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サニタイザーが設置されている男性トイレでは、概ね小便器のみに設置され、和式大便器・洋式大便器には設置されないことが多いが、同一箇所の女性トイレにはほとんどの和式大便器・洋式大便器にサニタイザーディスペンサーが設置されている。これは同じ大便器でも男性トイレの大便器に比べ女性トイレの便器(大便器)は実質上、小便器の役割も兼ねている為に[[排尿]]に供される頻度が極端に高いためである(男性トイレの大便器にもサニタイザーが設置されているトイレも存在する)。
=== 構造 ===
[[File:C75+MK7.jpg|thumb|200px|大便器のフラッシュバルブに連結されたサニタイザー]]
主な構造は[[フラッシュバルブ (栓)|フラッシュバルブ]]等の便器の給水管から枝分かれした構造の[[連通管]](給排水管)を設け、サニタイザー本体と連結、結管される。サニタイザー本体にはフロート付きの弁装置を持つ薬液混合用溶解槽と[[カートリッジ]]に入った薬剤が仕込まれている。フラッシュバルブ起動毎にサニタイザーに内蔵されているフロート付きの弁装置の作用で一定量ずつの水を取り込み、サニタイザー内に仕込まれた薬剤ボトルの底面にある海綿体の浸出性瓶栓から浸出する薬剤をサニタイザー内の薬液混合用溶解槽に取り込まれた水により希釈して薬剤水溶液とし、フラッシュバルブ閉止して便器への流水が終了する間際になると前記給水管内の内圧減少に伴って、この薬剤希釈水溶液を前記フロート付きの弁装置を設けた弁室および連通管を介して再び便器への給水管内に排水して、常にほぼ一定量の[[濃度]]の薬剤溶液が便器に供給され、便器から出て来る薬剤溶液により消毒剤による便器内の消毒、洗浄剤よる便器内の防汚洗浄がなされ、便器の表面は常に薬剤で防汚[[コーティング]]され便器内~水管までが絶えず防汚される。便器洗浄水を流するようサニタイザーから便器への薬剤溶出の一連の動作が繰り返され、使用待機状態の便器は常に表面や管路は除菌消毒され、[[排水トラップ|トラップ]]等の便器内の水溜りには一定量の、[[濃度]]の薬剤の溶液が常時滞留しなっている状態となり、消毒、防汚、[[脱臭]]、尿石の付着防止に効果的に作用する。
 
