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; 芥生 リク(あざみ リク)
: 本作品の[[主人公]]。銀髪の少年。父親は多額の借金を抱えており、母親は家を出てヤクザの愛人となって薬物中毒という悲惨な家庭環境で育ち、以前より父親に[[児童虐待|虐待]]を受け続けていた。父親が借金を苦に自殺した時、借金取りに来ていた所沢と出会う。その後、母親と過ごそうと考えるも、母親の愛人のヤクザ・葉桜に暴行を受けたところを返り討ちにし、殺害。その後は児童養護施設で生活している。しかしその後、自身を気にかけていた施設の職員・江原がヤクザにレイプされるという事件が起き、そしてこれをきっかけにボクシングを始めることを決意し、所沢の紹介で馬場拳闘ジムに入会。そして[[高校生]]になった時にプロ試験を受け合格。プロボクサーへの道を進むこととなる。階級は[[ライト級]]で[[サウスポー]]、華奢な体格に似合わず[[ハードパンチャー]]であり[[カウンターパンチ]]といった高等技術もこなす。試合では最初、劣勢に立たされるものの後に逆転して勝利するというパターンが多い。生い立ちのせいか常に無表情であまり他人に関心を示さないが、自分にボクシングを教えてくれた所沢のことは信頼し肉親のような情を抱いている。それゆえに、所沢から「(兵動楓に)お前は勝てない」と言い放たれた際は、珍しくかなり取り乱す様子を見せた。
: ルックスは良いものの、高校では以前に正当防衛ながら殺人を犯した経緯から「人殺し」と呼ばれ、徹底的に避けられている。施設の子供たちには懐かれているが、心の奥では他人から「優しい」と言われることを嫌い、「自分の価値を得るためなら死んでもいい」といった信念を持っている。東日本新人王トーナメント2回戦における兵動楓との激闘の最中、幼少期より追い求めてきた『自分の拳』にたどり着き、ボクシングに新たな歓びを見出すようになる。また、施設の子供たちも巻き込む形で幼馴染のユキがガーベラに襲われたことをきっかけに、『人を守るための拳』も意識するようになった。ガーベラとの対戦では左の拳に宿痾となる怪我を負ってしまうが、勝利したことを機にひたむきな想いをぶつけてくれたユキと心から向き合う決意をする。高校卒業後は清掃会社に就職し社員寮でユキと[[同棲]]を始めたが、前述の江原の一件から性行為に強い[[トラウマ]]を抱えており、ユキとの肉体関係には至っていない
; 所沢 京介(ところざわ きょうすけ)
: リクの父親の借金取りをしていたヤクザにして、元[[OPBF]]チャンピオン(同タイトル防衛戦には、5度も成功している)。左目の辺りに傷がある。以前からリクのことを気にかけており、彼がボクサーになるきっかけとなった人物でもある。ボクサー時代は馬場拳闘ジムに所属しており、リクをそこに紹介した。ヤクザという身の上から、リクがプロデビューを果たした直後に彼を突き放しているものの、その成長を影からそっと見守っている。のちに殺人事件を起こした子分を庇い逮捕された際、裏社会に染まってしまった今もボクシングへの情熱を捨て切れない己の本心に気付く。A級ライセンスに昇格し高校も卒業したリクに自分流の“エール”を贈った後、ヤクザ稼業から足を洗った
; 馬場 進司(ばば しんじ)
: 馬場拳闘ジムの会長。[[風俗店]]が建ち並ぶ荒れた裏通りにジムを構えている。所沢がリクを紹介した時には何故かジムを閉鎖しており、酒浸りの荒れた生活を送っていた。リクの入会も最初は断ったが、彼の気迫を見て入会を認め、その後、正式にジムを再開した。指導者としての腕は確かだが、凄惨なまでに選手をしごく苛烈な指導法で知られ、ボクシング関係者からも毀誉褒貶の激しい人物である。
; 苗代 ユキ(なえしろ ユキ)
