「練習曲 (カイザー)」の版間の差分

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[[ハインリヒ・エルンスト・カイザー]]による[[ヴァイオリン]]'''[[練習曲]]'''集、作品番号20の[[ヴァイオリン]]練習曲集。全体で36曲があり、おおむね12曲ずつ3巻に分かれている。
== 特徴 ==
*重音奏法はほとんどない。練習曲としての体裁がある点は[[練習曲 (セヴシック)|セヴシックの練習曲]]と異なり、一定の音楽性も持つ。しかし同じ音形を繰り返して学習させるため、楽曲としてはやや冗長。
 
*日本では単独で練習に用いられる場面もあるが、[[篠崎弘嗣]]の教本では優美なヴァイオリン小品の中に随時おりまぜている。
**練習者に苦痛・退屈な感情を持たせないで、技巧を習得させる配慮をしている。また冗長だという指摘に答え、一部省略を指示するなど、実際的な教授に適した編集をしがなされている。
 
== 楽曲 ==
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*35番:ニ長調:三連符と転調の練習。
*36番:ロ短調:滑らかな[[スラー]]奏法と円滑な左手運指の練習。
 
== 他の練習曲との関係 ==
*[[42の奇想曲もしくは練習曲|クロイツェルの練習曲集]]は後半に重音奏法(一度に複数の弦を鳴らし和声的な演奏効果を得る奏法)の多く含まれる楽曲がある。重音奏法は訓練が必要なので、難易度に差は付け難い
*[[オタカール・シェフチーク|セヴシック]]による練習曲集や、[[ヤン・フジマリー|フリマリー]]による音階に特化した教本と比べると、単調・冗長にすぎないよう工夫されており、一定の音楽性を併せ持つ。
**重音奏法は訓練が必要なので、カイザーの本曲が簡単な印象を与えるが、実際の難易度はほぼ同じである。むしろクロイツェル練習曲のほうが簡潔で弾きやすく、教授者の選択に苦労の跡がある。
*フリマリー教本は音階だけの単純なものが内容の大半を占める。一定の音楽的形式に配慮しながら練習曲として整える難しさから、練習曲ではなく旋律の美しい曲を適当に[[編曲]]した教本([[フーゴー・ゼーリング]]:ドイツ語の原題:Hugo Seiling)もあり、使用する教本のタイトルだけで奏者の演奏水準を推し量ることは無理がある。
 
== 外部リンク ==