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|名称 = ワカサギ
|画像=[[File:Wakasagi Adult (70mm).tif|250px]]
|画像キャプション =
|省略 = 条鰭綱
|目 = [[キュウリウオ目]] {{sname||Osmeriformes}}
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別名 アマサギ([[山陰地方]])<ref name="aquaculturesci.62.1"/>、オオワカ、コワカ、サイカチ、サギ、シラサギ、シロイオ、メソグリなど
 
漢字で「公魚」と書くのは、かつての[[常陸国]][[麻生藩]]が徳川11代将軍[[徳川家斉]]に[[年貢]]として[[霞ヶ浦]]のワカサギを納め、公儀御用魚とされたことに由来する<ref>『[[土浦]]商工会事務所』土浦商工会誌、[[国立国会図書館]]、[[1937年]]、241~242241〜242頁</ref>。
 
== 分布 ==
天然分布域は、太平洋側は千葉県或いは[[茨城県]]([[霞ヶ浦]])以北、日本海側では[[島根県]]([[宍道湖]])以北の[[北日本]]、[[北海道]]で、日本以外ではロシア連邦[[ハバロフスク]]のウスリー川、オホーツク海に注ぐ[[サハリン]]の河川、[[ベーリング海]]に注ぐアナジリ川<ref name="aquaculturesci.62.1">藤川裕司、片山知史、安木茂、[httphttps://dxwww.doijstage.org/10jst.11233go.jp/article/aquaculturesci./62./1/62_1/_article 【原著論文】耳石 Sr:Ca と採集調査から推定された宍道湖産ワカサギの回遊パターン] 水産増殖 Vol.62 (2014) No.1 p.1-11, {{DOI|10.11233/aquaculturesci.62.1}}</ref>、[[カリフォルニア州]]にも分布する。
 
=== 人為放流 ===
[[水質]]が悪い状況や低水温や塩分に対して広い適応力があり、食用魚としての需要も高いことから、日本各地の湖やダムなどでも[[放流]]された個体が定着している。1910年代<ref>[http://hdl.handle.net/10091/12712 諏訪湖各種移航魚貝類の放流年次と各種の年間漁穫物量順位の推移] 信州大学環境科学研究会 環境科学年報3:7-13(1981), {{hdl|10091/12712}}</ref>に水産動物学者の雨宮育作が、[[霞ヶ浦]]のワカサギを[[山中湖]]、[[諏訪湖]]へ移植し、各地の湖沼に普及した経緯がある。今や、南西諸島と伊豆・小笠原諸島を除く全国に分布域を広げている。鹿児島が南限とされている。
 
== 形態 ==
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== 生態 ==
成長期に降海する[[回遊|遡河回遊]]型(両側回遊型)<ref>[http://www.fishexp.hro.or.jp/hatch/kenpo/64/p23_27.htm 網走湖産ワカサギ降海移動期の発育段階と栄養状態] 北海道立水産孵化場研究報告 第64号, 2010</ref>と、生涯を淡水で生活する河川残留型(陸封型)が存在する。なお、同一水域内でも降海型と残留型が存在することが[[網走湖]]、[[小川原湖]]で報告されている<ref name="aquaculturesci.62.1"/>。遡河回遊型は孵化後に降海するが、一定期間を[[汽水域]]で過ごす。従って、生息域は内湾(沿岸海域)、汽水域、[[河川]]、[[湖]]などである。産卵の為に河川を遡上する際は淡水順応を行わず、一気に遡上し、産卵、降海までを2時間程度で行っているとする研究がある<ref>佐々木剛、猿渡敏郎、渡邊精一、[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.72.924 岩手県閉伊川における遡河回遊型ワカサギの回遊履歴] 日本水産学会誌 Vol.72 (2006) No.5 P924-926</ref>。
 
地域にもよるが産卵期は[[冬]]から[[春]]にかけてで、この時期になると大群をなして河川を遡り、淡水中の水草や枯れ木などに付着性の卵を産みつける。卵の直径は1mmほどで、1匹の産卵数は1000粒から2万粒<ref>山本孝治、[http://dx.doi.org/10.2331/suisan.13.150 ワカサギの抱卵数に就いて] 日本水産学会誌 Vol.13 (1947-1948) No.4 P150-152</ref>にも達する。寿命は概ね1年で<ref name=aquaculturesci.62.1 />、産卵を終えた親魚は死んでしまうが、[[北海道]]、[[野尻湖]]、[[仁科三湖]]など寒冷な地域では2年魚、3年魚も見られる。
 
