「学校群制度」の版間の差分

[[東京都]]では、学校群制度導入の必然（学校群内各校の学力が均等になるように合格者を割り振るため）として、[[東京大学|東大]]合格者数1位を記録していた[[東京都立日比谷高等学校|日比谷]]をはじめ[[東京都立西高等学校|西]]、[[東京都立戸山高等学校|戸山]]、[[東京都立新宿高等学校|新宿]]、[[東京都立小石川高中等教育学校|小石川]]、[[東京都立両国高等学校・附属中学校|両国]]、[[東京都立小山台高等学校|小山台]]、[[東京都立上野高等学校|上野]]などの名門[[都立高等学校|都立高校]]の[[東京大学]]をはじめとする難関大学への進学実績が低下し、特に日比谷では急速かつ極端に落ち込んだ。一方で、名門都立高校と同じ学校群を構成した[[東京都立青山高等学校|青山]]、[[東京都立富士高等学校・附属中学校|富士]]、[[東京都立国立高等学校|国立]]などの進学実績は急速に上昇した。この制度導入以降、都立高校全体の難関大学進学実績は長期低落に向かった<ref>学校群制度導入以前の1951～56・61年、[[東京大学|東大]]合格者トップ10に都立高校が7校入っていた。1961年の合格者数は、[[東京都立日比谷高等学校|日比谷]]166（1位）、[[東京都立戸山高等学校|戸山]]115（2位）、[[東京都立西高等学校|西]]106（3位）、[[東京都立新宿高等学校|新宿]]99（4位）、[[東京都立小石川中等教育学校|小石川]]81（5位）、[[東京都立両国高等学校・附属中学校|両国]]58（7位）、[[東京都立小山台高等学校|小山台]]41（9位）であった（カッコ内は順位。6位[[筑波大学附属中学校・高等学校|教大附]]70名、8位[[麻布中学校・高等学校|麻布]]50名、10位[[神奈川県立湘南高等学校|湘南]]40名）。また、[[東京都立小山台高等学校|小山台]]が[[東京工業大学]]、[[東京都立立川高等学校|立川]]が[[一橋大学]]の合格者数1位を続けていた。</ref>。

**都立の特権進学校をなくし八ヶ岳的に進学実績がなだらかになることを狙ったものといわれているが、国立や私立高校、ひいては私立中学へ[[受験生]]が流出し都立高校の進学実績が全般的に低下することになった。また、これ以降、15歳どころか12歳の春を泣かせることになり受験競争の年齢が更さらに下がることになった。あるいは当初の多様性を狙いとするのなら国私立も含めた大枠からの施行であるべきところ、単に国私立の特権校を作り出しただけだ、などとの批判も根強く、学校群施行前から指摘されていた。つまり[[社会科学]]的見地からも選択肢の多い[[東京]]など[[大都市圏]]では特にその実効性を上げ難いことがいわれていた<!-- 『むかし〈都立高校〉があった』（奥武則、平凡社）や、“右寄り”かもしれませんが、小室直樹の偏差値・教育関連の本など。 -->。<br>内申点の重視は、中学生の部活動加入を高め、また偏差値による輪切りが見られるようになるなど、[[戦後民主主義]]の思想的潮流と同時に当時の[[管理教育]]の時代背景があることも見逃せない<ref>文部省と[[日本教職員組合]]は、表面的には対立していたが、裏面では[[集産主義|集権]]的管理、統制体制固持では完全に一体化ないし癒着していたと、[[香山健一]]や[[寺脇研]]は述べている 『日本の戦後 {{small|下}}』（[[田原総一朗]]、[[講談社]]、2005年7月） P242、P247</ref>。

