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=== ヨーロッパ ===
[[フランス]]
[[イギリス]]では、まず名が挙がるのが[[オックスブリッジ]]([[オックスフォード大学]]及び[[ケンブリッジ大学]])、さらに[[ラッセル・グループ]]の括りがされる大学の一群があり、なかでも経済学方面では[[ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス]]が世界的にも著名である。文化・芸術方面では、[[ロイヤル・カレッジ・オブ・アート]]、新設なった[[ロンドン芸術大学]]の構成校として再編された[[セントラル・セント・マーチンズ]]、[[王立音楽アカデミー]]、[[王立演劇学校]]等がある。中等教育段階では[[イートン・カレッジ]]、[[ハーロー校]]をはじめとする[[パブリック・スクール]]が著名である。
その他欧州諸国の特徴的な選抜システムを見ていくと、[[ドイツ]]では[[マイスター]]のように実務を通して伝統的産業の[[職人]]を育成する制度があり、[[スイス]]にも[[時計]]などの精密機械産業分野に於いても似たような制度が見られ、これら高度化された職人が、高級な[[ブランド|ブランド品]]の製造産業を支えている。[[イタリア]]では[[芸術]]分野に特化した[[マエストロ]]制度が存在する。
=== アメリカ ===
[[アイビー・リーグ]]がよく知られているが、他に[[リトル・アイビー]]、[[アイビー・プラス]]、[[セブン・シスターズ (大学)|セブン・シスターズ]]、[[パブリック・アイビー]]などの括りがされている。文化・芸術方面では、[[ジュリアード音楽院]]、[[ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン]]、[[プラット・インスティテュート]]、[[クランブルック教育コミュニティー|クランブルック・アカデミー・オブ・アート]]等の他多くの学校が知られている。中等教育段階では、[[ボーディング・スクール]]であるプレップ・スクール(寄宿制私立高等学校)の中で[[10スクール]]と括られる米国東部の学校群が知られている。[[フィリップス・アカデミー]]、[[フィリップス・エクセター・アカデミー]]、ホチキス・スクール、[[チョート・ローズマリー・ホール]]などが著名である<ref>[http://www.cyzowoman.com/i/2012/10/post_6784_entry.html 名門大学に入るための名門高校、アメリカの学歴カースト制 cyzowoman] 2012年10月7日</ref>。
=== 日本 ===
[[日本]]では[[明治|明治期]]以降、[[東京大学|東京帝国大学]]をはじめとする[[帝国大学]]や、それに連なる[[第一高等学校 (旧制)|一高]]をはじめとする[[旧制高等学校]]、「一中→一高→帝大」などと喧伝された[[東京都立日比谷高等学校|府立一中]]などの[[ナンバースクール]]をはじめとする官公立([[官立]]・[[公立]]の)[[旧制中学校]]、「[[御三家]]」と呼ばれた[[文京区立誠之小学校|誠之小]]・[[千代田区立番町小学校|番町小]]・[[千代田区立麹町小学校|麹町小]]などの官公立[[旧制小学校]]<ref>『日本の母子関係:その心理的な問題』[[津留宏]]著 黎明書房 1958、p43(改題「古い母・新しい母」)</ref><ref>『総理の乳母:安倍晋三の隠された原風景』[[七尾和晃]]著 創言社 2007、p61-p63</ref>の出身者がまず筆頭に挙げられる。また、時にそれ以上の権勢を振るった存在として[[陸軍幼年学校]]→[[陸軍士官学校 (日本)|陸軍士官学校]]→[[陸軍大学校]](及び[[陸軍砲工学校]]や[[東京帝国大学|東京帝大]]等の[[学士号]]以上)や、[[海軍兵学校 (日本)|海軍兵学校]]成績優秀者(→[[海軍大学校]])出身者が知られている。
同様に明治期には[[三菱財閥]]が幹部育成機関たる[[三菱商業学校]](明治義塾)を設立する。以降も、[[東京商科大学 (旧制)|東京商科大学]]などの[[旧三商大]]、工業・実業系から師範・芸術系まで多岐にわたって設立たれた[[旧制専門学校]]、主に法科・実業系の学
こういったいわゆる“一流大学”卒のエリートが社会を主導する、[[学歴]]主義と呼ばれる身分秩序ともいうべき組織・序列が、特に第一次世界大戦後にわが国の官界や産業界の中に作られていった。現在でも、政府中枢、法曹、学会、有名民間企業幹部などは、東京大学などのいわゆる"一流大学卒業生"により占められている。学歴は社会的地位を得るための[[同値#概要|必要条件]]ではないにしても非常に有力な条件を与えるものとして、こうした体制の功罪はともに大きい<ref name=gakure>参照は、『事典 日本の課題』([[総合研究開発機構]]編、[[学陽書房]]、1978年初版)pp.607-608</ref> 。
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