲームでの対戦も、後半は「戦車ゲーム」などかなり適当でよく分からないゲームで戦うことになり、ゲーム内容よりも派手な舞台や敵キャラクター、秘技への依存が高くなってくる。これはすがやによると、新作ゲームに登場するキャラや設定が記号的なものから、どんどんゲーム独自の世界観が加味されたものになってしまい、『あらし』固有の非現実な世界を描きにくくなったためだという。
 
単行本は[[てんとう虫コミックス]]で全17巻が発売。2000年に太田出版より復刻版が刊行。読み切り1本目に関しては、てんとう虫コミックス版には未収録で太田出版版では「コロコロ」掲載時の校正刷りを元に収録(そのため、画質が他の話と比べると荒い)。また、『別冊コロコロコミック』の長編との並行連載の関係で、執筆・雑誌掲載順に収録されておらず、一部ストーリーに辻褄の合わないところがある。
 
『月刊コロコロコミック』が、『[[ドラえもん]]』を核とした雑誌から、現在の少年向け対決物路線に軸足を移していく道筋を付けた作品の一つである。
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*[[i-revo]]ゲームのホームページでは『ゲームセンターあらし』の最新作と冠した『あらしでわかる!i-revoゲーム』を掲載。
*[[2007年]]8月、『ゲームセンターあらし』の続編である『[[サラリーマントレーダーあらし]]』を『[[コミック・ガンボ]]』で連載開始。その後、掲載誌の休刊で未完結のままで終了した。[[2008年]]4月、『サラリーマントレーダーあらし』は[[翔泳社]]のwebマガジン『MONEY(マネージン)』で再連載開始。掲載誌の休刊で未掲載だった「幻の第10話」も掲載した。
*1994年、当時の[[謎本]]ブームを受けて、[[データハウス]]から『ゲームセンターあらしの秘密』が発売された。通常謎本は、作者にも出版社にも無断で発行されるため、作者は全く関わっておらず、原作の絵を引用することさえないが、本書の場合はまず作者であるすがやに執筆依頼があり、すがやが「この手の本は作者本人が書いても面白くないから」との理由で断り、代わりに[[パソコン通信]]で知り合ったあらしファン達を紹介して彼らが執筆することになった(『ゲームセンターあらしの秘密』前書きより)。そのため同書は、謎本としては異例の「原作漫画のコマの引用」「作者本人へのインタビュー」等が掲載されている。
== ストーリー ==
基本的な筋は、主人公石野あらしが、ゲームセンターやゲーム大会を舞台に、全国、全世界から集まるライバルたちと熱戦を繰り広げるというもので、ストーリーは基本1話完結。月刊コロコロでの連載は比較的身近な世界を舞台にしており(それでも連載後半になると世界観は肥大化する)、別冊コロコロでの連載は1話約100ページに及ぶ大長編がメインで、最初から世界・宇宙規模の大きな世界観を持ったストーリーが展開された。
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; 石野 あらし
: [[声優|声]] - [[間嶋里美]]
: 主人公。読み切り1本目のみ名前表記が「石野嵐」。1969年(アニメでは1971年)1月1日生まれ、身長145センチメートル、体重38キログラム(アニメでの設定)。前歯の出っ歯とインベーダーゲーム大会優勝の記念品で常に頭に被っている赤い[[スペースインベーダー|インベーダー]]キャップがトレードマーク(読み切り・連載開始当初は当時流行していた「[[アポロ17号]]キャップ」を着用)。成績がオール1で運動神経も勉強もからきしダメでだらしない性格だが、[[テレビゲーム]]に関しては天才的な腕を誇る。読切ではゲームセンターにたむろする仲間が数人おり、「あらしのアニキ」と呼ばれていたが、連載ではさとると一平太がこれに変わっていった。大の風呂嫌いだが、そのたまった垢で命拾いしたことも。出っ歯はダイヤモンドよりも硬く、出っ歯が生え変わるエピソードでは体のバランスが一時的に取れなくなってしまった。物語後半になると、単に硬いだけでなく、射出した出っ歯を神経をケーブルとして遠隔操作できるようになった。インベーダーキャップは、最初はタイトーの『スペースインベーダー』のドット絵その以外にのだったが1982年に<!--著作権への配慮からか-->テレビアニメ化を記念する形で、目が星型で出っ歯がつたインベーダーキップに生まれ変わる。原作では後述の山嵐大作との勝負で燃やされてしまい、あらしの母親によって作り直されたというエピソードが描かれたが、アニメでは第1話から新型を被っていた。このイダーキャップは旧型・新型ともに実物が作られ、『コロコロコミック』誌上やアニメ放送した日本テレビで抽選景品としてプレゼントされた。また、アニメの放送時にはキャラ商品として通常の赤色、夏向けの白色のキャップが販売された。その後赤色のインベーダーキャップは再発売されている(現在は販売終了)。新型キャップはほとんどずっと被っているらしく、キャップを奪い使用しているうちに臭いと脱ぐ場合があり、一平太のふんどしともども不潔の代名詞とされていた(さとるはいつのまにか耐性ができていた)。
: 基本的にすがや作品の主人公は大文字さとるのような二枚目タイプだったが、本作では「これまでにない主人公を」ということで、いくつかデザインされた候補の中から出っ歯でブタ鼻の「一番醜いもの」が編集者によって選ばれた。色もデザイナーが臨時に塗ったものがコロコロコミックの表紙になってしまったため、そのまま正式採用になった<ref>別冊宝島876 「ゲーセン」最強読本</ref>。
: 名前の由来は小説家の石津嵐<ref>[http://mp.i-revo.jp/user.php/vcbsjhkf/entry/17.html 作者ブログより]</ref>。
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:ラムは後に山嵐と戦うが、自慢の「ロック打法」は山嵐の「電撃吹雪拳」の前に全く通用せず敗れている。
; 剣野 玉三郎
: 棺桶にインベーダーゲームを入れて街中を引いて歩き、賭けゲームで生計を立てている少年。「1勝負1000円、勝った者には1万円!」と書いた張り紙をしている。秘技はケン玉昇り竜。あらしに敗れた後は「賭けゲームはやめてケン玉一筋」とのこと
;ブッチャン
:[[アフリカ]]の[[原住民]]、「ブッチャマン」の少年。ひょんな事から拾った電子ゲームが日本製であったことから日本にやってきてあらしと対戦した。対戦では完全にあらしを圧倒して勝利寸前まで行ったがそこで不測の事態によりゲームを中断してアフリカに帰ってしまい、その唐突さにはあらしも面食らっていた。後に別な大会で他のライバル達と共にあらしと再戦するが、その時は途中経過で「あらしが断トツ」であったが、やはり試合が中断してしまったため、あらしとの勝敗は結局付かなかった。
 
