「企業戦士YAMAZAKI」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Fcwatcher (会話 | 投稿記録)
6行目:
[[過労死]]したサラリーマンの尾崎達郎が、脳と皮膚を戦闘型[[サイボーグ]]へ移植されて蘇り、[[企業戦士]]の山崎宅郎として日夜ビジネスという名の戦場に挑む。現実世界と同じく、[[バブル崩壊]]直後の不況下の日本を舞台としている。
 
物語は主に1話完結形式で、仕事や人間関係など何らかの悩みを抱えたゲストキャラのいる企業へ派遣された主人公(ヤマザキ)が職場の雰囲気に一喝しつつ、画期的な新商品や新企画を提案、それらの開発過程においての困難や障害、さらには競合他社の企業戦士の妨害(襲撃)を経て、ゲストキャラが自己の葛藤に対しての答えを導き出したところで主人公は業務を完遂、次の派遣先へと去っていく、というものである。
毎回の物語は、傾きかけたり行き詰まった企業へ山崎が派遣される→新商品や新企画を開発する→ライバル会社の企業戦士の横槍→戦闘→大団円、という展開が基本となっている。また、やる気のない社員や若者に対して山崎が机を叩いて説教する、戦闘中に破損する山崎を見た各回の登場人物が「山崎さんその体は!?」とショックを受ける、という展開もお約束となっている。
 
登場人物の外見は連載当時に人気のあった芸能人や著名人をモデルにしたものが多い。特に敵キャラとなる競合他社の業戦士)関しては外見がほぼそのままであることもしばしばであった。
 
山崎主人公が各回の登場人物に話す台詞は[[フリーライター]]・漫画評論家の[[中野晴行]]に「名言」として注目されており、「企業セミナーの講師になったらきっと大成功するだろう」と高評されている<ref>[http://www.daimokuroku.com/?index=somme&date=20110722 不景気を吹き飛ばすサラリーマンマンガ。富沢順『企業戦士YAMAZAKI』] - 漫画大目録</ref>。
 
== ストーリー ==
NEO=SYSTEM社が派遣する凄腕の派遣社員 山崎宅郎はビジネスの達人として名高い人物である。高額の報酬は必要となるが、数か月で会社を建て直すその能力の高さは半ば伝説となっていた。しかし、その人間離れした能力には秘密があった。NEO=SYSTEM社のみならず、凄腕派遣社員を抱える人材派遣会社には、秘密裏に「企業戦士(ビジネスコマンドー)と呼ばれるサイボーグ戦士存在暗躍していた。山崎もその1人であり、彼ら企業戦士は過労死したエリートサラリーマンの脳を移植された、文字通りビジネスマシーンだったのである。しかし、企業戦士の脳は高すぎる機械の身体能力に耐えられず、数年で拒否反応を起こしてしり死に至るほとんどの企業戦士が残り少ない余生を享楽的にごそうと手段を選ばぬ「ビジネス」をする中で、山崎は妻子のため、そして自ら理想としたビジネスの王道を守るため、日夜企業戦士として戦い続ける。
 
== 企業戦士 ==
一心不乱に仕事を行うサラリーマンを指す語句「企業戦士」を、本作では文字通りの企業のために戦う「戦士」として、サイボーグにあてている。山崎のライバル企業へ派遣された先と競合する敵企業戦士はビジネスが行き詰まると山崎を亡き者にして解決を図ろうとするのがお約束であり、山崎は戦闘モードにチェンジして説教しつつ相手をする。
 
企業戦士の武器は荒唐無稽ながらもSF的でシリアスなものだが、山崎の必殺技は往年の特撮ヒーローやロボットアニメ、時事ネタなどを扱った、パロディやお笑い要素が強いギャグ漫画的なもので、かつ毎回のように必殺技が変わる。
 
== 登場人物 ==
24行目:
 
; 山崎 宅郎(やまざき たくろう):[[イッセー尾形]]
: その名前は偽名で本名は尾崎達郎(おざき たつろう)。実は「山崎宅郎」としての戸籍が用意されておらず、そこから正体の露見に繋がったこともある。かつて集英商事の社員だったが旧[[ソビエト連邦|ソ連]]での事業中に過労死。遺された家族に少しでもお金を送るために企業戦士として再生する。数々の経営不振に陥った企業を再生させた実績を持ち、ビジネスの達人と評される。仕事に厳しく一切の妥協を許さない最強の特A級 企業戦士。ビジネスコマンドーとしても特A級
: 仕事に対しては辣腕を振るうが、ビジネスは人なりという信念を持ち、後進の育成や仕事にかける情熱に人一倍こだわるが故に、あらかじめお膳立てしたり答えを用意しておきながらも後進の成長を促す目的でプランを敢えて不完全な形で出したり、他者を試すような行動に出ることもある。数々の商品をヒットさせるのも、商品を通じて人と人とのつながりを確認したいという想いからである。そのため余計な戦闘にまきこまれることもしばしばで、毎回破損し続けるため維持費が膨大になっている。眼鏡をヤマザキ=アイ(サングラス状の変換アイテム)に換えることで戦闘モードに切り替えが出来る。
: 女性と戦うことができず、敵企業戦士が女性の場合は一方的な攻撃を受ける事になるが、なんらかの理由(多くは味方社員や倫子の協力)で顔面皮膚が破損して機械の顔が露出すると「もう女性ではない」「そんな女性はいない」と、普通に戦えるようになる。
: 原作での外見は、イッセー尾形が一人芝居などでよく演じているサラリーマンをモデルにしており、実写版での彼の出演に繋がっている。
40行目:
: 最終的にカウンセラーに自分の道を見出し、終盤ではそれになるための勉強を始めている。
; 貴理香(きりか)
: NEO=SYSTEM社の女性エンジニア。山崎を始めとする数々の企業戦士を生み出してきた。AX電気工業社長の娘だったが父が愛人をつくり母を捨てたために両親は離婚、母が自殺している。そのため姓を名乗らない。ビジネスライクなクールビューティーだったが、最後は山崎の理想に殉じ、身を挺して山崎を救う。
; 尾崎 香織(おざき かおり)
: 山崎宅郎(尾崎達郎)の妻。元は集英商事のOL。過労死した夫が企業戦士して生きていることは知らなかった。山崎が企業戦士として戦うことで得られる収入が法外な遺族年金として渡っている。再婚はせずに娘と二人暮らしをしている。