**11群　[[東京都立日比谷高等学校|日比谷]]　、[[東京都立九段高等学校|九段]]　、[[東京都立三田高等学校|三田]]

**12群　[[東京都立赤坂高等学校|赤坂]]　、[[東京都立城南高等学校|城南]]　、[[東京都立八潮高等学校|八潮]]

**13群　[[東京都立大崎高等学校|大崎]]　、[[東京都立南高等学校|南]]　、[[東京都立雪谷高等学校|雪谷]]

**14群　[[東京都立小山台高等学校|小山台]]　、[[東京都立田園調布高等学校|田園調布]]

**15群　[[東京都立大森高等学校|大森]]　、[[東京都立羽田高等学校|羽田]]

**91群　[[東京都立一橋高等学校|一橋]]　、[[東京都立忍岡高等学校|忍岡]]　、[[東京都立竹台高等学校|竹台]]

**21群　[[東京都立新宿高等学校|新宿]]　、[[東京都立駒場高等学校|駒場]]

**22群　[[東京都立戸山高等学校|戸山]]　、[[東京都立青山高等学校|青山]]

**23群　[[東京都立広尾高等学校|広尾]]　、[[東京都立大学附属高等学校|都立大学附属]]　、[[東京都立目黒高等学校|目黒]]

**24群　[[東京都立桜町高等学校|桜町]]　、[[東京都立玉川高等学校|玉川]]　、[[東京都立深沢高等学校|深沢]]

**25群　[[東京都立千歳高等学校|千歳]]　、[[東京都立千歳丘高等学校|千歳丘]]　、[[東京都立松原高等学校|松原]]　、[[東京都立明正高等学校|明正]]

**92群　[[東京都立赤城台高等学校|赤城台]]　、[[東京都立文京高等学校|文京]]　、[[東京都立向丘高等学校|向丘]]

**31群　[[東京都立武蔵丘高等学校|武蔵丘]]　、[[東京都立鷺宮高等学校|鷺宮]]　、[[東京都立練馬高等学校|練馬]]

**32群　[[東京都立西高等学校|西]]　、[[東京都立富士高等学校・附属中学校|富士]]

**33群　[[東京都立豊多摩高等学校|豊多摩]]　、[[東京都立杉並高等学校|杉並]]　、[[東京都立荻窪高等学校|荻窪]]

**34群　[[東京都立大泉高等学校・附属中学校|大泉]]　、[[東京都立石神井高等学校|石神井]]　、[[東京都立井草高等学校|井草]]

**41群　[[東京都立小石川高中等教育学校|小石川]]　、[[東京都立竹早高等学校|竹早]]

**42群　[[東京都立北園高等学校|北園]]　、[[東京都立豊島高等学校|豊島]]　、[[東京都立板橋高等学校|板橋]]

**43群　[[東京都立大山高等学校|大山]]　、[[東京都立北野高等学校|北野]]　、[[東京都立志村高等学校|志村]]

**44群　[[東京都立北高等学校|北]]　、[[東京都立城北桐ケ丘高等学校|城北]]

**92群　文京　、向丘　、赤城台

**51群　[[東京都立京橋高等学校|京橋]]　、[[東京都立日本橋高等学校|日本橋]]　、[[東京都立紅葉川高等学校|紅葉川]]

**52群　[[東京都立上野高等学校|上野]]　、[[東京都立白鴎高等学校・附属中学校|白鴎]]

**53群　[[東京都立江北高等学校|江北]]　、[[東京都立足立高等学校|足立]]

**91群　忍岡　、竹台　、一橋

**61群　[[東京都立両国高等学校・附属中学校|両国]]　、[[東京都立墨田川高等学校|墨田川]]　、[[東京都立小松川高等学校|小松川]]

**62群　[[東京都立本所高等学校|本所]]　、[[東京都立葛飾野高等学校|葛飾野]]　、[[東京都立南葛飾高等学校|南葛飾]]

**63群　[[東京都立深川高等学校|深川]]　、[[東京都立東高等学校|東]]

**64群　[[東京都立江戸川高等学校|江戸川]]　、[[東京都立小岩高等学校|小岩]]

**71群　[[東京都立南多摩高等学校|南多摩]]　、[[東京都立富士森高等学校|富士森]]　、[[東京都立日野高等学校|日野]]

**72群　[[東京都立立川高等学校|立川]]　、[[東京都立国立高等学校|国立]]

**73群　[[東京都立北多摩高等学校|北多摩]]　、[[東京都立昭和高等学校|昭和]]

**74群　[[東京都立武蔵高等学校・附属中学校|武蔵]]　、[[東京都立三鷹高等学校|三鷹]]

**75群　[[東京都立府中高等学校|府中]]　、[[東京都立神代高等学校|神代]]

**76群　[[東京都立小平高等学校|小平]]　、[[東京都立久留米高等学校|久留米]]

**[[千葉県立千葉中学校・高等学校|千葉]]　、[[千葉県立千葉女子高等学校|千葉女子]]　、[[千葉県立千葉東高等学校|千葉東]]　、[[千葉県立千葉南高等学校|千葉南]]　、[[千葉市立高等学校|千葉市立]]<!--学校群当時の名称は千葉市立高校です-->

