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[[1987年]][[2月23日]]、カミオカンデはこの仕組みによって、[[大マゼラン星雲]]でおきた[[超新星爆発]] ([[SN 1987A]]) で生じたニュートリノを偶発的に世界で初めて検出した。この功績により、[[2002年]][[小柴昌俊]]東大特別栄誉教授は、[[ノーベル物理学賞]]を受賞した。
 
その後も、[[太陽ニュートリノ]]や[[ニュートリノ振動]]の検出、[[レプトン (素粒子)|レプトン]][[フレーバー (素粒子)|フレーバー]]の保存の破れの研究に活用された。
 
== 当初の目的 ==
前述したとおりカミオカンデ建設の当初の目的は、大統一理論の候補の多くが予想する[[陽子#陽子の崩壊|陽子崩壊]]を観測することであった。中でも最もシンプルで有力であったSU(5)理論が正しければ、少なくとも年に数回の陽子崩壊検出が可能なように、さらには外国でも同様の実験が行われていたが、複数予想される崩壊形式の分岐比も測定可能なように設計された。
 
予想される崩壊の中で主なものは、[[陽電子]]と[[パイ中間子]](π{{<sup|>0}}</sup>)への崩壊で、π{{<sup|>0}}</sup>はすぐに2つの[[光子]]に崩壊し、光子はさらに[[電子]]等を散乱したりする。これらの陽電子や電子等の発するチェレンコフ光を観測することにより、陽子崩壊を検出しようとしたのである。
 
SU(5)理論では陽子の寿命は10{{<sup|>30}}</sup>から10{{<sup|>32}}</sup>年と予測されていたが、陽子崩壊は観測されず、陽子の寿命は10{{<sup|>34}}</sup>年以上であることが分った。これによりSU(5)理論は否定され、大統一理論に修正を迫ることになった。
 
修正理論でも寿命は長くなるものの陽子崩壊が予想されているが、実験を受け継いだスーパーカミオカンデにおいて2009年現在でも観測されておらず、陽子の寿命は少なくとも10{{<sup|>33}}</sup>年以上であるとみられている。
 
== 名称の由来 ==