「マナ (食物)」の版間の差分

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ヘブライ語とアラビア語ではマーン ({{lang|he|מָן}}, mān) という。マーナーはヘブライ語では全体の一皿の食べ物(コースの中の一品)、数を割った商などの別の意味の言葉である。
 
マナは、神が作った[[超自然]]的なものだとされている。聖書には、「見よ、わたしはあなたたちのために、天から[[パン]]を降らせる。」([[出エジプト記]]16:4)と記述されている。また、40年間にもわたって群衆の腹を満たし続けたことからも、自然のものではないとされている。
 
== 特徴 ==
露が乾いたあとに残る薄い鱗もしくは霜のような外見であり、[[コリアンダー|コエンドロ]]の実のように白く、[[蜜]]を入れた[[せんべい]]のように甘いとされる。早朝に各自一定量ずつ採って食べねばならず、[[気温]]が上がると溶けてしまう。また余分に採取することも許されず、食べずに置くとすぐに腐敗して悪臭を放つ。ただし[[安息日]]には降ってこないのでその前日には二倍集めることが許されている。[[カナン]]の地に着くまでの四十年間、イスラエルの民の食料だった。これは旧約聖書に登場する[[エデンの園]]の[[リンゴ]](もしくはリンゴに似た果物)を暗に指しているのではないかと考えられる。リンゴの実は白く、甘い蜜が中に入っている。気温が上がる季節や乾燥地帯においては果物を余分に採取し、食べずに置いておくと腐ってしまう。
 
== 自然の産物説 ==
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この聖書の記述に関して様々な説がある。ある説では、シナイ半島にも多く生息する[[ギョリュウ]]の[[樹液]]を固めたものであったろうとしている。
 
また他の説では、マナの伝承が誕生した原像として、[[カイガラムシ]]などの[[カメムシ目]][[ヨコバイ亜目]]の排泄物である[[甘露]]が乾燥したものと想定されている。ヨコバイ亜目の昆虫は植物から吸汁して生活するが、中でも篩管液を専門に摂取するものが多い。植物の篩管の中の液には糖分は多量に溶けているが、アミノ酸や[[ビタミンB群]]など他の栄養素は乏しい。そのため、これらの昆虫の消化管には濾過室と呼ばれる器官があって、過剰の糖分と水分を消化管後部に短絡させて排泄してしまう。これが甘露であり、西アジアのような乾燥地帯では水分がすぐに蒸発するため、植物に群がったカイガラムシの下で霜のように堆積した甘露の成分が容易に採集できる。後世の西アジア[[遊牧民]]の民俗例でも、実際にこれを採取して食用にする事例が報告されている。[[イラク]]では、乾燥した甘露を採取した後、不純物を取り除いて[[ヌガー]]のような菓子を作る。しかし、イスラエルの民は、マナを集めるための壷を抱えていたともされるので、何らかの固形の自然の産物、果物もしくは実であった可能性もある。現に西アジア(ウイグル・カザフスタン)付近は[[リンゴ]]の原産地であることで知られている。
 
== キノコ説 ==