**[[千葉県立船橋高等学校|船橋]]　、[[千葉県立船橋東高等学校|船橋東]]　、[[千葉県立薬園台高等学校|薬園台]]　、[[船橋市立船橋高等学校|市立船橋]]　、[[習志野市立習志野高等学校|市立習志野]]　、[[千葉県立八千代高等学校|八千代]]

**[[千葉県立国府台高等学校|国府台]]　、[[千葉県立国分高等学校|国分]]　、[[千葉県立鎌ケ谷高等学校|鎌ケ谷]]

*東京都の学校群が「[[東京都立日比谷高等学校|日比谷]]潰し」と呼ばれたのに対し、愛知県の学校群は、「[[愛知県立旭丘高等学校|旭丘]]潰し」と位置づけることができる。しかし、名古屋市では当初案の単純学校群ではなく複合学校群が採用されたことで、[[愛知県立旭丘高等学校|旭丘高校]]と名古屋2群を組んだ[[愛知県立千種高等学校|千種高校]]が、これまた伝統校の[[名古屋市立菊里高等学校|市立菊里高校]]と名古屋1群を組んだことによりにわかに進学校化し、2群を受検し合格すれば千種高校か旭丘高校のどちらかには必ず入学できたため、旭丘高校の進学実績や社会的評価が大幅に低下することはなかった。これは、東京のように国私立の有力難関校が少なかったことも一因である。旭丘高校の組み合わせのもう一方の名古屋3群は名古屋市最北部に立地し交通の便が良いとは言いえない市立北高校と組んだものの、常に1.3倍以上の一次志願がありダントツの人気があった。進学実績に関しては1群・2群から振り分けられた生徒が通う千種高校が県内の高校でトップの進学実績をたたき出すこととなった。

*一部の生徒は他地域と同様に、「どちらの高校に振り分けられるか分からない」学校群を避けるようになり、尾張地方では、名古屋市内・近郊の[[愛知県立五条高等学校|五条高校]]、[[愛知県立西春高等学校|西春高校]]、[[愛知県立旭野高等学校|旭野高校]]、[[愛知県立春日井高等学校|春日井高校]]、[[名古屋市立名東高等学校|市立名東高校]]、西三河地方では[[愛知県立安城東高等学校|安城東高校]]、[[愛知県立知立東高等学校|知立東高校]]といった単独選抜の公立校や、私立[[日本の中高一貫校|中高一貫校]]の[[東海中学校・高等学校|東海高校]]、[[滝中学校・高等学校|滝高校]]などが躍進・台頭した。また、東三河地方では豊橋市南郊に所在の豊橋南高校への配分を避けたい思惑から、[[愛知県立蒲郡東高等学校|蒲郡東高校]]へ成績上位者が進学する動きも生じた。

*学校群廃止後、予想されたことではあったが、学校群制度導入により大躍進した千種高校、中村高校、[[愛知県立岡崎北高等学校|岡崎北高校]]、[[愛知県立刈谷北高等学校|刈谷北高校]]の入試難易度は易化し、進学実績は再び落ち込んだが、その程度には差が見られる。もっとも、[[愛知県立豊橋南高等学校|豊橋南高校]]のように、進学実績は再び落ち込んだものの、中間学力層にはかえって地元（豊橋市南部）にお手頃な入試難易度の公立普通科高校ができて良かった、という功罪相半する高校もある。また、<!--[[愛知県立豊橋東高等学校|豊橋東高校]]のように学校群廃止後に廃止前より躍進した伝統校がある一方、-->すべての伝統校の入試難易度・進学実績が回復したかと言いうと、必ずしもそうはなっていない。

