「タコマナローズ橋」の版間の差分

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この大落橋が有名になったのは、崩壊のその瞬間のみならず、激しい揺れを生じ始めてから崩壊を終えるまでの全経過が[[映画用カメラ]]で連続[[撮影]]され、映像として完全記録されていたためである。この詳細な記録により、構造物が風を受けて生じる振動についての研究が急速に進展した。
 
架橋直後からわずかな風でも激しく揺れることが問題となっており、おりしも[[ワシントン大学 (UW)|ワシントン大学]]の研究チームが調査中であった。風速測定や[[写真]]撮影による振動記録を含んだ[[データ]]取得が続けられていたが、11月7日朝に異常振動が始まったのを察知した研究チームは、急遽近くの写真店から映画カメラを借りてきて橋を観察できる位置に据え付け、結果として橋に起こった破滅の一部始終を映像として記録し得たのである。当時としてはまだ珍しいカラーフィルムで一部始終が記録された
 
落橋後の原因調査で、桁が薄い板状になっていると振動が非常に起こりやすいことがわかった。この振動は横風によって桁の上下に発生した空気の[[渦]]が桁を上下に振動させ、さらに大きな渦が発生して振幅を増大させる[[自励振動]]([[発散]]振動)と呼ばれる。タコマナローズ橋の場合は、桁の薄さと幅員の狭さが相まって[[剛性]]が不足し、ついには振幅増大による崩壊を許容してしまったのである。反省から、以後多くの長大吊り橋には、補強のための補剛[[トラス]]が備わることとなった。