「ブランデンブルク協奏曲」の版間の差分

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|description =
}} -->
[[File:Christian Ludwig Markgraf von Brandenburg.jpeg|thumb|300px|ブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒ。]]
『'''ブランデンブルク協奏曲'''』(ブランデンブルクきょうそうきょく)は、[[ヨハン・ゼバスティアン・バッハ]]が作曲した6曲からなる[[合奏協奏曲|合奏協奏曲集]]である。[[1721年]][[3月24日]]に{{仮リンク|クリスティアン・ルートヴィヒ・フォン・ブランデンブルク=シュヴェート|en|Margrave Christian Ludwig of Brandenburg-Schwedt|label=ブランデンブルク=シュヴェート辺境伯クリスティアン・ルートヴィヒ}}に献呈された。そのためにこの名がある。
*オリジナル作品名:''Concerts avec plusieurs instruments'' ([[フランス語|仏]])<small>種々の楽器のための協奏曲</small>
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唯一、最後に作曲されたと見られる第5番については、作曲の時期と動機をうかがわせる、かなり有力な状況証拠が残っている。[[1719年]]、宮廷からバッハに大金が支払われた記録があり、その明細によると、バッハが[[ベルリン]]まで[[チェンバロ]]を受け取りに行ったらしい。購入されたチェンバロが高価であることから、バッハがそれ以前に一度ベルリンに赴いて、オーダーメードでチェンバロを作らせたのではないかと考えられている。新しいチェンバロを前にして、バッハが作曲の腕をふるっただろうことは想像に難くない。すでに完成していたと見られる初稿BWV1050aと献呈稿を比べると、有名な第1楽章のチェンバロ独奏部は献呈稿において初稿の約3倍の長さ(19[[小節]]→65小節)になっており、チェンバロのお披露目を意図した改変であることが想像される。通常は[[通奏低音]]楽器のチェンバロを[[独奏楽器群]]に加えること自体が独創的であるが、第5番はチェンバロの活躍が著しく、実質的に音楽史上初の[[チェンバロ協奏曲]]として、後代の[[ピアノ協奏曲]]の出現を準備する画期的な作品となった。ちなみに、この2回のベルリン行きの際に辺境伯に会う機会があったのではないかとする説も有力である。
 
== 各曲の構成と楽器編成 ==
=== 第1番 ===
{{listen | header = 第一番ヘ長調 BWV 1046
| filename=Bach - Brandenburg Concerto No. 1 - 1. Allegro.ogg| title=第一楽章
30 ⟶ 31行目:
*演奏時間:約20分
 
=== '''楽章 ===構成'''
#ヘ長調 2/2
#[[ニ短調]] [[wikt:adagio|Adagio]] 3/4
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#[[メヌエット]] ヘ長調 3/4(メヌエット-第1トリオ-メヌエット-ポラッカ-メヌエット-第2トリオ-メヌエット)
 
=== '''編成 ==='''
[[File:Bach Brandenburg concerto 1 manuscript incipit violino piccolo.png|thumb|250px|第1番の手稿譜、1721年]]
*独奏楽器群
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**[[通奏低音]]([[ヴィオローネ]]と[[チェンバロ]])
 
=== 第2番 ===
{{listen | header = 第二番ヘ長調 BWV 1047
| filename=Bach - Brandenburg Concerto.No. 2 in F Major- I. Allegro.ogg| title=第一楽章
58 ⟶ 59行目:
*演奏時間:約15分
 
=== '''楽章 ===構成'''
#ヘ長調 2/2
#:独奏楽器それぞれにソロが均等に与えられる。
66 ⟶ 67行目:
#:主題が独奏楽器によってフーガ風に展開される。
 
=== '''編成 ==='''
*独奏楽器群
**[[トランペット]]
78 ⟶ 79行目:
**[[通奏低音]]([[チェロ]]と[[チェンバロ]])
 
=== 第3番 ===
{{listen | header = 第三番ト長調 BWV 1048
| filename = Bach - Brandenburg Concerto No. 3 - 1. Allegro.ogg | title = 第一楽章
88 ⟶ 89行目:
*演奏時間:約10分
 
=== '''楽章 ===構成'''
#ト長調 4/4
#:リズミカルな曲調。
95 ⟶ 96行目:
#ト長調 [[wikt:allegro|Allegro]] 12/8
 
=== '''編成 ==='''
:独奏楽器群と合奏楽器群の区別はない。
*[[ヴァイオリン]]3
102 ⟶ 103行目:
*[[通奏低音]]([[ヴィオローネ]]と[[チェンバロ]])
 
=== 第4番 ===
{{listen | header = 第四番ト長調 BWV 1049
| filename = Brandenburg No4-1 BWV1049.ogg | title = 第一楽章
112 ⟶ 113行目:
*演奏時間:約15分
 
=== '''楽章 ===構成'''
#ト長調 [[wikt:allegro|Allegro]] 3/8
#:牧歌的な曲であり、ソロ・バイオリンに2本のリコーダーがきれいな響きを添える。
120 ⟶ 121行目:
#:独奏楽器と通奏低音の4声のフーガ。様々なところに各楽器の魅力的なソロ、トゥッティが織り込まれている。
 
=== '''編成 ==='''
*独奏楽器群
**[[ヴァイオリン]]
131 ⟶ 132行目:
**[[通奏低音]]([[チェンバロ]])
 
=== 第5番 ===
{{listen | header = 第五番ニ長調 BWV 1050
| filename = Bach - Brandenburg Concerto 5 - 1. Allegro.ogg | title = 第一楽章
141 ⟶ 142行目:
*演奏時間:約20分
 
=== '''楽章 ===構成'''
#ニ長調 [[wikt:allegro|Allegro]] 2/2
#:チェンバロはフルート、ヴァイオリンを支えながらも途中[[チェンバロ協奏曲]]の前身ともなる長大なカデンツァに突入する。
149 ⟶ 150行目:
#:フーガ風に曲が展開されてゆく。
 
=== '''編成 ==='''
*独奏楽器群
**[[フルート]]
160 ⟶ 161行目:
**[[ヴィオローネ]]
 
=== 第6番 ===
{{listen | header = 第六番変ロ長調 BWV 1051
| filename = Bach - Brandenburg Concerto 6 - 1. Allegro.ogg | title = 第一楽章
170 ⟶ 171行目:
*演奏時間:約20分
 
=== '''楽章 ===構成'''
#変ロ長調 2/2
#:2挺のヴィオラが、半拍ずれたカノンによって旋律を奏でる。
178 ⟶ 179行目:
#:とても軽快な曲調で、シンコペーションが特徴である。
 
=== '''編成 ==='''
:独奏楽器群と合奏楽器群の区別はない。
*[[ヴィオラ・ダ・ブラッチョ]] 2