「平安大将棋」の版間の差分

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U14269 (会話 | 投稿記録)
如是一方如此行方准之の意味が取れないはデマ
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'''平安大将棋'''(へいあんだいしょうぎ)は、[[将棋]]の一種であり、二人で行なう[[ボードゲーム]](盤上遊戯)の一種である。
 
1120年頃の書とされる習俗辞典[[二中歴]]に[[平安将棋]]とともに掲載されている将棋である。この中では単なる「大将棋」という名前であるが、後の15×15マスの[[大将棋]]と区別してこう呼ばれる。
 
== 二中歴の記述 ==
『二中歴』の「第十三 博棊歴」には、以下のような大将棋の記述がある<ref>{{sfn|二中歴3 第十一~第十三(尊経閣善本影印集成)ISBN 4-8406-2316-3 P.118 より引用。</ref>}}
 
<blockquote>
又大将棊十三間云 [[玉将]]各住一方中 [[金将]]在脇 [[銀将]]在金之次 次有[[銀将]] 次有[[銅将]] 次有[[鐵将]] 次有[[香車]] 銅将不行四隅 鐵将不行後三方 又[[横行]]在王之頂方 行前一歩左右不云多少 又有[[猛虎 (将棋)|猛虎]]在銀之頂 行四角一歩 [[飛龍 (将棋)|飛龍]]在桂馬之上 行四隅超越 [[奔車]]在香車之頂 行前後不云多少 [[注人]]在中心歩兵之頂 行前後 如是 一方如此行方准之
</blockquote>
 
読み下すと以下のようになる。銀将の記述が重複しており、桂馬の記述が抜けている。また最後の如是玉将各住一方如此行方准之は意味がから双玉であったと読み取れる一方で書写の際に誤ったもの「玉将」「王」が混在してう説ることから、玉将と王将の区別主流でったとも取れ{{sfn|水野|1998|pp=168, 170}}
 
<blockquote>
また大将棋十三間といわく、玉将はおのおの一方の中に住(じゅ)し、金将は脇にあり、は金の次に銀将あり次に銀将あり、次に銅将あり、次に鉄将あり次に香車あり銅将は四隅に行かず、鉄将は後ろ三方に行かず。また横行は王の頂にありて、一歩に行き、左右は多少いわず行く。また猛虎あり、銀の頂にあり、四角一歩行く。飛龍は桂馬の上にあり、四隅に行き超越して行く。奔車は香車の頂にあり、前後に行くこと多少いわず行く。注人は中心歩兵の頂にあり、前後に行くこと是のごとし。一方此のごとく行方是に準ぜよ
</blockquote>
 
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* 縦横13マスずつに区切られた将棋盤の上で行う。
* 駒は、[[平安将棋]]の6種類に[[銅将]]・[[鉄将]]・[[横行]]・[[猛虎 (将棋)|猛虎]]・[[飛龍 (将棋)|飛龍]]・[[奔車]]・[[注人]]を加えた13種類あり、それぞれ動きが決まっている。なお[[中将棋]]・[[大将棋]]と同じ名前の駒もあるが、全て動きが異なる。
* 敵陣に関する平安将棋の記述はないがに準じおそらく相手から見て敵陣3段目までに入れば玉将・金将以外のどの駒も金将に成れる<ref>ただし、[[岩手県]][[平泉町]]の[[志羅山]]遺跡の第88次発掘において、表裏とも「飛龍」と読める駒状の木片が出土している(『天童の将棋駒と全国遺跡出土駒』2003年、天童市将棋資料館。2002年平泉町教育委員会発行の資料を参考にしたとある)。</ref>。
* 本将棋とは違い、捕獲し取った駒を自らの[[持ち駒]]にはできない。
* 本将棋と同様に敵の玉将を詰めるますと勝ちとなるが、敵を玉将だけにしても勝ちである。
 
=== 初期配置図 ===
==== 通説 ====
現在一般的な説での初期配置図である。
 
{|border="2" cellspacing="0" style="text-align:center"
|▽香車||▽桂馬||▽鉄将||▽銅将||▽銀将||▽金将||▽玉将||▽金将||▽銀将||▽銅将||▽鉄将||▽桂馬||▽香車
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==== 新説 ====
上の初期配置が不自然であるとして、最近新たに提唱されたもの{{要出典|date=2016年10月}}
 
{|border="2" cellspacing="0" style="text-align:center"
|▽香車||▽桂馬||▽鉄将||▽銅将||▽銀将||▽金将||▽玉将||▽金将||▽銀将||▽銅将||▽鉄将||▽桂馬||▽香車
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=== 駒の動き ===
[[平安将棋]]と共通している[[玉将]]・[[金将]]・[[銀将]]・[[桂馬]]・[[香車]]・[[歩兵 (将棋)|歩兵]]は省略。
 
成り駒についての記述はされていないが、全て[[金将]]に成ると考えられている。動きの説明は原著に沿う。
 
* ○はその位置に動ける。
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|}
 
飛龍の動きについては、通説では上の表のように現代将棋の[[角行]]と同じ動きであるが、「斜めに1マス飛んで2マス目に進む」という説も最近提唱されている{{要出典|date=2016年10月}}
 
== 関連項目 ==
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== 脚注 ==
<div class="references-small"><references/></div>
 
== 参考文献 ==
* {{cite book ja-jp|year=1318-1339|chapter=第十三 博棊歴|title=二中歴|volume=3|edition=尊経閣善本影印集成|origyear=1220-1221|isbn=4-8406-2316-3|page=118|ref={{sfnref|二中歴}}}}。
* {{cite book ja-jp|author=水野 和雄|year=1998|chapter=輸入された娯楽|editor2=大塚初重|title=芸術・学芸とあそび|series=考古学による日本歴史|volume=12|isbn=4-639-01497-X|pages=166-178|ref={{sfnref|水野|1998}}}}。
 
{{将棋類}}
 
{{DEFAULTSORT:へいあんたいしようき}}
[[Category:将棋類]]