== アイテム ==
;インベーダーキャップ
:あらしのインベーダーキャップは、最初はタイトーの『スペースインベーダー』のドット絵そのものだったが、1982年に<!--著作権への配慮からか-->テレビアニメ化を記念する形で、目が星型で出っ歯がついたインベーダーキャップに生まれ変わる。原作では後述の山嵐大作との勝負で燃やされてしまい、あらしの母親によって作り直されたというエピソードが描かれたが、アニメでは第1話から新型を被っていた。このインベーダーキャップは旧型・新型ともに実物が作られ、『コロコロコミック』誌上やアニメを放送した日本テレビで抽選景品としてプレゼントされた。また、アニメの放送時にはキャラ商品として通常の赤色、夏向けの白色のキャップが販売された。その後赤色のインベーダーキャップは再発売されている(現在は販売終了)。
:作中では不思議な力を秘めており、一平太がこれを被ったときも普段以上の好調を見せた。山嵐の解析によればその力は[[ピラミッドパワー]]と同等のものらしく、山嵐もこのときは[[四角錐|方錐]]型のキャップをかぶることでインベーダーキャップに近いパワーを発揮した。新型のインベーダーキャップは旧インベーダーキャップの灰を浴びたことで出っ歯のインベーダーが浮かび上がり、以前にも増して強力なパワーが備わった。最終回では、未来人が歴史に名を残す人物に才能を与えるためのアイテムであることが明かされた。正確にはキャップそのものではなく出っ歯の付いたインベーダーのマークが力の源であるが、あらしのキャップにそれが備わったのは手違いだったという。
 
