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2003年には[[エドガー・アラン・ポー]]、殊に「大鴉」を題材にした『ザ・レイヴン』をリリース、自身の現代文学的な詩世界と古色蒼然たる古典文学の融和をドラマティックな音楽によって表現し新境地を開いている。2011年には[[フランク・ヴェーデキント]]の「ルル二部作」をモチーフとした『ルル』を発表。スピーディかつ起伏に富んだ音楽性の[[メタリカ]]を起用しながら、ヴェルヴェッツ時代を想起させる頽廃的な酩酊感と90年代のメタリカさながらのヘヴィなグルーヴが同居するサウンドとポエトリーリーディングという異色のアプローチをとった作品となった。
 
その時代時代、またはアルバムごとにアプローチを転換しながら、その強烈な個性によって作品をあくまでポピュラーなロックサウンドとして成立させる手腕を持つリードであるが、同時にアプローチ転換の結果としてファンやプレスを当惑させるような「問題作」を発表することがある。二枚組・60分間強の間ギターの多重録音によるノイズのみが収録された『無限大の幻覚(原題:Metal Machine Music)』(70年代の人気絶頂期に発表されたことで大きな賛否を巻き起こした)、元々自身のメディテーション用にプライヴェートに制作された単調な電子音の反復によるアンビエント『Hudson River Wind Meditations』、Metal Machine Trio名義で本格的なアンビエントとノイズミュージックの双方に着手した『The Creation of the Universe』、[[ジョン・ゾーン]]・[[{{仮リンク|ローリー・アンダーソン]]|en|Laurie Anderson}}との連名によるフリー・インプロヴィゼーション作品『The Stone: Issue Three』はその一例である。
 
[[ロックンロール]]、[[フォークソング|フォーク]]、[[ソウルミュージック|ソウル]]などのトラディショナルなポピュラー音楽を源流に持ちながら、(自身の特徴的なヴォーカルやギターを時に無視してまでも)時流とも向き合いつつ我が道を歩み続けている。時代ごとにパートナーを一新してはアルバムごとに特色を打ち出す、多彩な音楽性を往還しながらあくまでもそれらをロックとして成立させる、いくつかの例外を除いて一貫して自身の詩作を重視するなど、多くの偏屈とも言えるこだわりを堅持し続ける彼の信奉者はいまだに多く、現在もなおファンや音楽評論家、他のミュージシャンから広く賞賛を浴びている。
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1996年に、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドは[[ロックの殿堂]]入りを果たし、2015年には、個人でもロックの殿堂入りを果たした。またリードは、[[1995年]]の[[フランク・ザッパ]]、[[2008年]]の[[レナード・コーエン]]が同じく殿堂入りした際に、プレゼンターとして出向いた。ザッパに於いては、[[マザーズ・オブ・インヴェンション]]と自らの[[ヴェルヴェット・アンダーグラウンド]]を対比させて、ザッパの音楽的功績を称えるスピーチをしている。
 
私生活では長らくバイセクシュアルであるとされ、結婚を三度経験している。その最も新しいパートナーであるヴァイオリニストの[[ローリー・アンダーソン]]とは、長きにわたるパートナーシップの結果、[[2008年]][[4月12日]]に正式に結婚したことが明らかとなった。挙式は[[コロラド州]]にて、ごくプライベートな形で行われたという。
 
[[2013年]]に入ってから肝臓の移植手術を受けたことがメディアで報じられ、予後にローリー・アンダーソンとの外出写真が出るなどしたが、[[10月27日]]、肝臓疾患の関連病のためニューヨーク州サウサンプトンにある自宅で死去<ref>[http://www.asahi.com/articles/TKY201310280001.html ルー・リードさん死去 米ロックミュージシャン 71歳] 朝日新聞 2013年10月28日</ref>。71歳没。