: リクの幼馴染で彼と同じ児童養護施設で生活している少女。幼少期に両親と死別したことにより天涯孤独の身となり、施設に入居する。[[ツインテール]]の髪形をしていたが、高校3年への進級を機にストレートヘアーに変えている。施設の子供たちからは「ユキ姉」、馬場をはじめ一部の人物からは「苗ちゃん」と呼ばれている。リクと同じ高校に通っており、彼と同じ施設で生活していることから「人殺しの同居人」と呼ばれ、嫌われており、[[いじめ]]を受けている。[[介護士]]を志望している模様。大人しい性格だが、同級生から暴行を受けた際には睨み返すなど、芯の強い一面もある。幼少時からリクに一途な想いを寄せており、彼と一緒にいたいと思うあまり[[里親]]の依頼を全て断っていた。しかし、彼からは素っ気ない態度を取られている<ref group="注">ただしこれは、「忌み嫌われている自分と一緒に居ることで、彼女まで嫌な目に遭わせたくない」という、リクの配慮でもある。</ref>。その後、リクとデートをした際に想いを打ち明け彼からキスをされるが、その気持ちが「愛情」ではなく「同情」であることを察してショックを受け、その場を立ち去った。ただし、リクへの想いは変わらず持ち続けており、施設ガーベラとの対決退去制したリクから「一緒に暮らしたい」と告白を受け、高校卒業後は[[看護専門学校に進学し、彼と同棲]]すること生活望んでい始める。
: 当初はリクのボクサーとしての活動に対しては今一つ理解出来ずにいたが、楓との激闘を終え充足感にあふれた彼の表情を目の当たりにし、少しずつではあるが理解を示すようになる。[[対戦型格闘ゲーム]]が得意<ref group="注">単行本第9巻のオマケ漫画より。地区大会1位の腕前を持つ馬場をあっさりと負かした。</ref>。
 
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: ライト級プロボクサー。東日本新人王トーナメント1回戦におけるリクの対戦相手。元は[[キックボクサー]]で、打たれ強さとパワーが持ち味。頭髪の生え際は少し後退している。普段は建設現場作業員として働いているが、両親の遺した多額の借金返済に追われ極貧生活を余儀なくされている。また、恋人の葵は風俗嬢をしており、それをネタに職場の同僚からも軽視され手酷い扱いを受ける。そんな己の窮状を打破するにはボクシングで成り上がるしかないと考えており、鬱屈した思いを秘めハングリー精神を研ぎ澄ませて努力を重ねている。キックから転向して日が浅くファイトスタイルは荒削りであったが、借金の取り立てに度々訪れていた所沢の“指導”を受けその弱点を克服し、リクとの一戦に臨む。試合では初っ端にダウンを喫したものの、徐々に持ち前のタフネスぶりを発揮しリクを追い詰め、彼の弱点である「ボディーの弱さ」を突きダウンを奪い返す<ref group="注">これがリクが実戦で喫した初のダウンであった。</ref>。最終3Rでは壮絶な打ち合いを演じるが、リクにパンチを繰り出す際の呼吸を読まれたことで決定的なカウンターを喰らってしまいダウンする。なおも闘志は衰えず立ち上がったものの、その後は一方的に打たれる展開となり、最後は遠のく意識の中で“もう詰んでいた”己の半生を述懐しつつ、リングに崩れ落ちた。
; 椿 和馬(つばき かずま)
: 兵動ジム所属のプロボクサー。楓の先輩で、現日本ライト級チャンピオン。クールな性格をしており常時ポーカーフェイス。己の実力に絶対的な自信を持っており、会見ではビッグマウスも放つ。アレルギー持ちで[[花粉症]]などに悩まされているが、猫が好きという一面がある。そのパンチの切れ味から『ジャックナイフ』の異名で呼ばれ、相手の攻撃を巧みに誘い、繰り出す手を読んで緻密に動くカウンター戦法を得意とする。「客を喜ばせる試合をするのがプロ」という信条を持ち、後輩の楓のことは高く評価しているが、刹那的なボクシングをするリクのことは全く評価していなかった。だが、両者の壮絶な試合を観た後でその考えを改め、リクにも一目置くようになり、三原を介して合同合宿に誘う。そこでのスパーリングでは実力の違いを見せつけリクに完勝するが、その素質を認め、[[スーパーフェザー級]]に階級を上げて兵動ジムに移籍することを勧める。しかし、所沢と同じOPBF王座に強いこだわりを持つリクからは断りを入れられた。その後、日本王座を返上しOPBFタイトルマッチに挑戦、1Rで相手を下し見事に王座に輝く
; 三原 雄一(みはら ゆういち)
: 兵動ジム所属のプロボクサー。日本ライト級5位。気さくで剽軽な性格をしており、記者にリクを紹介しがてら、ちゃっかり自分を売り込むことも忘れない。いわゆる“サラブレッド”である後輩の楓に対しては、色々と思うところがある様子。所属ジムは違いながらも、何かとリクのことを気にかけている。楓戦前の、敵陣営であるリクの控室に、カメラ片手にインタビューを敢行しようとしたり<ref group="注">即座に椿に蹴りを入れられ、「アホ面で恥をさらすな」と怒鳴られてしまった。</ref>、苗代にセクハラめいた発言をする<ref group="注">8巻のオマケ漫画より。ダイエット中で小食の苗代に「女は太ってたほうがエロくていい」と言い、本人からは「三原さんはモテなさそう」と思われた。</ref>など、ややデリカシーに欠ける一面もある。