;ソーラーウォッチ
:終盤の暗黒七魔人編(1982年9月号 - 1983年1月号)において暗黒七魔人と戦うために、超人戦士エンジェルと名乗る戦士たちから託された腕時計。インベーダーキャップの10倍の威力を持つとされる<ref>月刊コロコロコミック1982年10月号、pp3-5。</ref>。本来は暗黒七魔人をキャプチャー(捕獲)するためのアイテム。当時は相当する言い方が無かったが、下記のように実質的には{{仮リンク|スマートウォッチ|en|Smartwatch}}に相当するアイテムである。
:当時の夢の技術が盛り込まれており、[[フィーチャー・フォン|ガラケー]]と同様の様々な付加機能を備えていることが特徴。掲載誌の特集<ref>月刊コロコロコミック1982年11月号、pp8-9,45-47。</ref>によれば文字通り[[太陽電池]]を備えており、通信機(マイク・スピーカー)、テレビ・ラジオ、カメラ・ビデオ(録画・再生)、テープレコーダー(録音・再生)、レーダー(敵までの周辺案内や、緊急警報など)、ゲーム(5種類)、そしてパソコン機能を搭載する。掲載されたイメージでは電卓のようなテンキーや小型キーボード等を備えており、カラーディスプレイ画面のほかに7セグLCDによる時計の表示がある。
 
== 秘技(登場人物別) ==
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* [[ギャラクシーウォーズ]]
* パクパクマン
* [[バルーンボンバー]]<ref>『バルーンボンバー』登場の際は「そんなゲーム知らないぜ?」「新製品のホヤホヤだからな!」というやりとりがある。これはすがやが[[タイトー]]の工場を見学した鬨、まだ発売されていない新作ゲームを漫画に登場させたことによるもの。しかし取材から雑誌の発売までタイムラグがあり、掲載時には『バルーンボンバー』は既に流通していた。</ref>
* [[パックマン]]
* [[ムーンクレスタ]]
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当初の放送予定期間は1年間(全52話)で、放送開始当日の新聞の新番組紹介でも「52回」と放送予定回数が明記されたが、予定期間の半分の半年間(全26話)で終了した。
 
アニメはあらしたちとナンドー会長率いるデーモン社との戦いが話の中軸になっているが、基本的には原作のエピソードを踏襲しており、アニメのオリジナルストーリーは最終話「あらしの敵はあらし!?」の1本のみだった。ただし、アニメのオリジナルキャラクターであるナンドー会長、エリカ・能登、松本すみれの3人がほぼ毎回登場してストーリーに絡んでくるため、原作の登場人物がこの3人に置きかえられたり、細かい話の流れが原作と微妙に異なっているものも多い。さらにアニメ放送時に当時の[[日本におけるゲーム機戦争|日本の家庭用テレビゲーム市場]]で[[カセットビジョン|トップシェアだった]]玩具メーカーの[[エポック社]]がメインスポンサーだった関係で、あらしたちが対戦するゲームに『[[パクパクマン]]』などのエポック社製の[[電子ゲーム]]が使われているエピソードがある。長らくソフト化はされていなかったが、2011年3月30日にDVD-BOX化された(当初は3月23日発売だったが、[[東日本大震災]]のため発売が延期された)。
 
テレビ放送前年の[[1981年]]に、パイロットフィルムが同じくシンエイ動画の作画により製作された。ラストボスがスーパーコンピューターという内容で、これを基にした1分間の映像が[[TBSテレビ|TBS]]の朝の時間帯(『[[テレビ列島7時]]』→『[[朝のワイドX]]』)の『コロコロコミック』のCMとしてほぼ1ヶ月おきに合計3回放送された。基本的に3回の放送は同じ内容だが、それぞれの放送におけるあらしの台詞が少しずつ異なっている。単なるCMであるにもかかわらず、当時の本作の人気を受けて放映の時間帯を誌上で告知するなど大々的な宣伝がされている(『テレビ列島7時』などは生放送だったため、「7時○○分ごろ放送」という大まかな放送予定時間が掲載された)。この時のあらしの声は、本編と同じく間嶋里美が担当している。このCMの元となったパイロットフィルムも、前出のDVD-BOXに特典として収録されている。