「辻占」の版間の差分

'''{{JIS2004フォント|辻}}占'''（つじうら）とは、[[日本]]で行われた[[占い]]の一種である。

元々の{{JIS2004フォント|辻}}占は、夕方に{{JIS2004フォント|[[辻]]}}（交叉点）に立って、通りすがりの人々が話す言葉の内容を元に占うものであった。この{{JIS2004フォント|辻}}占は[[万葉集]]などの古典にも登場する。類似のものに、[[橋]]のたもとに立って占う'''橋占'''（はしうら）がある。夕方に行うことから'''夕占'''（ゆうけ）とも言う。偶然そこを通った人々の言葉を、[[神 (神道)|神]]の[[託宣]]と考えたのである。{{JIS2004フォント|辻}}は人だけでなく神も通る場所であり、橋は[[異界]]との境をなすと考えられていた。京都・一条堀川の[[戻橋]]は橋占の名所でもあった。

[[大阪府]][[東大阪市]]の[[瓢箪山稲荷神社]]で今も行われる{{JIS2004フォント|辻}}占は、通りすがりの人の言葉ではなく、その人の性別・服装・持物、同行の人の有無、その人が向かった方角などから吉凶を判断する。まず御籤で1〜3の数字を出し、[[鳥居]]の前に立って、例えば御籤で2が出れば2番目に通った人の姿などを記録する。その内容を元に[[宮司]]が神意を伺うのである。

江戸時代には、{{JIS2004フォント|辻}}に子供が立って[[おみくじ|御籤]]（これも一種の占いである）を売るようになり、これも'''{{JIS2004フォント|辻}}占'''と呼んだ。前述の{{JIS2004フォント|辻}}占とは独立に発生したもので、直接の関係はない。さらに、{{JIS2004フォント|辻}}占で売られるような御籤を[[煎餅]]に入れた{{JIS2004フォント|[[辻占煎餅]]}}（[[フォーチュン・クッキー]]はここから派生したもの）が作られ、これのことも{{JIS2004フォント|辻}}占と呼んだ。石川県の[[金沢市]]には正月に色とりどりの{{JIS2004フォント|辻}}占煎餅を、縁起物として家族で楽しむ風習があり、現在も和菓子店における{{JIS2004フォント|辻}}占の製作風景は、年末恒例の風物詩となっている。