: ボクサーとして4年にわたり雌伏の時を過ごしてきたが、椿が日本王座を返上したことで遂にチャンピオン獲得のチャンスが回ってくることとなり、柳とのタイトルマッチに臨む。気合十分で臨んだ一戦は、開始当初に素早いラッシュで三原が主導権を握ったかに思われたが、1R終了間際に放たれた柳の強烈なチョッピングライト(右の打ちおろしパンチ)で左目にダメージを負ってしまう。2Rは完全にペースを握られ、強引にカウンターを狙った際に再び左目にパンチを受け[[ドクターストップ]]の危機に立たされるが、この試合に賭ける三原の気持ちを汲んだリクの“機転”により試合は続行、その後は持ち前の気迫で劣勢を押し返し5Rまでは互角の勝負を展開する。5R終盤、柳の左のジャブを強引にかいくぐり渾身の右ストレートでダウンを奪ったものの、決定打には至らず、最後の手段としてボクサー生命をも投げ打つ覚悟で左目のガードを下げ捨て身のカウンターを仕掛けるが、パンチを放とうとした刹那にレフェリーストップをかけられ、TKO負けを喫した。敗北直後は「殺して下さい…」と呟くほどショックを受けていたが、後日病院に見舞いに訪れたリクには「(試合を続行させたことを)謝るな」と気丈なメッセージを送った。
: ボクサーとして4年にわたり雌伏の時を過ごしてきたが、椿が日本王座を返上したことで遂にチャンピオン獲得のチャンスが回ってくることとなり、柳とのタイトルマッチに臨む。
; エドガルド・ガーベラ
: 菫(すみれ)ジムに所属する、新進気鋭の白人ボクサー。[[アメリカ]]の[[スラム]]出身であり、『ブルドッグ』の異名を持つ。日本ライト級14位。デビューからの戦績は9戦9勝9KO。来日歴3年で、日常会話では関西弁を使う。普段は英会話講師の仕事をしている。子供受けの良い陽気な青年だが、その裏では欲望に忠実で抑圧された暴力性を持つ二面性のある性格。彼にとってのボクシングとは、その「暴力性」を開放するための捌け口でもある。リクと同じく左からのハードパンチを武器とし、圧力をかけながら前進してくる[[インファイト|インファイター]]。その凶暴なまでのパンチの威力は、リクのそれを遥かに凌駕している。菫ジムが彼の売り込みのために“特別賞金100万円”を出して対戦相手を募集し、兵動秋人の暗躍もあってリクと対戦する運びとなる。スラムに居た頃に殺人を犯した過去があり、本能でリクにも同じ匂いを嗅ぎ取り、一方的な[[シンパシー]]を口にする<ref group="注">当然ながら、己の欲望のために殺人を犯したガーベラと、防衛行為のはずみで命を奪ってしまったリクとでは、とても同列視出来るものではない。</ref>。また、リクの幼馴染であるユキに一目惚れをし、欲望のままに襲い掛かって強引に抱きすくめ、彼女に大きな[[トラウマ]]に近い恐怖心付けた。これらの件から、リクは彼との一戦にこれまでにない「怒り」の感情を持って臨むこととなる。序盤はリクにペースを握られるが、ガーベラの放った空気摩擦が起こるほどの強烈なパンチにリクが本能的に恐れを抱いたことから形勢は逆転、1Rの最後は“相討ち”になったものの、リクの鼻骨をへし折り意識が飛ぶほどのダメージを与える。2Rはさらに凶暴性を増したガーベラが一方的に攻め立てるが、そのパンチの隙を見切った馬場の“合図”によってリクのカウンターパンチが決まり、ガーベラはダウンを喫する。その後、パンチをぶつけ合うアクシデントにより拳を痛め、そのうえ自分とリクとの「闘う理由」の決定的な違いを感じ取ったことから戦意を喪失しTKO負けを喫した。試合後にはリクを追いかけ睨みつけるが、そこでも眼力で圧倒され完全なる敗北を認める。
; 伏黒 一希(ふくろ かずき)
