「不当景品類及び不当表示防止法」の版間の差分

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→‎制定の経緯: 不当表示のみを殊更に強調した説明となっていたため、景品規制についても記述
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 このような顧客の不当な誘因行為は、これまでも独占禁止法の不公正な取引方法の一類型として、一般的にか(一般指定)、特定業界ごとについて(特殊指定)禁止されてきた。それにもかかわらず、最近では、例えば懸賞販売では、チューインガムの売り込みのために、一等賞として一千万円という前代未聞の賞金がつけられたり、宅地分譲広告では、詐欺的ともいうべき誇大な広告が横行するなど、法規制という面では、殆ど野放し同然という有様であった。<br />
 これは一つには、技術革新と消費革命に伴って経済発展が構造的に変化してきたことと、最近では貿易自由化の影響も加わって、販売競争自体が非常に激烈になったことによるものであるが、反面独占禁止法の規制手続にも適切でない点があったことも見逃せない。そのためこの法律では、(1)違反行為類型を明確にし(2)違反処理手続の迅速化を図り(排除命令制度)(3)業界の自主規制体制を法的に確認する(公正競争規約制度)ことによってこのような不公正な取引方法の規制効果をあげ、業界の公正な競争秩序の確立とともに消費者の保護をはかったのである。」(後藤英輔)<br />
 なお、当該説明の前年、法律専門雑誌に当該筆者の「懸賞・景品付販売について」という職名(公取委事務局経済部取引課長(当時))入り署名記事<ref>後藤英輔「懸賞・景品付販売について」、pp.9-13、ジュリスト238号(1961.11.15号)</ref>が掲載されており、景品規制にかかる立法措置の必要性について示唆している。<br />
 なお、筆者は、前年のジュリスト238号(1961.11.15号)によれば、公取委事務局経済部取引課長(当時)。<br />
 
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==ニセ牛缶事件==
景品表示法は「1匹の[[ハエ|蝿]]がきっかけになった法律」と言われる。[[1960年]]のニセ牛缶事件が契機となった。[[ウシ|牛]]の絵が貼ってあった「三幌ロースト大和煮」の缶詰に蝿が入っていたとの報告が[[保健所]]に寄せられた。[[東京都]]衛生局と[[神奈川県]]衛生部が調査を進めるうちに、当該「三幌ロースト大和煮」缶詰は、正規品の商標をまねたヤミ製品であり、さらに、当時、「[[大和煮|牛肉大和煮]]」と表示していた20数社の商品のうち、[[牛肉]]100%のものは2社しかなく、大部分は[[馬肉]]や[[鯨肉]]だったことが判明した(当時は馬肉や鯨肉は、安価であり牛肉よりも低級品と見なされていた)。<br />