「タービン発電機」の版間の差分

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冷却方式補足、他
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出力制限と可能出力曲線の記述追加、水素冷却関連添削
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大型の汽力発電所では前段のエネルギーとタービン部分を個別の建物に設置する場合がある。
このタービンを格納する施設は'''タービン建屋'''(タービンたてや)と呼ばれる。
[[美浜発電所]]ではタービン建屋内で蒸気漏れが起こり、運転中の[[原子力発電所]]における死亡事故としては国内初の事例となった。<!--これは、タービン発電機の項よりも原子力発電所あるいは蒸気タービンの項の方が良いのでは?-->
 
タービンの高速回転に対応するため、直結される発電機は直径を小さくし、軸方向に長くしている。
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==水素冷却==
界磁や固定子に大きな電流が流れるタービン発電機において、機器の冷却は重要である。容量100MVA以下のタービン発電機では空気により冷却を行うことも多いが、事業用火力・原子力発電プラントで用いられる容量100~1,000MVA級のタービン発電機では、通常、冷却効果を高めるため、機内に[[水素]]を封入して[[冷媒]]としている。水素を空気と比較した場合の特徴を下記に示す。
 
*熱伝導・熱伝達に優れている。
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*発電機の構成材料(鉄芯・導体・絶縁体等)を酸化劣化させない。
 
水素は可燃性・爆発性の気体であるが、空気や酸素などの助燃性気体が混合しなければ引火や爆発は発生せず、安全上の問題はない。なお、冷却効果や絶縁力の向上とともに機内への空気の入を防止するため、発電機内の水素圧力は大気圧の数倍とされる。また、発電機の開放点検などの際は、機内で水素と空気が混合して爆発性雰囲気となることを避けるため、発電機内の水素を一旦[[二酸化炭素]]で置換し、その後二酸化炭素を空気と置換して水素と空気が直接混じらないようにしている。
 
水素冷却のタービン発電機は、日本では1953年に東京電力潮田発電所3号機(55MW)で初めて導入され、その後タービン発電機の大容量化が進むこととなった。
一方、[[固定子]]の冷却には、水素冷却よりも冷却効果を高めるため、固定子の導体内部に空けた孔に冷却用の純水を通す「固定子直接水冷却」が用いられることが多い。
 
〔参考:火力原子力発電必携 増補改訂第4版--(社)火力原子力発電技術協会〕
 
一方、[[固定子]]の冷却には、水素冷却よりも冷却効果を高めるため、固定子の導体内部に空けた孔に冷却用の純水を通す「固定子直接水冷却」が用いられることが多い。(高電圧が印加される部材を直接水で冷却することは奇異に感じられるかもしれないが、高純度の水は良好な絶縁体である。)
 
==出力制限と可能出力曲線==
 
タービン発電機の運転においては、皮相出力[VA](有効電力[W]と無効電力[var]のベクトル和の絶対値)を、所定の制限値以内に収める必要がある。しかし、負荷の[[力率]]が低い場合、下記の要因によっても制約を受ける。
 
*遅れ力率(誘導性負荷)では、力率が低下するに従い界磁電流を強める必要があるため、界磁巻線の電流制限により、出力は制限を受ける。
 
*進み力率(容量性負荷)では、界磁電流を弱めることとなるが、固定子端部への磁束集中による過熱や、同期化力の減少による脱調を防止するため、出力は制限を受ける。
 
実際のタービン発電機では、上記をまとめたものが可能出力曲線として定められており、運転において考慮すべき重要な事項である。<!--可能出力曲線サンプル作成中-->
 
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