「Quartz」の版間の差分

'''Quartz'''（クオーツ）は、[[アップル インコーポレイテッド(企業)|アップル]]の[[オペレーティングシステム]] {{lang|en|[[OS X|Mac OS X]]}} の描画コアエンジン。前身である {{lang|en|[[NeXT]]}} の [[Display PostScript|DPS]] に代わり、[[Portable Document Format|PDF]] ベースの描画モデルを採用したもの。三次[[ベジェ曲線]]を描画プリミティブとするベクトル型システムで、{{lang|en|[[QuickDraw]]}} との互換性はない。なお、QuickDrawは[[Carbon]]アプリケーションの互換性のため {{lang|en|Mac OS X}} にも残されている。

細かく言うと、アプリケーションで個々のバッファに描画を行なうプリミティブは {{lang|en|[[Quartz 2D]]}} と呼び、それらを最終的に[[Graphics Processing Unit|GPU]]のフレームバッファに合成する部分は {{読み仮名|{{lang|en|[[Quartz Compositor]]}}|クオーツ・コンポジター}}という。単に {{lang|en|Quartz}} という場合は大抵 {{lang|en|Quartz 2D}} の事である。現在の {{lang|en|Quartz}} の構造では、{{lang|en|Quartz 2D}}、{{lang|en|[[QuickDraw]]}}、{{lang|en|[[OpenGL]]}}、{{lang|en|[[QuickTime]]}} の各出力が最終的に {{lang|en|Quartz Compositor}} によって画面に描画される形になっている。

{{lang|en|Quartz}} の機能は、{{lang|en|[[Objective-C]]}} からは {{lang|en|[[Cocoa]] API}} を通して、また C/C++ 言語からは {{lang|en|[[Carbon]] API}} を通して利用できる。またアップルは {{lang|en|Quartz}} の[[スクリプト言語]][[言語バインディング|バインディング]]のひとつとして {{lang|en|[[Python]]}} のバインディングを公式に用意している。

*[[オブジェクト指向]]の [[アプリケーションプログラミングインタフェース|API]]

*[[Unicode]]に対応した多国語文字描画ルーチン ([[ATSUIApple Type Services for Unicode Imaging]])

{{lang|en|[[Mac OS X v10.2]]}}（ ({{lang|en|Jaguar}}）) 以降では、環境に応じて [[Graphics Processing Unit|ビデオチップ]]GPUのジオメトリ演算ユニットを使って、 [[CPU]] の負荷を軽減する {{lang|en|'''[[Quartz Compositor|Quartz Extreme]]'''}} が実装された。これは {{lang|en|Quartz Compositor}} のバッファ合成をGPU内部で行なうシステムであり、これにより {{lang|en|OpenGL}} との混在描画も可能となった。

{{lang|en|[[Mac OS X v10.4]]}}（ ({{lang|en|Tiger}}）) ではビデオチップGPUの[[プログラマブルシェーダ]]を使って、描画演算をほぼ全てビデオチップ内で実行できる {{lang|en|Quartz 2D Extreme}}（{{lang|en|[[Mac OS X v10.5]]}}、{{lang|en|Leopard}}）)で {{lang|en|[[QuartzGL]]}} に名称変更)）が隠し機能として搭載されている（多くの不具合を抱えたまま実装されオフにされており、正式にはサポートされていない）。

{{要出典範囲|DPSから {{lang|en|Quartz}} へと実装が変更された理由は、一説には[[アドビシステムズ|Adobe]]社のライセンス料が高額だったためといわれていた。しかし、実際にはDPSでは機能が足りず、現代的な描画システムとしてふさわしいリッチなものが必要であったことが主な理由である。|date=2015年12月}}

{{DEFAULTSORT:くおつQuartz}}

[[Category:Mac OS|Quartzグラフィックライブラリ]]

[[Category:グラフィックライブラリ|QuartzOS X]]