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== 語源 ==
'''イモムシ'''は、'''芋虫'''の意で、元来は[[サトイモ]]の葉につくセスジスズメやキイロスズメ、[[サツマイモ]]の葉につくエビガラスズメなどの[[芋]]類の葉を食べる[[スズメガ科]]の幼虫を指す言葉である。決してイモのような風貌なのでイモムシなのではない。伝統的な日本人の食生活においてサトイモやサツマイモは[[穀物]]に次ぐ重要な主食作物であった。そのため、これらの葉を食害する巨大なスズメガ科の幼虫は、農村で農耕に携わる日本人がしばしば目とって非常に印象深いする昆虫であった。そのため、イモムシが毛の目立たないチョウやガの幼虫の代名詞として定着するに至ったと考えられる。よく名前の知られたイモムシには、[[ヨトウガ]]類の幼虫である[[ヨトウムシ]]、[[イチモンジセセリ]]等の幼虫で[[イネ]]の害虫である[[ツトムシ]]、[[モンシロチョウ]]の幼虫で[[キャベツ]]等を食害する[[アオムシ]]、[[シャクガ科]]に属するガの幼虫の[[シャクトリムシ]]等がある。
 
== 特徴 ==
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実際に毒を持つものもある。マダラチョウ類は食草に有毒植物を選び、その体内に毒成分を蓄積する。
 
また、体の側面に黒と黄色や白の同心円の模様を持つものがある。これは[[眼状紋]]と言われ、鳥にとっては猛禽捕食者の眼を想像させるため、脅かす効果があるとも言われるが、よく分かっていない。しかし、実験室内で[[ムクドリ]]などを用いた実験では、確かに眼状紋が鳥の忌避反応を引き起こす場合があることが示されているという報告もあり、実際に種によって刺激を受けるとこの模様を誇示する行動が見られるのは確かである。たとえば、[[アケビコノハ]]の幼虫は真っ黒な体側面に眼状紋を並べた細長いイモムシであるが、指でつついたりすると体の前半分を持ち上げて曲げ、そうすると目玉が2つ並んだ部分がひどくはっきり見える。また、スズメガの幼虫では、体の前の方に1対の眼状紋を持つものがあり、刺激すると、体をやや縮め、前半身を激しく左右に振る動作をする。この場合、体をやや縮めることで眼状紋がある部分が幅広くなり、[[マムシ]]の頭を想像させるとも言われる。
 
== 目立つイモムシ ==
人の生活に最も身近であったイモムシは[[カイコ]]であろうが、[[養蚕]]業の衰退に伴い、最近は身近に目にする機会が少なくなっている。
 
モンシロチョウの幼虫は、キャベツなど、[[アブラナ科]]の植物を食べる。緑色をしており、アオムシとも呼ばれる。アゲハチョウの幼虫は[[ミカン]]類の葉を食べる。若齢幼虫は焦げ茶小鳥の糞を連想させる黒と白に塗り分けられた体を持ち、終齢幼虫になると緑色となる。この2つがよく教科書などに取り上げられるイモムシである。
 
道端などでよく目立つのは、体の後端の背中側に1本の角をもつ、[[スズメガ科]]の幼虫である。サツマイモ、サトイモ、[[ヘクソカズラ]]など、身近な植物にいろいろな種がおり、目にする機会が多い。