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===悪魔としてのルシファー===
ルシファーの名の悪魔たるゆえんは、旧約聖書「イザヤ書」14章12節にあらわれる「輝く者が天より墜ちた」という比喩表現に端を発する。これはもともと、ひとりのバビロニア王か[[アッシリア]]王([[サルゴン2世]]か[[ネブカドネザル2世|ネブカドネツァル]]であろうと言われる<ref>南條 『「悪魔学」入門』78頁</ref>)について述べたものであった。キリスト教の教父たちの時代には、これは悪魔をバビロニアの王になぞらえたものであり、神に創造された者が堕ちて悪魔となることを示すものと解釈された。堕天使ないし悪魔とされたこの「輝く者」は、ヒエロニムスによるラテン語訳聖書において、明けの明星を指す「ルキフェル」の語をもって翻訳された。以上の経緯をもってルシファー悪魔の抑圧者としての名となったとされる<ref>リンク『悪魔』38-42頁</ref>。
 
美術史家の[[ルーサー・リンク]]は著書『悪魔』の中で、[[サタン]]という言葉とデヴィル([[悪魔]])という言葉はほとんど同じものとして扱われるが、必ずしも初めから軌を一にした言葉ではないと指摘し<ref>リンク『悪魔』33頁</ref>、さらに同様にサタンの同義語として扱われるルシファーについて論を進めている。ルシファーが悪魔の名とされるようになった由来は[[イザヤ書]]の一節の誤読にしか見出せないと述べた詩人シェリーの悪魔論<ref>{{Cite web| url=http://www.autodidactproject.org/other/shelley-athe8.html |author=Percy Bysshe Shelley |title=Essay on the Devil and Devils |publisher=Ralph Dumain/THE AUTODIDACT PROJECT |language=英語 |accessdate=2011-09-02 }}</ref>を引き合いに出し<ref>リンク『悪魔』39頁</ref>、また、ルシファーが天を逐われた経緯を最初に決定づけたのは5世紀の教父たちであったことを多くの人は知らないとして、教父たちの解釈とその背景について論じている<ref>リンク『悪魔』46頁</ref>。