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== 深海魚の利用 ==
[[ファイル: Oilfish.jpg|thumb|left|[[バラムツ]] ''Ruvettus pretiosus'' (クロタチカマス科)。スポーツフィッシングの対象になる大型魚。体にワックス分を多量に含み、日本では食用としての販売が禁じられている]]
日常生活とは縁遠い印象がある深海魚だが、食用とされる種類は多い<ref name=Amaoka196-203>『深海魚 暗黒街のモンスターたち』 pp.196-203</ref>。[[アンコウ]]・[[タチウオ]]・[[ムツ]]・[[キンメダイ]]・[[スケトウダラ]]・[[オヒョウ]]・[[ハタハタ]]などは、いずれも水深数百mの深海域に生息する。漁獲対象となる有用種はツノザメ目・[[エイ目]][[タラ目]]・キンメダイ目・[[カレイ目]]・[[スズキ目]]など、ほとんどの場合底生性の深海魚である<ref name=Randall83-99/>。海底付近を活発に遊泳する捕食魚は、その運動量を支えるための筋肉を発達させているのに対し、中層を漂泳する深海魚は高圧下で浮力を確保するために体全体を水っぽくしたり、過剰な脂肪を蓄えたりしていることが多い。[[ミズウオ]]は体長1mを超える中深層遊泳性の大型深海魚で、煮ると肉が溶けて無くなることからその名が付けられた<ref>『日本の海水魚』 p.115</ref>。
 
前述の通り、遊泳性深海魚は体内に脂質を蓄えていることが多いが、中には油脂分として[[蝋|ワックス]]を含むものがある。人体ではワックスを消化できないため、これらの魚肉を多量に摂取すると[[下痢]]や腹痛の原因となる<ref>『深海生物ファイル』 pp.118-119</ref>。ワックス分が特に多い[[クロタチカマス科]]の[[バラムツ]]と[[アブラソコムツ]]は、日本では[[食品衛生法]]によって販売が禁止されている<ref>厚生省通達(昭和45年9月4日付 環乳第83号および昭和56年1月10日付 環乳第2号)</ref>。ハダカイワシ類の中でも、日周鉛直移動を行わない一部の種類は体内にワックスを蓄えている<ref name=Saruwatari192/>。