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{{mapplot|138.727365|35.360628|富士山の位置}}
<!-- [[fileファイル:Rename me, please!Mt.jpg|thumb|250px|right|[[富士山本宮浅間大社]] 富士山頂上奥宮]] -->
本記事では[[富士山]]への[[登山]]に関して解説する。
 
==概要==
;歴史
[[Fileファイル:Fuji pilgrim hokusai.jpg|thumb|250px|江戸時代の富士登山。浮世絵「冨嶽三十六景 諸人登山」。北斎画。]]
:富士登山は古来より、霊峰信仰として行われた。[[平安時代]]の貴族で学者の[[都良香]]が記した『[[富士山記]]』には[[富士山]]頂上の実情に近い風景描写がある。これは、良香本人が登頂、または実際に登頂した者に取材しなければ知り得ない記述であり、富士登山の歴史的記録として重要である。[[江戸時代]]には関東地方を中心に[[富士講]]が流行し、信仰目的の登山が増加した。観光目的の登山は[[明治期]]以降に盛んになった<ref>[http://www.fujiyama-navi.jp/fujitozan/appeal/page/tozan/ 毎夏約30万人を魅了する富士登山|富士山に登ろう]</ref>。
:初の女性登頂者は[[小谷三志|高山たつ]](1832年10月下旬)<ref>[https://www.fujisan-net.jp/data/article/1041.html 富士山に初めて登った日本人女性は変装していた|富士山NET]</ref>、初の外国人登頂者は英国公使[[ラザフォード・オールコック]](1860年7月)、初の外国人女性登頂者は英国公使[[ハリー・パークス]]夫人(1867年10月)である<ref>[http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/jimusyo/fujiazami/fujiazami_64/fa64-2.html ふじあざみ64号(2)|富士砂防事務所]</ref>。
 
; 登山ルート
[[fileファイル:HujiΣ.JPG|thumb|250px|五合目以上の富士山(北西斜面、標高約2300mから)]]
[[fileファイル:Hasshinpo of Mt.Fuji 18.jpg|thumb|250px|富士山最高峰[[剣ヶ峰 (富士山)|剣ヶ峰]]]]
: 現在使用されている[[登山道]]には[[静岡県]]側の「富士宮ルート」・「須走ルート」・「御殿場ルート」、[[山梨県]]側の「吉田ルート」の4ルートがある。登山者の約六割は吉田ルートを使用する<ref>[http://kanto.env.go.jp/to_2016/post_67.html 平成28年夏期の富士山登山者数の中間発表(第1回)について(お知らせ)|関東地方環境事務所]</ref> 。いずれのルートも'''登山の知識と経験、装備が欠かせない<ref name=official>[http://www.fujisan-climb.jp/basic/index.html 登山の前に必ず知っておくこと|富士登山オフィシャルサイト]</ref>。'''
 
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[[fileファイル:Fujisan Goraikou.JPG|thumb|250px|right|吉田口八合目よりご来光を望む]]
 
上記の所要時間は目安に過ぎない。また、混雑時(ご来光前後やお盆時期など)は渋滞でさらに時間がかかる。各登山ルートを登りきった場所([[お鉢巡り]]ルートとの合流点)を「頂上」または「山頂」と呼んでいるが、これらは標高3,776mの富士山最高地点の[[剣ヶ峰 (富士山)|剣ヶ峰]]とは異なる場所である。各登山口の頂上又は山頂に到達しても、剣ヶ峰には行かない登山者も多い。{{Main2|剣ヶ峰への経路については、[[剣ヶ峰 (富士山)#剣ヶ峰への到達]]を}}
 
===吉田ルート===
[[fileファイル:Mt.Fuji Horse.jpg|thumb|250px|right|富士スバルライン五合目ではレジャー化が進み、馬を使った観光業も見られる]]
[[山梨県]][[鳴沢村]]・[[富士吉田市]]の富士スバルライン五合目を出発し、富士山北側から山頂を目指すルート<ref name=yoshida>[http://www.fujisan-climb.jp/trails/yoshida/index.html 吉田ルート|富士登山オフィシャルサイト]</ref>
。登山口の標高は2305m。六合目で[[吉田口登山道]]と、本八合目で須走ルートと合流する。頂上には[[久須志神社]]がある。全登山者の六割以上がこのルートを利用する。吉田口登山道として世界文化遺産に登録されている。
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:: [[横浜駅]]から3時間10分([[相鉄バス]]・[[フジエクスプレス]])
:: [[センター北駅]]から3時間16分([[東急トランセ]]・[[富士急湘南バス]])
:: [[東京国際空港|羽田空港]]から3時間32分([[京浜急行バス]]・[[富士急山梨バス]])
 
=== 富士宮ルート ===
[[fileファイル:Fujisancho-postoffice.jpg|thumb|250px|[[富士山頂郵便局]]<br/>このポストに投函された郵便物には[[風景印]]が押される]]
[[fileファイル:Fujitozan-bus.jpg|thumb|250px|登山バス(富士山本宮浅間大社横にて)]]
[[静岡県]][[富士宮市]]の富士宮口五合目を出発し、富士山南側から山頂を目指すルート<ref name=fujinomiya>[http://www.fujisan-climb.jp/trails/fujinomiya/index.html 富士宮ルート|富士登山オフィシャルサイト]</ref>。登山口の標高は2380m。頂上には[[富士山本宮浅間大社|浅間大社奥宮]]がある。静岡県側では最も利用者が多い。[[大宮・村山口登山道]]として世界文化遺産に登録されている。富士山古来の登山道である。
 
