「ティーターノマキアー」の版間の差分

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== 概説 ==
[[クロノス]]からゼウスが王権を奪った後、[[オリンポス山]]に布陣したゼウスたちと、オトリュス山に布陣したティーターンたちは争った。この戦いは山々が根本から大きく揺らぎ、世界を崩壊させるほどの規模であった。しかし、当初こそ[[ステュクス]]一党がティーターンを裏切るなどの動きがあったものの、不死の神々どうしの戦いは互いに決め手を欠き、10年の間決着を見なかった。
 
[[ガイア]]はゼウスたちに、[[ウーラノス]]が[[タルタロス]]の領域に幽閉した三人の[[ヘカトンケイル]](百手巨人)たちと、三人の[[キュクロープス]]を味方に付ければ勝つことができると助言した。ゼウスたちは彼らを解放し、[[ネクタル]]と[[アムブロシアー]]を与えて味方にした。
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キュクロープス達は助けてくれた礼にとゼウスたちに武器を作って献上した。彼らは、ゼウスには万物を破壊し燃やし尽くす雷霆、ポセイドーンには大海と大陸を支配する三叉の矛、[[ハーデース]]には姿を見えなくすることのできる隠れ帽を与えた。
 
両軍は再び激突し、心強い味方と究極の武器を手にしたオリュンポス勢が常に優位に立った。ポセイドーンの三叉の矛の力で全地球は凄まじく揺れ動き、姿を消したハスがティーターンたちの武器を奪った。ヘカトンケイルたちは一度に300の巨大な岩石を休みなく投げ続けてティーターンたちを打ち負かした。
 
ゼウスは雷霆を容赦なく投げつけ、その圧倒的な威力によって天界は崩れ落ち、見渡す限りの天地は逆転した<ref>フェリックス・ギラン『ギリシア神話』中島健訳、青土社、1991。</ref>。全空間に漲る雷光はティーターン神族の目を焼き、瞬く間に視力を奪った。雷霆から迸る聖なる炎は地球を尽く破壊し、全宇宙とその根源を成す[[カオス]]すらゼウスの雷火によって焼き尽くされた<ref>ヘーシオドス 『神統記』 広川洋一訳、岩波文庫、1984。</ref>。