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{{otheruses|色の一種としての緑|「緑」「翠」「みどり」「ミドリ」のその他の用法|みどり}}
{{色}}
{{Infobox color|title=緑|hex=008000|
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[[ファイル:Wet Leaf.jpg|thumb|240px|緑色の葉]]
[[ファイル:苔むした石段.JPG|thumb|240px|苔むした石段]]
 
'''緑'''(みどり、'''綠''')は、[[寒色]]の一つ。[[植物]]の[[葉]]のような[[色]]で、[[黄色]]と[[青]]の[[中間色]]。[[光の三原色]]の一つは緑であり、[[1931年]]、[[国際照明委員会]]は546.1[[nm]]の[[波長]]を緑 (G) と規定した。500-570[[nm]]の波長の[[色相]] ([[:en::hue|Hue]]) はおよそ緑である。色材においては例えば、[[シアン_(色)|シアン]]と[[イエロー]]を混合して作ることができる。'''緑色'''(リョクショク、みどりいろ)は[[同義語]]。
 
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===語源===
「みどり」という語が登場するのは[[平安時代]]になってからであるが、これは本来「瑞々しさ」を表す意味<ref>現在でもみどりの黒髪嬰児(みどりご)」)」などの用法が残っている</ref>であったらしい。それが転じて新芽の色を示すようになったといわれる。英語のグリーンも「[[草本|草]]」(grass)や「育つ」(grow)と[[語源]]を同じくするといわれ、いずれにしても[[新鮮]]さのイメージを喚起する色である。
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=== 緑色無機顔料 ===
==== 緑土 ====
緑土は[[海緑石]]と[[灰緑石]]からなる。これら鉱物は[[水酸化鉄]]、[[水酸化マグネシウム]]、[[硅酸アルミニウム]]、[[カリウム]]などからなる。硅酸錯塩と同様緑土の組成は様々である。色合いは鈍い黄緑色から淡緑灰色のものまで様々ある。このように発色する原因は2価の鉄(第一鉄)にあるが、大半の鉄は3価の鉄(第二鉄)として存在している。緑土は透明性が高く、着色力は強くない。[[イタリア]]の画家が好んでテンペラにおいて[[下層]]に用いた。
太古よりヨーロッパで使用されて来た顔料で、比較的広範囲において産出するが、良質の顔料用途になるものの産地は限られる。
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少なくとも過去において緑色と青色を明確に切り分けなかった言語は日本語に限らず非常に多く、東アジアの[[漢字文化圏]]、東南アジア、インド、アフリカ、[[マヤ語族|マヤ語]]など中南米の言語にみられる。緑色(green)と青色(blue)とを分節しない語彙を表すため、しばしば言語学者は'''グルー'''(grue)という語を使用しており、こうした言語は'''グルー言語'''ともよばれる。さらにこのような言語では黒色とも区別されず、いわば「暗い色」として表されることがあり、これは特に赤道直下の言語に多い<ref>{{cite web|url=http://wals.info/feature/134|author=Paul Kay and Luisa Maffi|title=Feature/Chapter 134: Green and Blue|work=The World Atlas of Language Structures Online, WALS|accessdate=2009-12-25}}</ref>。
 
言語ごとの色の分節の食い違いは、最も一般的には色の分け方に[[物理学]]的な根拠がなく、[[フェルディナン・ド・ソシュール|ソシュール]]言語学が主張するように最終的にはそれが[[文化]]によって分節されていることによる<ref>{{cite book|author=[[鈴木孝夫]]|title=『ことばと文化』|series=<[[岩波新書]]>}}</ref>。 しかし、グルー言語が熱帯をはじめ比較的温暖な地域に多いことから、これは野外活動により浴びる紫外線から[[網膜]]を保護するために加齢とともに[[水晶体]]が黄変して、青色のような短波長の感度が低下し、実際に区別が困難になるためであるとする学説もある (lens-brunescence hypothesis)<ref>{{cite journal|author=D. T. Lindsey and A. M. Brown|title=Color Naming and the Phototoxic Effects of Sunlight on the Eye|journal=Psychological Science|volume=13|pages=506&ndash;512|year=2002}}</ref>。現代でも高齢者は[[白内障]]による視界の黄変化により白と黄色、青と黒、緑と青などの区別が困難となる。
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