「人工透析」の版間の差分

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腎不全患者の血圧管理は透析導入前と透析導入後でマネジメントが大きく異なる。透析導入前の血圧管理は糸球体内圧の上昇による腎障害の進行を防ぐのが目標であり、塩分制限といった食事療法や降圧剤の投与といったことがされる。降圧剤はガイドラインではACE阻害薬やARBからはじめ、コントロール不良であったら、カルシウム拮抗薬や利尿薬を併用しシナジーを得るようにするように進められている。カルシウム拮抗薬に比べて、その他の降圧薬は効果が出るのに時間がかかるので外来での内服開始後、1週間くらいでは効果が分からないことが多い。降圧剤の選択に関しては腎機能が高度に障害されるとそれ相応の処方の仕方というものがある。[[カルシウム拮抗薬]]は輸入細動脈を拡張させる作用があり、ACE阻害薬やARBは輸出細動脈を拡張させ糸球体内圧を低下させ蛋白尿の減少を行う作用がある。カルシウム拮抗薬は全体の血圧が下がれば悪影響はないと考えられているが、降圧効果不十分であると糸球体内圧を上げ腎障害を進行させるリスクがある。そのためガイドラインでは腎障害時の降圧薬としてはACE阻害薬やARBが推奨されているが、これらの薬は一過性にGFRを低下させる作用もある(代償機能をブロックするため)。そのため高度の腎障害の時に処方開始すると糸球体虚脱を起こすリスクがある。また利尿薬はループ利尿薬とサイアザイド系がよく用いられるが、サイアザイド系は糸球体濾過量が50mL/min以下では全く降圧効果がないため注意が必要である。
 
腎不全が進行すると[[糸球体濾過量]]が低下するため体液量依存性の高血圧が生じる。体液が貯留することで心拍出量が増加し心臓に負荷がかかるため、全身自己調節がはたらき、末梢の血管が収縮し全身の体液量を減らす方向に働く。即ち腎性高血圧は慢性期になると心拍出量は正常化している。人工透析によって心拍出量が低くなるように調節することで末梢の血管は拡張し、血圧、体液量ともに正常化する。このプロセスで安易に降圧薬を投与すると透析中の血圧が低下し、コントロール不良となる。
 
=== 透析患者の高血圧 ===