**名古屋1群　 [[名古屋市立菊里高等学校|市立菊里]]　、[[愛知県立千種高等学校|千種]]

**名古屋2群　 千種　、[[愛知県立旭丘高等学校|旭丘]]

**名古屋3群　 旭丘　、[[名古屋市立北高等学校|市立北]]

**名古屋4群　 市立北　、[[愛知県立名古屋西高等学校|名古屋西]]

**名古屋5群　 名古屋西　、[[愛知県立中村高等学校|中村]]

**名古屋6群　 中村　、[[愛知県立明和高等学校|明和]]

**名古屋7群　 明和　、[[愛知県立松蔭高等学校|松蔭]]

**名古屋8群　 松蔭　、[[愛知県立惟信高等学校|惟信]]

**名古屋9群　 惟信　、[[愛知県立熱田高等学校|熱田]]

**名古屋10群　熱田　、[[愛知県立瑞陵高等学校|瑞陵]]

**名古屋11群　瑞陵　、[[名古屋市立桜台高等学校|市立桜台]]

**名古屋12群　市立桜台　、[[名古屋市立緑高等学校|市立緑]]

**名古屋13群　市立緑　、[[愛知県立昭和高等学校|昭和]]

**名古屋14群　昭和　、[[名古屋市立向陽高等学校|市立向陽]]

**名古屋15群　市立向陽　、市立菊里

**豊橋1群　[[愛知県立時習館高等学校|時習館]]　、[[愛知県立豊橋南高等学校|豊橋南]]

**豊橋2群　[[愛知県立豊橋東高等学校|豊橋東]]　、[[愛知県立豊丘高等学校|豊丘]]

**一宮学校群　[[愛知県立一宮高等学校|一宮]]　、[[愛知県立一宮西高等学校|一宮西]]

**岡崎学校群　[[愛知県立岡崎高等学校|岡崎]]　、[[愛知県立岡崎北高等学校|岡崎北]]

**刈谷学校群　[[愛知県立刈谷高等学校|刈谷]]　、[[愛知県立刈谷北高等学校|刈谷北]]

*岐阜学区1群　[[岐阜県立岐阜高等学校|岐阜]]　、[[岐阜県立長良高等学校|長良]]

*岐阜学区2群　長良　、[[岐阜県立岐山高等学校|岐山]]

*岐阜学区3群　岐山　、[[岐阜県立岐阜北高等学校|岐阜北]]

*岐阜学区4群　岐阜北　、[[岐阜県立加納高等学校|加納]]

*岐阜学区5群　加納　、岐阜

*西濃学区1群　[[岐阜県立大垣北高等学校|大垣北]]　、[[岐阜県立大垣東高等学校|大垣東]]

*西濃学区2群　大垣東　、[[岐阜県立大垣南高等学校|大垣南]]

*西濃学区3群　大垣南　、大垣北

**1群　[[三重県立四日市高等学校|四日市]]　、[[三重県立四日市南高等学校|四日市南]]

**2群　[[三重県立津高等学校|津]]　、[[三重県立津西高等学校|津西]]

**3群　[[三重県立宇治山田高等学校|宇治山田]]　、[[三重県立伊勢高等学校|伊勢]]

三重県では北勢・中勢・南勢にそれぞれ1群・2群・3群を設置。各群には２2校が所属し、学力平準化が図られた。群制度解体と前後して、各校は生き残りをかけてコース（国際科学コース・数理科学コース・自然科学コースなど）を設置し[[個性]]付けを行ったが、それらのコースは公式な言明こそないものの、事実上の[[特進|特進コース]]として機能している<ref name="hl2">川喜田（2005）</ref>。

*第一学区（[[福井市]]、[[足羽郡]]:現福井市、[[吉田郡]]、[[坂井郡]]:：現・[[あわら市]]及および[[坂井市]]、[[丹生郡]]のうち[[越廼村]]・[[清水町_(福井県)|清水町]]:：共に現・福井市）

**藤島　、高志

*川喜田隆雄（2005） (2005)"「進学校」という物語の中で生きる生徒と教師"高校生活指導（全国高校生活指導研究協議会）.166:80-83.