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元来、植物には[[昆虫]]による食害や[[菌類]]・[[ウイルス]]感染などを避けるため各種の[[化学物質]]を含有または分泌する[[アレロパシー]]と呼ばれる能力があり、複数種類の植物を同時に栽培すると[[連作障害]]などを防止できることは経験的に知られていた。
 
世界的な農薬利用の歴史では、[[紀元前]]から海葱([[強心配糖体|ステロイド配糖体]]を含む)を利用した[[ネズミ]]駆除、[[硫黄]]を使用した害虫駆除が行われてきた。[[17世紀]]になると[[タバコ]]粉、[[19世紀]]初頭には[[除虫菊]]やデリス根([[ロテノン]]を含有)を利用した殺虫剤などが用いられるようになったが、天然物や[[無機化合物]]が中心であり、人為的に化学合成された[[有機化合物]]の農薬が登場するのは[[20世紀]]に入ってからである<ref>スリーエム研究会 『林業薬剤の知識』28-30頁 昭和54年12月20日刊</ref>。日本では、16世紀末の古文書に[[アサガオ]]の種や[[トリカブト]]の根など5種類の物質を用いた農薬の生成法が紹介されており、1670年には[[鯨油]]を水田に流す方法による害虫([[ウンカ]])駆除法が発見されている<ref>[http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201301260039.html 中国新聞「国内最古の農薬使用 島根」(2013年1月26日閲覧)]</ref>。中国の『[[天工開物]]』(1637年)によれば、山西省では虫よけのために豆や麦に砒素を混ぜで播き、寧州や紹州の稲田では早苗の根を砒素に浸して豊作を得たという。
 
[[1700年代]]には[[除虫菊]]の粉で作物を害虫から守ることができることが欧州などですでに知られており、商品として流通し始めた。