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=== 須走ルート ===
[[Fileファイル:Forest in Mt.Fuji 05.jpg|thumb|250px|樹林に覆われた5合目付近の登山道]]
[[Fileファイル:Mt.Fuji from Subashiri Trail 04.jpg|thumb|250px|6合目の手前より山頂を仰ぐ]]
[[静岡県]][[小山町]]の須走口五合目を出発し、富士山東側から山頂を目指すルート<ref name=subashiri>[http://www.fujisan-climb.jp/trails/subashiri/index.html 須走ルート|富士登山オフィシャルサイト]</ref>。登山口の標高は1970m。本八合目で吉田ルートと合流する。頂上には[[久須志神社 (富士山)|久須志神社]]がある。[[須走口登山道]]として世界文化遺産に登録されている。古来からの登山道である。
 
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== 山小屋 ==
[[fileファイル:Fujiyoshidaguchi.jpg|thumb|250px|吉田ルート・須走ルート上の山小屋群]]
[[fileファイル:PICT0086.JPG|thumb|250px|吉田ルート山頂の様子]]
ほとんどの山小屋は簡易宿泊所の性質が強く、必要最低限の機能しか備えていない<ref name=yamagoya>[http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/mountain_hut.html 山小屋情報|富士登山オフィシャルサイト]</ref>。ゆえに過剰な期待は禁物である<ref name=yamagoya/>。
 
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=== 宿泊 ===
[[fileファイル:Fuji662.jpg|thumb|250px|九合目表口(静岡県側)の標示と公衆トイレ]]
 
; 予約制
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== その他 ==
[[fileファイル:120824 Kagefuji.jpg|thumb|250px|影富士]]
 
=== マイカー規制 ===
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=== 皇太子の富士登山 ===
[[fileファイル:富士山赤岩八合館.JPG|thumb|250px|御殿場口・7合9勺に位置する山小屋・赤岩八合館。2008年に[[皇太子徳仁親王]]が富士登山を行った際の宿泊地となった。]]
[[2008年]][[8月7日]]〜[[8月8日]]に、登山を趣味とする[[皇太子徳仁親王]]が20年ぶりに富士登山を行った。1988年にも富士登山を試みたものの途中で悪天候で引き返したが、天候にも恵まれ山頂まで到達できた。富士宮口五合目から登山を開始し、混雑する富士宮口登山道から新六合目で分かれて[[宝永山]]に到着後に御殿場口登山道に入り<ref>登山者が少なく警備が簡単で、多くの登山者に影響を与えることの少ないため</ref>、御殿場口7.9合目の山小屋(赤岩八合館)に1泊した後、翌朝6時30分頃、無事登頂と[[お鉢巡り]]を行った。下山は御殿場口の大砂走り経由で、そのまま御殿場口新五合目まで下り、昼までに下山を完了した。<ref>産経ニュース 2008.8.8 08:26</ref>
 
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=== お鉢巡り ===
[[Fileファイル:Hasshinpo of Mt.Fuji 40-2.jpg|thumb|250px|剣ヶ峰より見た富士山の[[八神峰]](山頂の峰々)と大内院(火口)]]
お鉢巡りとは、富士山山頂の火口を一周することである。富士山は山頂(登山道を登りきった場所)まで登って下山する登山者が多く、お鉢巡りはあまり多くない。時間と体力があり、天候に恵まれていないと実行は難しい。残雪が多い年はお鉢巡りルートに雪があるため、途中までしか行けないことがある。
{{main|お鉢巡り}}
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[[富士山頂郵便局]]で投函された郵便物には基本的には[[風景印]]が押印される。窓口に出された郵便物だけでなく、局前のポストに投函された郵便物でも風景印が押印される。窓口では登山証明書も発行している。
 
[[Fileファイル:Fuji663.jpg|thumb|250px|金剛杖に焼印を押す様子]]
 
=== 金剛杖と焼印・刻印 ===
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登山シーズン中は山小屋に臨時の基地局が置かれるうえ、多くの場所では麓からの電波も受信できるため、[[NTTドコモ]]、[[au (携帯電話)|au]]、[[ソフトバンク]]などが利用可能<ref>[http://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/tokai/page/090715_00.html 地域からのお知らせ(東海) : 富士山頂でも携帯電話がご利用可能に | お知らせ | NTTドコモ]</ref><ref name="au_05aun_info_20120711143647.html">[http://www.au.kddi.com/news/05aun/information/au_05aun_info_20120711143647.html 富士山の山頂におけるauサービスエリア拡充について]</ref>。全キャリア LTE も対応<ref>[http://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2013/07/11_00.html 富士山において「Xi」サービスを提供開始]</ref><ref>[http://www.softbank.jp/mobile/info/personal/news/service/20130710a/ 富士山頂において、iPhone 5 でLTEがご利用いただけます]</ref>。ただし、山頂の火口側など、山小屋からの電波も麓からの電波も届きにくい場所では電波が極めて弱く、圏外になることがある。auは旧富士山測候所に基地局がある<ref name="au_05aun_info_20120711143647.html"/>。山小屋ではコンセントの数は限られており、借用は原則認められないためコンセントでの充電は行えない。市販の携帯電話用[[充電器]](マルチソーラーチャージャーなど)の持ち込みが必要になる。
 
[[Fileファイル:Fujisanburu-1.jpg|thumb|250px|荷揚げのブルドーザー]]
 
=== 物資の運搬 ===
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{{富士山の地理}}
 
{{DEFAULTSORTデフォルトソート:ふしとさん}}
[[Category:富士山]]
[[Category:登山]]