[[食性]]は[[肉食性]]で、[[ケンミジンコ]]や[[ヨコエビ]]などの動物[[プランクトン]]や[[魚卵]]や[[稚魚]]などを[[捕食]]する。一方、魚食性の大型魚類([[オオクチバス]]、[[コクチバス]]、[[ニジマス]]、[[ヒメマス]]など)や水辺を生息域とする[[サギ]]など鳥類に捕食されている。
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[[ファイル:Ice fishing on Ōnuma 001.jpg|thumb|ワカサギの穴釣り([[群馬県]][[前橋市]][[大沼 (赤城山)|大沼]])]]
[[File:Isborr.jpg|thumb|right|150px| 手動 アイス オーガー]]
一年中釣る事ができるが、漁の最盛期は冬期(10月から3月程度)が漁期で、[[釣り]]や[[刺し網]]、[[地引網]]、氷上の[[穴釣り]]などで多く漁獲される。特に脂が乗る旬は、[[桃の節句]]の前後という。ワカサギは一年中釣れる。
 
一本釣りまたは、サビキ釣りで釣られる。胴突きの[[サビキ]]を用いた釣り方が主流になりつつある。餌は、[[蛆|サシ]]か[[赤虫]]がよく使われる。
 
「氷上の穴釣り」は、[[結氷]]した湖面に[[アイス・ドリル]]([[w:Auger (drill)|Ice Auger]])という専用の道具、または[[つるはし]]等で直径15-20cmほどの穴をあけ、その穴からワカサギを釣り上げるもので、日本の冬の[[風物詩]]のひとつともされる<ref>大橋青湖 『釣魚夜話』、[[1942年]]、氷上の公魚釣り(96~97(96〜97頁)</ref>。既に[[昭和初期]]には、信州([[長野県]])の[[松原湖]][[野尻湖]]、[[山梨県]]の[[山中湖]]などで、釣りを趣味とする人々により「氷上の穴釣り」が行われていたと記録されている。
;ドーム船
[[長野県]]の野尻湖や[[諏訪湖]]、[[山梨県]]の山中湖[[河口湖]]などでは、[[ストーブ]]を備えた「ドーム船」([[w:Ice shanty|Ice shanty]])とよばれる船に乗りこみ、船底に開いた穴([[双胴船]]に準ずる構造で、浸水はしない)から釣る遊漁も行われている。
 
'''事故''' : ドーム船や氷上のテント([[w:Shelter (building)|Shelter]])では度々酸欠事故が発生している。[[乗客]]が[[一酸化炭素]][[中毒]]で緊急搬送されており<ref>{{Cite news|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/121224/dst12122413100002-n1.htm
|title=ワカサギ釣り船で小学生3人CO中毒  山梨・山中湖
|work=MSN産経ニュース
|newspaper=[[産経新聞]]
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== 関連項目 ==
{{commons Category|Hypomesus nipponensis}}
* [[水質]]
* [[環境汚染]]
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== 外部リンク ==
* [http://www.agri-kanagawa.jp/naisui/n_wakasagi.html ワカサギ] 神奈川県水産技術センター内水面試験場
* [http://dx.doi.org/10.2331/suisan.19.75 浜田 啓吉:ワカサギの生態學的研究-I ワカサギの鱗相の地方的差異に就いて] 日本水産学会誌 Vol.19 (1953-1954) No.2 P75-78
* [http://dx.doi.org/10.2331/suisan.19.79 浜田 啓吉:ワカサギの生態學的研究-II 石狩川の舊及び現水路のワカサギに就いて] 日本水産学会誌 Vol.19 (1953-1954) No.2 P79-82
* [http://ci.nii.ac.jp/naid/10017620556 粘着性除去したワカサギ卵の孵化器による孵化管理] 水産増殖 54(2), 231-236, 2006-06-20 水産増殖談話会, {{naid|10017620556}}
 
{{DEFAULTSORT:わかさき}}