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{{wt|形質}}
== 定義・概要 ==
'''形質'''とは、生物が示し、遺伝によって子孫に伝えられる性質のこと。例えば、植物が対象であ以下に大分さば、次のようなものがある。
* 形、色、大きさなどの外観([[形態学 (生物学) |形態]])として観察される性:形状、サイズ、色など
*[[生態]]形質:生活史、行動など
*[[生理]]形質:耐性、至適温度など
*[[分子生物学|分子]]形質:核型、遺伝子配置、遺伝子型、塩基配列など
 
例えば、植物が対象であれば、次のようなものがある。
* 形、色、大きさなどの外観(形態)として観察される性質
* 花が咲く時期(開花期)など観察できる生理的な性質
* 果実の甘さ(糖含量などの成分)や病気などに対する抵抗性などの外観から判りにくい生理的な性質
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*特定の状況下での行動の傾向(行動形質)
 
分子形質では、形質が実際に表現されたものを[[表現型]]という。両者は混同されがちだが、形質は性質そのものであり、表現型は形質が実現化したものである。例えば、人の「[[ABO式血液型]]」は形質であり、個人の「A型・B型・AB型・O型」が表現型である。
 
形質の取りうる状態を'''形質状態'''という。たとえば、花の色は形質、花の色が赤いという状態は形質状態である。
 
== 質的形質と量的形質 ==
動植物の形質を'''量的形質'''と'''質的形質'''とに大別する分類がある。
 
; 質的形質(離散形質)
: 形態では、ある/なし、尖っている/丸い、1本/2本/3本など、分子では人間のABO式血液型や[[米]]の[[もち米|もち]](糯)・うるち(粳)性のように、不連続で質的な違いとして示される形質。少数あるいは単一の[[遺伝子座]]の影響を受ける。
:* (例)1遺伝子座のとき遺伝様式
:: 両親のある[[遺伝子座]]の[[遺伝子型]]をAAとaaとする。雑種第1代 (F1) はAaの1種類。F1どうしの交配による雑種第2代 (F2) は、AA:Aa:aa = 1:2:1に分離。
; 量的形質(連続形質)
: 人間の身長や木に実る果実数胸囲など身体の各部の大きさのように、連続した実数あるいは整数で示される形質。複数[[染色体]]上の多数の遺伝子座の影響を受ける。
: 従来の[[遺伝学]]では、作用力が小さい多数の遺伝子(微働遺伝子あるいはポリジーン)によって支配されると説明されてきた。近年広まった[[量的形質座位|量的形質遺伝子座]] (QTL) の概念を用いると、微働遺伝子はQTLに座乗する遺伝子とも説明できる。
なお、遺伝子レベルでは、量的あるいは質的という区分は、便宜上の区分と言ってもいい。一つの形質が、大きな作用を持つ遺伝子(主働遺伝子)と同時に微働遺伝子に支配されている場合もある。そのとき、主働遺伝子だけに着目するなら質的な取り扱いができ、微働遺伝子も同時に着目するなら量的な取り扱いをすることになる。
* 一つの形質が質的でも量的でもある例 イネ品種の米のアミロース含量(ご飯の粘り気)
: 質的形質であるもち・うるち性は、[[対立遺伝子]]である2つの遺伝子、優性のうるち遺伝子と劣性のもち遺伝子に支配される形質である。その差は精米の外観や炊いたご飯の粘りとして観察される。この違いは米に含まれる2種類の[[デンプン|澱粉]]の違いであり、もち米の澱粉はほぼ[[アミロペクチン]]100%であるのに対し、うるち米の澱粉はもち米にはない[[アミロース]]も含んでいる([[もち米]]参照)。