「ハムレット (キャラクター)」の版間の差分

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[[File:Henry Fuseli rendering of Hamlet and his father's Ghost.JPG|thumb|[[ヨハン・ハインリヒ・フュースリー]]「ハムレットとその父の幽霊」]]
 
ハムレットのためらいは、[[ウィリアム・シェイクスピア|シェイクスピア]]の時代の宗教的な信念にも根付いている可能性があるともいわれる。[[宗教改革]]は[[煉獄]](ハムレット王が現在いると主張するところ)の存在についての議論を生んだ。煉獄の概念は[[カトリック]]のもで、イングランドの[[プロテスタント]]には好まれていなかった。ハムレットは、叔父を天国へ行かせることになるため殺さないと言う一方で、彼の父(死の予知なくして死んでいる)は、煉獄のなかで罪を懺悔し続けている。ハムレットが叔父を殺す機会は、叔父が懺悔を終えたと思われる直後にやってくる。叔父を真っ直ぐに[[地獄]]に落とせるように、「[[近親相姦]]のシーツ」で戯れているあいだに、[[ギャンブル]]をしているあいだに、酒を飲んでいるあいだに、あの殺人犯を刺したいものである、とハムレットはいう。
 
===フロイトの見解===
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ハムレットの歳に関するこの見解は、初演でこの役を演じた[[リチャード・バーベッジ]]は劇の初演当時32歳であったという事実によって支えられている。
 
しかしながら、『ハムレット』には複数版があり、この最初の段階においてハムレットは16歳という年齢で登場しているというケースもある<ref>Roth, Steve ''Hamlet: The Undiscovered Country'' <http://www.princehamlet.com/chapter_1.html></ref>。いくつかの証明がこの見解を支持している。ハムレットはヴィッテンベルク大学に通っていて、王家の人や貴族([[エリザベス朝]]または中世デンマーク)は30歳では大学には行かなかった。それに加え、30歳の王子ハムレットは明らかに王位につくのにふさわしい年齢であろう。ハムレットがとても人気(クローディアスの発言による)なことを考慮すると、先王ハムレットが死んだあと王位継承に選ばれるのは叔父よりもなぜハムレットでなかったのかという疑問が浮かび上がってくる。
 
墓掘り人夫の経歴の長さについての行は、ハムレットの第1四つ折本(Q1)では言及されておらず、そのテクストにはヨリックは死んで12年だけ経っていると書かれている。さらに、おそらくシェイクスピアの話の種本の一つであるベルフォレでは、アムレートは成人していないといわれている。そして戯曲のための二つの権威のあるテキストのうちの一つである二つ折本(F)の最初のスペルのなかでは、「墓を作るようになってから」どれくらいなのかという質問に対する墓掘り人夫の答えは、"Why heere in Denmarke: I haue bin sixeteene heere, man and Boy thirty yeares.."。それらのコピーテクストがF1であると解釈される現代のテクストさえも、"Sixteene"というのは普通"sexton"(Q2の"sexten"が現代化されたもの)と訳される。しかし、現代のテクストではふつうであるモダナイズしたパンクチュエーションでは"Why heere in Denmarke: I haue bin sixeteene heere—man and Boy thirty yeares."となる。言い換えると、この解釈は、彼は墓掘りを16年やっているがデンマークには30年間住んでいる、ということを示唆している。この論理によれば、墓掘り人夫は30歳であり、一方でハムレットはまだ16歳ということになる。