=== 作動原理と機能 ===
主な構造は[[フラッシュバルブ (栓)|フラッシュバルブ]]等の便器の給水管から枝分かれした構造の[[連通管]](給排水管)を設け、サニタイザー本体と結管され、フラッシュバルブ起動毎にフロート付きの弁装置の作用で一定量ずつの水を取り込み、サニタイザー内に仕込まれた薬剤ボトルの底面にある海綿体の浸出性瓶栓から浸出する薬剤をサニタイザー内に取り込まれた水により希釈して薬剤水溶液とし、フラッシュバルブが閉止して便器への流水が終了する間際になると前記給水管内の内圧減少に伴って、この薬剤希釈水溶液を前記フロート弁装置の弁室および連通管を介して再び便器への給水管内に排水して、常にほぼ一定量の[[濃度]]の薬剤溶液が便器に供給され、便器から出て来る薬剤溶液により消毒剤による便器内の消毒と、洗浄剤よる便器内の防汚洗浄がなされ、便器の表面は常に薬剤で防汚[[コーティング]]され便器内~排水管までが絶えず防汚される。便器洗浄水を流す度にサニタイザーから便器への薬剤溶出の一連の動作が繰り返され、使用待機状態の便器は常に表面や管路は除菌消毒され、[[排水トラップ|トラップ]]等の便器内の水溜りには一定量の、[[濃度]]の薬剤の溶液が常時滞留している状態となり、消毒、防汚、[[脱臭]]、尿石の付着防止に効果的に作用する。
サニタイザーの作動原理は、水洗[[フラッシュバルブ (栓)|フラッシュバルブ]]を操作して便器に水を流すと、水は水圧により[[連通管]](便器の給水管からサニタイザーに連結した管)を通り、[[フロートスイッチ|フロート弁]]を経由してサニタイザー内の薬液混合用溶解槽に流入する。サニタイザー溶解槽内の水量が増えるにつれて、[[フロート]]が上動(上昇)していき、やがてフラッシュバルブの流水がピークに達する頃、サニタイザー溶解槽内が満水になると同時にフロートが最上昇点に達し、フロート弁の弁体が弁座に圧接して、水の流入・排出管部が閉塞される。このためにサニタイザー溶解槽内へ流入する水の量(約200ml)は、常に一定となる。サニタイザーに流入した水は、サニタイザー内に仕込まれた薬剤ボトルタンクの底面にある海綿体の浸出性瓶栓から浸出する薬剤と接触して薬剤を[[溶解]]する。フラッシュバルブが閉止し便器へ流れる水圧が低下して内圧が減少すると、フロートが降下して弁体が弁座から離れ、フロート弁が開き、水の流入・排出管部が開放され、サニタイザー溶解槽内の薬剤を溶解した薬剤[[水溶液]]は連通管を介して再び給水管内に排水され便器に流れ込む。便器に流れ込んだ薬液は便器表面からトラップ、排水管へ流れて便器の表面や管路、排水管は常に除菌消毒される。一回のフラッシュバルブの操作により便器に流れる水の量はほぼ一定であり、水流の強さの時間的変化も一定した状態が繰り返されるので、サニタイザーに水が流れ込み、薬剤を溶解して便器へ流れる過程も一定した状態が繰り返され、常にほぼ一定量の薬剤が溶解して便器に供給される。便器への流水が終了する間際に薬剤を溶解した溶液が便器に供給されるので、薬剤を溶解した溶液はほとんど[[希釈]]されることなく、常に安定した薬剤量及び薬剤[[濃度]]の溶液(使用水に対し100ppmの[[濃度]]の溶液)が便器内に留まり、[[大腸菌]]、[[黄色ブドウ球菌]]などの菌を消毒して、[[脱臭]]、尿石の付着防止、排水管のつまり防止に効果的に作用する。
 
また便器洗浄後のサニタイザーから便器への管路や便器内の管路に残留した薬剤の[[溶液]]は次回の洗浄開始直後に便器から出てきて消毒剤による便器内の消毒と、洗浄剤よる便器内の防汚洗浄がなされ使用前の便器の表面は常に薬剤で防汚[[コーティング]]される。便器洗浄水を流す度にサニタイザーから便器への薬剤溶出の一連の動作が繰り返されることにより、便器の洗浄・脱臭・静菌・排水管のつまり防止がなされて、使用待機状態の便器は常に表面や管路は除菌消毒され、[[排水トラップ|トラップ]]等の便器内の水溜りには一定量の、[[濃度]]の薬剤の溶液(約100 [[ppm]]の濃度の溶液)が常時滞留しバクテリア等の細菌の繁殖を抑制されると同時に薬液からのトイレ内の芳香がなされている状態となる。
 
各メーカーいずれのサニタイザーにも[[フロートスイッチ|フロート弁]]が内蔵され、サニタイザーへの水の入排水はフロート弁の昇降動作により一回分の薬剤を便器に供給する他、フロート弁付け根部は六角形になって各々の角部面の中心に入排水口穴が開いており、起動すると六か所の穴から放射線状に水が入水することで溶解槽部に水が均等に安定供給されフロートが上昇し所定量に達するとフロート弁が閉鎖され、一連の動作か終了するとフロートが降下して弁が開放され一定量に溶解された薬液が六か所の口穴から排出され便器に供給される。
 
サニタイザーはそれぞれメーカーにより[[維持管理]]され、一定周期で定期的に薬剤交換、薬剤補充の他、同時にサニタイザーの機能動作等の作動状況の確認と保守[[点検]]がなされると共に便器に出てきた薬剤の濃度を[[pHメーター]]等で測定し、便器の状態を管理される同時に便器を徹底的に磨き上げられる。
 
== 注意事項 ==