: 菫ジム所属のプロボクサー。プロでの戦績は8試合で6勝2敗(全て判定勝ち)。リクの逃した東日本新人王トーナメントを制し、ライト級15位にランクされる。職業は警察官で、三原の妹・ナズナの同僚でもある。普段は眼鏡を掛けており、ボクシングを心から愛する謙虚で実直な青年。公務員という身の上であるが、特例でボクサーとしての活動を認めてもらっている模様。オードソックスな右構えから上体の柔軟性を生かして相手のパンチをかわす、守りのボクシングが持ち味。強いパンチを持ちながらも、無理にKOを狙わない確実性に徹したスタイルだが、それは自分の意思ではなくトレーナーを務める先輩ボクサー・柳の指示によるものである。柳と因縁のある馬場の働きかけで、椿と三原のダブルタイトルマッチの前座としてリクと対戦する運びとなる。序盤から持ち前の確実性を発揮して戦況を有利に運び、決定打を出せないリクとのポイント差を徐々に広げていったが、判定勝ちの見えてきた終盤の5Rで、所沢の“声”を受けて一気に打って出てきたリクに「隠れていた闘志」を引き出され打ち合いとなり、最終6Rの終了間際にダウンを奪われ逆転TKO負けを喫する。当初は、自分のように競技としてのボクシングを楽しめていないリクのことを哀れんでいたが、打ち合いの中で彼のボクシングに対する崇高な精神を感じ取り、試合後は心から負けを認め落涙した。
; 柳 涼太郎(やなぎ りょうたろう)
: 菫ジム所属のプロボクサー。『射撃手(スナイパー)』の異名を持ち、8年前にはOPBFライト級王者に輝いた経歴もあるベテラン。長身長髪、抑揚のない語り口で無表情な男。目的のためには他者を利用することも厭わない非情な性格をしている。かつては馬場拳闘ジムに所属していたが、タイトル戦を目前にして大手のジムに移籍、さらにはボクシング協会に馬場の指導法を「過剰な暴力である」と訴え、半年間の活動停止に追い込むなどの裏切り行為を働いた。現役ボクサーでありながら、後輩の伏黒のトレーナーも兼務している。おり、のちに自分の指示を破ってリクに敗北した伏黒には冷徹な言葉を浴びせた。ライト級日本王座を賭けて三原との対戦となったが、試合直前にもかかわらず本を読んで寝そべり欠伸をするなど、余裕とも不遜ともとれる態度を見せる。試合は、気迫を前面に押し出し向かってく三原にダウンを奪われる場面もあったものの、総合的には危なげなく勝利し、ライト級日本王者へと返り咲いた
; 劉衛鳳(りゅう えいほう)
: OPBFライト級ランキング11位の中国人ボクサー。口元にほくろがあり、中性的な容姿。
; 神代 晴司(かみしろ せいじ)
: WBCライト級アジア王者。高校を中退後、[[タイ王国|タイ]]に渡り16歳でプロデビューし、1年でWBC王者を獲得した天才肌のプロボクサー。傲岸不遜な性格をしている。
 
=== その他の人物 ===
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: 石蕗の恋人。『レナ』という[[源氏名]]で風俗嬢をしている。ある日、路地裏で悪酔いした男性客に乱暴されかかっていた所をリクに助けられる。その“お礼”としてリクにキスをするが、母親や江原の一件から「性」に対して強いトラウマを抱く彼に突き飛ばされてしまった。心身ともに石蕗の支えとなっている存在だが、自身の身体は生命を脅かすほどの重病に侵されている。中学時代にボクシング部のマネージャーを務めていたこともあり、ボクシングに関しては造詣がある。リクとの一戦に敗れ入院した石蕗に付き添い、見舞いに訪れたリクに優しい言葉をかけ、彼を帰した後に泣き崩れた。
; 三原 ナズナ(みはら ナズナ)
: 三原雄一の妹。22歳。職業は婦人警官で、伏黒の同僚でもある。喫煙者で寡黙な性格。華奢な体型に似合わず大食いである<ref group="注">単行本第8巻のオマケ漫画より。</ref>。自分の意思があまりなく、何をするにも兄を頼りにしている。人付き合いが少なく浮いた話もないため、職場では[[レズビアン]]とも噂されている。殺人容疑で逮捕された所沢のことを調べているうちに、偶然にもリクの過去を知る。その後、兄がタイトルマッチの最中にドクターストップ級の怪我を負ったにもかかわらず、リクが試合続行の手助けをした場面を目撃し、それが結果として兄のボクサー生命を奪う結果に繋がってしまったことで、彼を恨むようになる。
; 土井(どい)
: 馬場拳闘ジムのトレーナー。口髭を蓄えた壮年の男性。リクが試合に臨む際は、馬場とともに[[セコンド]]に付く。リクの才能と将来性を買っており、馬場の苛烈なトレーニングにより潰されてしまうのではないかと密かに心配もしている。