「地中貫通爆弾」の版間の差分

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この種の兵器は、[[第二次世界大戦]]中に登場した。当時の[[イギリス]]は[[ドイツ国防軍|ドイツ軍]]の[[Uボート]]による[[通商破壊]]で甚大な被害を受けていた。[[イギリス軍]]はUボート戦力を殲滅しようとしたが、Uボートは[[Uボート・ブンカー|ブンカー]]と呼ばれる頑丈なコンクリート製の掩蔽物下に停泊していたため、通常の爆弾では直撃させても被害を与えられなかった。そこでイギリス軍は、[[トールボーイ]]や通称「地震爆弾」と呼ばれた[[グランドスラム (爆弾)|グランドスラム]]などの超大型爆弾による攻撃を行った。これはブンカーに対して十分有効であり、Uボートのうち何隻かを破壊したが、あまりにも巨大で効率的な兵器とは言い難かった。
 
また、イギリスは[[ロンドン]]地下に強固な[[防空壕]]を作り政府・軍[[司令部]]など重要施設を移したため、ドイツ軍防空壕破壊用の地下貫通爆弾で空爆を行った。この地下貫通爆弾は[[徹甲弾|徹甲弾頭]]がその重量の80%を占めており、地表および防空壕天井を貫通した後に炸薬が爆発するように作られていた。ドイツ軍の地下貫通爆弾が登場すると、イギリスは防空壕をさらに堅固なものに改装するなど、攻撃側と防衛側での競い合いが続いた。
 
第二次大戦後の[[冷戦]]時代には、防護された地下施設などの硬目標に対しては[[核兵器]]を使用することが想定されていたため、通常弾頭に高い貫通能力を備えた航空爆弾は開発されなかった。しかし、[[湾岸戦争]]で核兵器を使用せずに地下施設を破壊する必要が生じ、当初はグランドスラムのような炸薬量の多い兵器の使用が考慮されたが、第2次大戦の使用例から、単純に炸薬量の多いだけの航空爆弾は硬目標に対する効果が低いことが顧みられ、結局、急ぎ新しい爆弾を設計・製造することになった。